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テーマ:吹奏楽(3466)
カテゴリ:吹奏楽
開催日:2025.2.9(日) 14:00開演
![]() 場所 :小諸市文化センター(712名収容) 26回目の開催となる小諸市消防音楽隊のふれあいコンサートに行ってきました。 また縁あって演奏者として参加させて頂くことができましたので、演奏者視点でもレポートさせて頂きたいと思います。 ![]() プログラム 第1部 1.アトラス~夢への地図~ 2.「千と千尋の神隠し」ハイライト 3.Aida 第2部 ラッパ隊による ラッパ吹奏 第3部 4.We Are Confidence Man 5.地球儀 6.ゲレンデがとけるほど恋したい 7.未来予想図2 8.I will Follow Him 9.ルパン三世メドレー「愛のテーマ」~「ルパン三世のテーマ'79」 10.昭和後期日本レコード大賞名曲集 アンコール 11.HIS HONOR 12.We are the World レポート アトラス~夢への地図~ オープニングは、作曲者の福島弘和氏が「自分の進むべき道を探す」と言うイメージで作ったという楽曲で、演奏者一人一人がこれまで歩んできた人生、そしてこれからどう進んでゆくか…そんなことに想いを馳せながら歌いこんでゆくという大変奥の深い作品であると感じました。私的には中間部の弱奏部の繊細な部分が特に印象深く、まるで霧の中を船で進んでゆき、霧が晴れたら大陸があった!そんなことを想像しつつ楽しませていただきました。またコンサートの構成としても、物語の始まり感があるので、とてもよくはまっていると感じました。 ![]() 「千と千尋の神隠し」ハイライト ハイライトシーンとして「あの夏へ」「底なし穴」「竜の少年」「仕事はつらいぜ」「ふたたび」「帰る日」の6曲を、シンフォニックスタイルにアレンジしたメドレーで、曲が変わると景色がガラリと変わるドラマチックな感じが印象的な楽曲と感じました。演奏的には、強奏部の迫力もさることながら、冒頭からの弱奏部の美しさが素晴らしく、その音符を曲にするにあたって弱奏部に強いこだわりを持って曲作りをしてきた指揮の藤牧氏のタクトが冴えわたるシーンが随所に感じられました。 ![]() Aida 吹奏楽の起源は軍楽隊とも言われますが、そういった意味では消防音楽隊は、より軍楽隊のイメージを感じられる部分があり、それは演奏で仕事感を出してゆきたいという藤牧氏のスタンスにつながる部分があると感じました。そんなことを踏まえてアイーダを演奏するにあたり、1964年の東京オリンピックで実際に使われたファンファーレトランペットが使われるという貴重な演奏機会があり、楽器が変わるということで、このファンファンファーレトランペットのために演奏前チューニングが行われるというこだわりもありました。私自身、2年程前に今回演奏する編曲版と似たアイーダをやったことがあり、曲は知っていたところでしたが、ファンファーレトランペットの加入もあいまって、まったく新しい世界観をもって演奏することができた次第です。 ![]() ラッパ隊による ラッパ吹奏 1部に続いて素早く舞台転換が行われての演奏となりました。ラッパ隊の吹奏といえは、おきまりの曲が披露されることが多く、それはそれで楽しめるのですが、今回ウルトラセブンのテーマというこれまで耳にしたことがない楽曲が演奏され、出せる音が限られている消防ラッパでここまで表現できるのか!という大きなインパクトがありました。 ![]() We Are Confidence Man 2018年4月から6月までフジテレビ系月9枠で放送されたドラマ「コンフィデンスマンJP」の劇中音楽で、スパイ大作戦のような怪しげな雰囲気を持った曲という印象がありました。演奏にあたっては、基本テンポ236という疾走感が半端ないところで、4分音符をカウントしつつ、8分はその半分、16分にいたっては一瞬で、途中でハーフテンポでソロが入って一息つくものの、再びダルセーニョして236に戻ってコーダで終わるというもので、その駆け足感がステージオープニングの曲としてはテンションが上がるところでした。 ![]() 地球儀 宮崎駿監督が10年ぶりに世に送り出した長編アニメーション「君たちはどう生きるか」の主題歌として米津玄師氏が2023年に書き下ろした楽曲で、曲調的にカイトを彷彿とさせるものがありました。演奏にあたり、米津氏がこの曲をどう歌っているか?ということに着目した指導がありましたが、楽譜通りに吹くと原曲と乖離してしまうような印象があり、そこは吹奏楽曲として…という割り切りが必要か?