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テーマ:吹奏楽(3459)
カテゴリ:吹奏楽
開催日:2024.12.14(土) 14:00開演
![]() 場所 :相模女子大学グリーンホール 大ホール(1,790名収容) 関東を代表するバンドで市民に寄り添った楽しい演奏会を開いている相模原市民吹奏楽団の定期演奏会に行ってきました。 ![]() プログラム ゲスト 土気シビックウインドオーケストラ 第1部 演奏:相模原市民吹奏楽団 1.シルバークレスト/J.スウェアリンジェン 2.Mont Fuji-富士山・北斎の版画に触発されて-/真島俊夫 3.カントゥス・ソナーレ/鈴木英史 4.交響詩「ローマの祭り」より/O.レスピーギ(佐藤正人編曲) I.チルチェンセス IV.主顕祭 第2部 演奏:土気シビックウインドオーケストラ 5.川の流れのように/見岳章(真島俊夫編曲) 6.ONE!/樽屋雅徳 7.イギリスの讃美歌の調べによる交響的行進曲/C.T.スミス 8.たなばた/酒井格 9.SOUSA'S HOLIDAY 星条旗よ永遠なれ/J.P.スーザ(真島俊夫編曲) 合同演奏 9.歌劇「ローエングリン」よりエルザの大聖堂への行進/R.ワーグナー(L.カイエ編曲) 10.クリスマスキャロル・ファンタジー/Traditional(星出尚志編曲) アンコール 11.Yours!(建部知弘作曲) レポート シルバークレスト 演奏会の幕開けはスウェアリンジェンが一番最初に書いたと言われるコンサートマーチでのスタートとなりました。曲目解説によれば、イタリアカサマツの幼木を題材に書かれた曲とのことで、これから成長してやがては大木になってゆく未来を想像させるものがありました。 ![]() Mont Fuji-富士山・北斎の版画に触発されて- 2014年の12月に行われた第50回記念の演奏会の委嘱作品ということで、初演から10年の節目ということで今年は5月のグリーンコンサート、全日本吹奏楽コンクールの自由曲としても演奏され、まさに相模原市吹の2024年を象徴する曲という感がありました。演奏にあたって円熟味が増したというお話がありましたが、 同じ曲をやり続けるということに対して、福本先生からオーケストラでは同じ曲を何度も演奏するのは当たり前のことというお話もあり、まったくその通りと思いました。このあたり、録音という技術が無かったクラシックの時代では庶民が音楽を親しむには生演奏を聴くしか方法が無かった訳で、「またあの曲を聴きたいな…。」と思ったら演奏会に足を運ぶということが日常だったということを考えると、Mont Fujiをまた聴きたいから演奏会に足を運ぶということにもつながるのかなと思いました。 ![]() カントゥス・ソナーレ ゲストの土気シビックウインドオーケストラの音楽監督である加養浩幸氏の指揮で相模原市吹が演奏するという大変めずらしい演奏の機会となりました。演奏に先立って福本先生から「同じ曲でも指揮者が変わると違う演奏になる。」とのお話があり、全くもってその通りと感じました。この曲は5月のグリーンコンサートでも演奏され、私も拝聴していたものの時間が経っているため朧げな印象にはなりますが、その時の演奏と色が違うという感想を持ちました。 ![]() 交響詩「ローマの祭り」より/O.レスピーギ 団内アンケートでやりたい曲1位に選ばれたとのことで、自分自身の首を絞めたというお話もありましたが、今回のプログラムの半分はゲストの土気シビックウインドオーケストラのステージになるので、通常公演の半分の演奏ならスタミナも大丈夫だろうという計算もあったのかもしれませんが、それほどまでにこの曲は大変な曲というイメージが定着しているように思いました。そしてこの曲のイメージはとにかく華やかであることで、1楽章のトランペット隊のバンダファンファーレはとても目を引くところです。そして今回は曲を切らずにそのまま4楽章に突入する形になりましたが、本当に賑やかなお祭りの雰囲気がよく出ているように感じました。そして有名なよっぱらいのトロンボーンソロを経て、フィナーレはそこまで引っ張るかという豪華な構成でとことん盛り上がっての終幕はやりきった感がすごく伝わってきました。 ![]() 川の流れのように ここからは土気シビックウインドオーケストラによる演奏となりました。演奏後に音楽監督の加養浩幸氏より「選曲にあたって、ここに集っていただいた皆さんが一曲も知らないことがないよう心掛けている。」とのお話がありました。