演 奏 会 の 旅
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元帥閣下
プロからアマチュアまでジャンルを問わず行われる演奏会のレポートを紹介します。
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開催日:2025.5.10(土)14:00開演 場所 :相模原市民会館(1,264名収容) 相模原市民吹奏楽団のグリーンコンサートに行ってまいりました。 プログラム 開演前プレコンサート A.ホルン4重奏 「フリッパリーズ」より B.クラリネット4重奏「星に願いを」 第1部 1.マーチ「メモリーズ・リフレイン」 2.フラターニティー 3.祝い唄と踊り唄による幻想曲 4.「GR」よりシンフォニック・セレクション 休憩中のステージコンサート 5.木管5重奏 アミューズメント・パーク組曲 第2部 市吹の遊園地(テーマパーク) 6.メリーゴーランド 7.メイン・ストリート・エレクトリカル・パレード 8.ファンタジースプリングスメドレー 9.小さな世界 10.スーパーマリオブラザーズ 11.ジブリメドレー アンコール 12.アンパンマンのマーチ 13.Yours! レポート 「フリッパリーズ」~「星に願いを」 開演前のステージコンサートとして、ホルン4重奏とクラリネット4重奏による演奏がありました。フリッパリーズは、ホルン四重奏のためのシリーズ化された曲集のようで、今回その中からの1曲の披露となりましたが、音域が同じホルン四人ということで、つい先日のコンサートで耳にしたトランペットカルテットの為の3つの小品とどこか重なるところがあり、興味深く聴かせていただきました。そして星に願いをは、B♭クラリネット四重奏という編成で原曲の雰囲気は残しつつも、ジャズテイストによるアレンジとなっており、ご機嫌なノリとまるでサーカスのような躍動感が素晴らしいと感じました。 マーチ「メモリーズ・リフレイン」 2025年度全日本吹奏楽コンクールの課題曲で、曲目解説によれば「リフレイン」(繰り返し)を通して、様々な思い出を回想する様子を描いた作品とあり、曲の構造的には、定番のコンサートマーチではあるものの、遊び心が散りばめられているように感じられ、そのあたりの面白さを感じました。また思い出に着目していることから、長い年月を生きてきて思い出をたくさん持っている年長者の方がより彩り豊かな演奏をできるのかもしれないなと思いました。 フラターニティー 曲目解説によれば、昨年度の全日本吹奏楽コンクールで3団体が取り上げたとのことで、巷ではいわば流行りもの感のある曲ですが、私自身は初めて耳にするところで率直に第一印象として感じたのは、曲の中にとてもドラマチックなストーリーが展開されているような雰囲気を感じました。曲目解説によれば炭鉱事故を題材にしているとのことで、なるほどというところなのですが、サウンド的には、もともと金管バンドコンテストの課題曲だったことも関係しているのか、その重厚感がより強く印象に残りました。 祝い唄と踊り唄による幻想曲 2025年度全日本吹奏楽コンクールの課題曲で、慣例的に4つある課題曲の1つはなんとなく日本テイスト枠?ということで、過去の日本テイストシリーズである風之舞やさくらのうた、天国の島、古くはコーラル・ブルーなどを想い起させる曲想と感じました。曲目解説によれば、打楽器アンサンブルの主題を素材としたとあり、どこかアンサンブルコンテストの打楽器曲を聴いているような感覚もありました。 「GR」よりシンフォニック・セレクション 吹奏楽の世界では知らない人はいないのでは?という程メジャーであり、それだけに多くのバンドによって演奏され、やりつくされた感のある楽曲ですが、そういった曲だけにバンドの個性がより際立つという面もあるのかなと思いました。実際に演奏を聴くと、相当にドラマチックな展開があり、曲の締めくくりについてはこれでもか!という程豪華に作られているので、聴き手側とすれば、そろそろ終わるか…いやもう一山あるようだ…といった感覚でとことんじらされて最後の大山!ということで、ステージを締める曲としてじつにふさわしいと感じました。 アミューズメント・パーク組曲 休憩中に、木管5重奏チームによるパフォーマンスステージがありました。曲名からもわかるように、これは2部テーマの導入としての演奏なんだな!とすぐにわかりました。また入退場のパフォーマンスも凝っていて素晴らしかったです。 メリーゴーランド 第2部はテーマ「市吹の遊園地」のもと、まず1曲目はスパークの有名曲のメリーゴーランドとなりました。こちらはつい先日の5月5日の奏鳩会コンサートで聴いたばかりという偶然が重なり、世の中数えきれない程曲があるのに同じ曲を演奏会で続けて聴く確率ってどのくらいあるんだろう…ということを感じつつも、相模原市吹バージョンでは、パートごとに考えられたパフォーマンスもあり、見て聴いて楽しませていただきました。余談ながら、メリーゴーランドには、スパークの他に内山智恵氏による同名の楽曲があり、こちらも好きな方が多い人気曲となっているようです。 