|
テーマ:吹奏楽(3462)
カテゴリ:吹奏楽
開催日:2025.1.19(日)14:00開演
![]() 場所 :長野県松本文化会館大ホール(2,000名収容) 長野県松本文化会館を根拠地に活動する管楽アンサンブルの結成20周年記念・第13回定期演奏会に行ってきました。 また2019年以来、6年ぶりに縁あって演奏者として参加させて頂くことができましたので、演奏者視点でもレポートさせて頂きたいと思います。 ![]() プログラム 第1部 1.氷河特急 2.メモリーズ・オブ・ヘンリー・マンシーニ 3.星の船 4.パクス・ロマーナ 5.大いなる約束の大地~チンギス・ハーン~ 第2部 結成20周年ステージ 6.JazzコレクションVol.2 ~ドラえもん組曲~ 7.人生のメリーゴーランド 8.交響組曲「ハリー・ポッター(賢者の石)」 9.栄光の架橋 10.ジャパニーズ・グラフィティー9 ~いい日旅立ち~ アンコール 11.世界に一つだけの花 12.マツケンサンバ2 レポート 氷河特急 スイス・アルプスの山岳地帯を走る観光列車「氷河特急」を描いた作品とのことで、演奏会のオープニングにぴったりの豪華なファンファーレ。そして疾走感のあるメインテーマ。そして時速30キロでゆっくり走る様子を表現したと思われる中間部のスローテンポな部分があり、6分半の楽曲中でじつにいろいろな景色が見える楽曲だなと感じ、演奏しながらも氷河特急に乗っているようなわくわく感がありました。 ![]() メモリーズ・オブ・ヘンリー・マンシーニ ニューサウンズ・イン・ブラス'99に収録されていた楽曲で真島俊夫氏による編曲作品。冒頭のエスクラのソロが印象的な子象の行進から始まり、テナーサクソフォーンソロのピンクパンサーのテーマ。そしてアルトサクソフォーンソロのひまわり。フリューゲルホルンソロのいつも二人で。鍵盤ハーモニカによるソロでムーン・リバーと収録曲全てにソロ演奏が絡めてあるという見せ場満載の曲という印象がありました。演奏する中ではソロに聞き惚れて出遅れてしまった…ということがありそうな程、ソロプレイヤーがそれぞれの持ち味を生かした素晴らしい演奏をしているように感じました。 ![]() 星の船 七夕の夜、織姫と彦星のために一年に一度だけ天の川を渡る「星の船」を描いた作品ですが、とてもロマンティックでハーモニーが美しいステキな楽曲だなと感じました。そして演奏にあたっては72というゆっくりなテンポで1音1音噛みしめながらという形になるので、その緊張感たるやなかなかのもの…。ということで、ゆっくりで静かな曲ほど奏者は緊張するという音楽あるあるに当てはまっていると感じた次第です。 ![]() パクス・ロマーナ 紀元前1世紀末~紀元後180年の五賢帝時代までの約200年のローマ帝国の繁栄と平和の時代を描いた作品ですが、冒頭の重厚なファンファーレから始まり、曲全体を通じてじつに威厳に満ちた感のある曲調と感じました。演奏の中で印象的だったのは指揮をされた細田先生から「冒頭のAメロは遠くから軍隊が行進してくるように演奏して欲しい。」という指導があり、このAメロの一角を担うパートだった自分としてどうしたら良いかと思案し、あれこれイメージしつつ曲を楽しませていただきました。 ![]() 大いなる約束の大地~チンギス・ハーン~ モンゴル帝国の初代皇帝チンギス・ハーンを描いた作品ですが、こちらも細田先生より、イメージとすれば「照ノ富士」ではなく「朝青龍か豊昇龍」で演奏してくださいとのことで、いわば力士としてはスリムでスピード感のある…そんなことを想像しながらの演奏となりました。そして、この曲の特徴としては冒頭に「ヨーッ ハッ!」「イー ヨッ!」という掛け声があることで、チンギス・ハーンの気合を感じるところとなりました。 ![]() JazzコレクションVol.2 ~ドラえもん組曲~ ドラえもんといえば、2005年にドラえもんの声優が大山のぶ代から水田わさびに交代したことが話題となりましたが、あわせて主題歌も新しくなったこともあり、今回はそんな新旧ドラえもんの曲を取り上げた3楽章に渡る吹き応え、聴き応えのある組曲として第1楽章はビックバンド風の「夢をかなえてドラえもん」。第2楽章は、ボサノヴァ風の「ドラえもんのうた」、第3楽章は、スウィング調の「ぼくドラえもん」という構成になっています。そして各楽章でソロプレーも盛沢山で、コンサート映えが良いところでした。