とも思いましたが、できる限り原曲のイメージを汲んだ形での演奏を心掛けた次第です。 ![]() ゲレンデがとけるほど恋したい 今回コンサートの日取りがバレンタインデーに近いということで、恋愛に関する楽曲が取り上げられたようですが、こちらの曲は発表された1995年当時のことを回想すると、曲の歌詞を引用すると「まさに絶好調」のスキー・スノボの大ブームで、私も週末になると毎週のようにゲレンデに行っていたことを懐かしく想い出しました。この曲を挟んで広瀬香美氏による冬の恋愛ソングが何曲かありましたが、曲のインパクトとしては、やっぱりゲレンデが抜きんでていたように感じるところです。 ![]() 未来予想図2 ドリカムの吉田氏が高校時代に作り、未来予想図1は存在するものの、私自身も過去に一度聴いたことがあったかどうか?そのくらい未来予想図といえば2かマストな印象ですが、今回演奏された編曲版は郷間氏による比較的新しいもので、昔からあったM8版の編曲版のものに比べると、技術的に演奏しやすいと感じました。その分、音色へ意識を向けることができたのも良かったところです。 ![]() I will Follow Him 日本語訳は「天使にラブソングを」。1961年に発表された「愛のシャリオ」の英語歌詞書下ろしによるカバーバージョンリトル・ペギー・マーチの曲で、 映画の冒頭でデロリス歌唱シーンにおけるメドレーの1曲として登場し、後に聖歌隊が歌唱したことで話題になりましたが、その雰囲気をテンポ80のSlowlyで丁寧に表現し、後半からは148のFastでガラリとノリノリになり、最後まで突っ走るという構成になっており、記譜上は楽譜2ページをほぼ半々という形でしたが、私的にはこの曲のメインは前半にあって、後半はその変奏的な位置づけなのかなと感じるところがありました。 ![]() ルパン三世メドレー「愛のテーマ」~「ルパン三世のテーマ'79」 数あるルパン三世の楽曲群の中でも愛のテーマをまるまる取り上げたのはこちらの編曲版だけという印象がありますが、記譜的にもちょうど半々になっており、さらにリピートが入ることで前半の尺は長くなり愛のテーマへの力の入れ具合が感じ取れるところです。そして編曲は福田洋介氏ということで、後半には粋なソロも組み入れられており、聴き映えの良い格好良いアレンジも頷けるところでした。 ![]() 昭和後期日本レコード大賞名曲集 こちらはジャパニーズ・グラフィティ6~日本レコード大賞、青春の70年代~とジャパニーズ・グラフィティー5~日本レコード大賞・栄光の昭和50年代~を一部カットしてつなぎ合わせたもので、演奏曲としては、UFO~魅せられて~シクラメンのかほり~ルビーの指輪~勝手にしやがれの4曲の演奏になりました。私もこのジャパグラ5と6は似通ったコンセプトで作られていたので、2曲を連続で演奏するのも面白いかもと思っていましたが、それだとさすがにしつこくなりすぎるかもしれず、つなぎ合わせるというアイデアにはなるほどと感じました。 ![]() HIS HONOR トロンボーン奏者、作曲家、出版社運営を手掛けたフィルモアの代表的サーカス・マーチで、1933年にシンシナティー州知事に捧げるために作曲した楽曲ですが、私自身この曲を初めて耳にしたとき昨年演奏したブロックMと雰囲気が似ているかも?と感じました。 ![]() We are the World 1985年に世界的なブームを巻き起こした楽曲ですが、今回演奏の吹奏楽版は2006年発表のもので、よくまとめられている感がありました。そしてこの曲がラストとなるため、終演に向けたアナウンスとプラカードによる演出が入り、感動のエンディングという形でコンサートが締めくくられた感がありました。 ![]() まとめ 小諸市消防団音楽隊のふれあいコンサートは、昨年に続いて2月の開催となりましたが、1年で最も寒いこの時期を彩る催事として広く市民に認知されているようで、来場者も多く盛況だったと感じました。また1部はシンフォニック寄りの楽曲2曲と話題をさらうファンファーレトランペットが登場したアイーダ。そして2部はテレビでおなじみの曲から平成・昭和歌謡が盛りだくさんと充実のプログラムで、大いに楽しめた感がありました。 ![]() ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
February 15, 2025 08:25:06 AM
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