メイン・ストリート・エレクトリカル・パレード ディズニーのパレードと言えばファンティリュージョン!というイメージが強いですが、メイン・ストリート・エレクトリカル・パレードは、それより前のもので、いわば元祖感が強いところです。私自身の想い出とすれば、この曲は学生時代に演奏したことがあり、トランペットパートの同級生が早いパッセージを必死に練習していたことを想い出し、懐かしさを感じながら演奏を楽しませていただきました。 ファンタジースプリングスメドレー ディズニーシーを彩るアトラクションの話題から、ピーター・パン、アナと雪の女王、塔の上のラプンツェル、アナと雪の女王2の4曲のメドレーとなりました。4曲とも、それぞれどこかで聴いたことがあり、ディズニーシーという着目点から、曲をピックアップし、うまくつなぎ合わせたものだなと感心した次第です。余談ながら、これらの作品には、それぞれミュージカルもあるようですが、私自身2023年の青山メインランドファンタジースペシャル ブロードウェイミュージカル『ピーター・パン』の地方公演がたまたま地元に来たことが縁でその魅力に取りつかれてしまい、夏の風物詩として昨年、そして今年も鑑賞する予定なのですが、このミュージカルの音楽監督が宮川彬良氏ということで、宮川氏といえば、相模原市吹で指揮を振ったことがあったな…ということで何やら不思議なつながりを感じました。 小さな世界 グリーンコンサート恒例の中学生との共演曲となりました、今年は大野台中学校吹奏楽部と緑ヶ丘中学校吹奏楽部の2校との共演ということで、おなじみの三年生の入場パフォーマンスもあって、おなじみの小さな世界を見て聴いて楽しませていただきました。 スーパーマリオブラザーズ ここからは関西のテーマパークであるユニバーサル・スタジオ・ジャパンからということで、その中からスーパー・ニンテンドー・ワールドを題材にこちらの曲の演奏となりました。共演曲2曲目ということで、演奏担当の三年生とともに二年生のとてもステキな演出がありました。私自身、この曲のマストであるファミコン版のスーパーマリオブラザーズ(確か黄色いカセットだったか?)をさんざんやっていたこともあり、その演出にはとても共感し、懐かしさもありました。余談ながら、マリオといえば東京オリンピックで、安部元首相がマリオになったこともあり、そういった意味では国民的ヒーローと言えるのかもしれず、演出においては弟のルイージとクッパ、ピーチ姫の主要キャラ全員が登場してステージを飛び回り、じつに壮観なものがありました。 ジブリメドレー 愛・地球博の跡地にできたジブリパークを題材にジブリの楽曲から、もののけ姫、さんぽ、人生のメリーゴーランド、崖の上のポニョが取り上げられました。こちらもそれぞれどこかで聴いたことがある…ということで、とてもうまくつなぎあわされている感がありました。そしてジブリの音楽といえば久石譲氏の音楽になる訳ですが、久石氏の音楽のコンサートは世界的に人気があり、海外ではプレミアチケットになっているという話もあり、そんな大作曲家の曲を同じ日本人として聞いたり、演奏したりすることはとても幸せなことなのだろうなと感じました。余談ながら、私自身も今年に入ってから既にとなりのトトロメドレー、人生のメリーゴーランド、「千と千尋の神隠し」ハイライトと3曲ほど演奏する機会があり、おそらくこの後もあるのだろうなと思うと、日本の音楽文化への久石氏の影響力は絶大なものがあると感じずにはいられないところです。 アンパンマンのマーチ アンコールは、今のNHK連続テレビ小説「あんぱん」で話題のこちらの楽曲となりましたが、この曲は途中にバイキンマンのテーマが入っており、よく考えてみるとバイキンマンという敵役がいるからこそアンパンマンが輝くものであり、そんなことも含めてよくできた編曲だと感じました。 Yours! 相模原市吹だけの門外不出の楽曲となるYours!ですが、やはり相模原市吹も他のバンドと同様にメンバーは一期一会で演奏会をしていると思うので、そんなことを考えた時に、さて今回のYours!は、どんなサウンドが聴けるのかなと楽しみになるものですが、今回は大野台中学校吹奏楽部と緑ヶ丘中学校吹奏楽部の生徒さんが前半と後半の目立つ部分をそれぞれ2人一組といった形で演奏し、また新たなYours!の歴史が刻まれたと感じることができました。 まとめ この時期恒例のグリーンコンサートですが、コンサート後に少し時間があったので、横浜線で15分ほどのところにある片倉城跡公園を散策し、素晴らしい彫刻の数々と森の中に佇む奥の院的な佇まいを見せる片倉住吉神社へ参拝。さらにくるくるとご機嫌よくまわる水車小屋など、新緑が美しい初夏の風景を楽しませていただきました。コンサートでは、恒例の中学生とのコラボはいつも楽しみな訳ですが、世の中数多くのバンドで類似したコラボはあっても、大人側、生徒さん側双方において、ここまで気合の入ったコラボはまずないかも…といつも感じるところで、ここまでに至る練習から前日の仕込みまでに関わった皆さん全員の力の結集がこのステージなのだと心に刻みつつ、大いに楽しませていただきました。