またいろいろな曲調にアレンジされてはいますが、原曲の骨組みとなるメロディーは崩されておらず、よい意味でドラえもんの音楽をお洒落にコーディネートした形になっていると感じました。 ![]() 人生のメリーゴーランド 第2部は、結成20周年ステージということで、20年前に流行った楽曲が取り上げられている訳ですが、2004年公開のハウルの動く城のメインテーマがこちらの楽曲ということで、改めてもう20年も経つのか…という印象がありました。そして今回演奏されたM8版の人生のメリーゴーランドは、別パートながら縁あって一昨年の11月にも演奏したこともあり、その凝った編曲を組み上げるのに練習時間を費やさなくてはならないことがやっぱり指揮者泣かせ・演奏者泣かせだなと思いながら取り組んだ次第です。 ![]() 交響組曲「ハリー・ポッター(賢者の石)」 2000年代に大ヒットしたハリー・ポッターの第1作目の組曲ですが、尺的にも難易度的にも今回の演奏会で最も難関な曲であり、練習においてもかなりの時間を費やした印象がありました。そんな中、前々日から大ホールにて照明合わせのリハーサルに入りましたが、そこでの照明演出で楽譜がやっと見えるくらいの照度の中で曲が始まり、曲の盛り上がりとともに夜が明けてゆく…そんなステキな情景に感動し、その後何度かのホールリハーサルでもそのシーンを大いに楽しませていただきました。このあたり、松本文化会館が誇る最新鋭の照明設備の総力を挙げた演出を身をもって感じることができました。 ![]() 栄光の架橋 2004年のアテネオリンピックのNHK関連番組のテーマソングとして世に出た楽曲ですが、その歌詞が応援ソングとして鉄板であり、曲としても定期演奏会などで活動を振り返る時の曲やアンコール曲としてよく演奏されているのを耳にします。今回は、2004年に結成された松本文化会館付属管楽アンサンブルの歩みに重ね合わせての演奏ということもあって、1音1音噛みしめながらの演奏となりました。 ![]() ジャパニーズ・グラフィティー9 ~いい日旅立ち~ 1994年に1作目のジャパニーズ・グラフィティーが世に出てから2025年現在で22作が収録されているシリーズの9作目になりますが、内容は山口百恵特集ということで、収録された楽曲は「秋桜」「プレイバックPart2」「イミテイション・ゴールド」「いい日旅立ち」の5曲。おなじみの昭和歌謡ということで曲のインパクトの強さもさることながら、加えて照明の凝りようが半端なく、特にイミテーション・ゴールドではフラッシュバックのような派手な演出に度肝を抜かれることとなりました。 ![]() 世界に一つだけの花 アンコール1曲目は、SMAPの代表曲で国民的歌唱とも言うべき知名度を持つ楽曲ですが、歌詞にある「オンリーワン」は、古来より協調性を重んじる日本の国民性から脱皮しようとする意味が込められているのかなと感じつつの演奏となりました。 ![]() マツケンサンバ2 アンコール2曲目は、2004年のヒット曲で、一昨年あたりから再びブームが訪れているマツケンザンバ2。マツケンサンバといえば「黄金」がイメージカラーになりますが、事前に演奏者に金色のキラキラテープが3枚づつ配布され、楽器を装飾したりして演出に華を添えました。 ![]() まとめ 結成20周年という記念もあって結成の経緯からの歩みという部分の紹介がありました。それによれば、当初松本文化会館付属管楽アンサンブルは吹奏楽編成ではなく、その名の通り管楽器によるアンサンブル演奏で活動する団体としたスタートしたということで、団体名の由来についてなるほどそういうことだったのか!という納得がありました。そして転機は現指揮者の金子氏がパーカッションとして入団したことで、そこから演奏のバリエーションが広がり、吹奏楽編成の団体へと成長したとのことで、20年の活動期間に対して定期演奏会が13回と少なく感じるのもそのためとのことでした。また改めて感じたのは、松本文化会館付属であることから、練習会場の多くを館内施設にて都合していただいたり、演奏会での大ホール公演では、フルスペックの照明演出が惜しげなく駆使されて演奏を盛り上げてくれるということで、演奏者冥利に尽きると感じる公演であると感じました。 ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
January 25, 2025 01:37:01 PM
|