このあたり、演奏者視点とすればどうしても自分たちが演奏したい曲を羅列してしまいがちなのですが、聴衆者視点を忘れないことが大切ということを改めて感じました。そういった意味では、この川の流れのようには、百点満点の選曲なのかなと感じました。 ![]() ONE 石川県立小松明峰高等学校吹奏楽部の委嘱により2013年に樽屋雅徳氏によって作曲された楽曲でNo.1・Only 1・みんなはひとつ の意味が込められている曲とのことで、キーワードとして挙げられていた「疾走感, 明るい, かっこいい」の言葉通りの印象がある曲と感じました。 ![]() イギリスの讃美歌の調べによる交響的行進曲 日本ではなかなか演奏されない曲とのことでしたが、それもそのはずでこの曲は加養氏がアメリカに行って買ってきたものとのことでした。私自身C.T.スミスの曲は難しいという印象があったので、世間一般的にはどうなのだろうとAIに聞いてみたところ、「アメリカの作曲家クロード・トーマス・スミス(C.T.スミス)の楽曲は、難曲として知られています。」という回答であり、こちらの楽曲も聴いた印象として、御多分にもれず難曲の片鱗があちこちに感じられました。 ![]() たなばた 加養氏より、この曲は誰でもという訳にはいかないけれど、吹奏楽をやっている人ならおなじみの曲!ということで取り上げたとのお話がありました。私自身、今年は別団体&別パートでそれぞれ1回づつたなばたを演奏する機会があり、かなり時間をかけて練習したこともあり、演奏を聴き進めると楽譜が脳裏に浮かんできて、ここはどんなふうに演奏するのだろう?といった興味が尽きないところで、ある意味模範解答をもらっているようなところもあって、とても楽しいひとときになりました。 ![]() SOUSA'S HOLIDAY 星条旗よ永遠なれ こちらは土気シビックステージのアンコールという形での演奏となりましたが、土気シビックの演奏会の定番アンコール曲として演奏されているとのことで、そのこなれ感が極まったノリノリのサウンドに圧倒されました。 ![]() 歌劇「ローエングリン」よりエルザの大聖堂への行進 ここからは相模原市吹と土気シビックの合同演奏ということで160名の大人数は、オーケストラピットを上げてステージを広くした状態でギリギリの配置で、床が抜けるのでは?という圧倒感がありました。その大人数の中で、曲の入りはとても静かに。そして山を登るようにだんだんと盛り上がってゆき、終盤に至って頂点に達した時の解放感は格別のものがありました。 ![]() クリスマスキャロル・ファンタジー 「神の御子は今宵しも」~「諸人こぞりて」~「牧人ひつじを」~「柊飾ろう」~「天には栄え」~「もみの木」~「ああベツレヘムよ」という讃美歌7曲がメドレーになったクリスマスを控えたこの時期ならではの楽曲で、シンフォニックなサウンドでクリスマスを演出したいバンドにオススメの楽曲ということではありますが、難易度がニューサウンズ・イン・ブラス基準で星4つということで、うまく演奏するのが大変そうな曲という印象がありました。実際に演奏を聴いた感じでは、なかなかに凝った編曲になっていて、こんな曲をスマートに演奏する相模原市吹・土気シビックはやはり日本のトップバンドなのだと感じた次第です。 ![]() Yours! 演奏会の締めくくりはおなじみのYours!ですが、門外不出の相模原市吹のテーマ曲とはいえ、今回は同席している土気シビックの皆さんも加わっての演奏になりました。私の知る限り市吹以外のバンドがこの曲を演奏するのは初めてなのでは?と思いますが、そういったことも含めて歴史的瞬間に立ち会った形となりました。 ![]() まとめ 今回は、土気シビックウインドオーケストラを丸ごとゲストに迎えるという大きな企画があった訳ですが、驚くべきはその人数で、パンフレットに記載された演奏者数は相模原市吹が81名。土気シビックが82名ということで、合計163名。私も過去このような大人数の合同演奏に参加したことはありましたが、バランスを取るのがなかなか大変で指揮者の方が苦労されていた感がありましたが、そこは一流の指揮者と演奏者の集団ということで、さすがのまとまり感の演奏という印象がありました。 ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
December 20, 2024 06:41:38 AM
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