演 奏 会 の 旅
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元帥閣下
プロからアマチュアまでジャンルを問わず行われる演奏会のレポートを紹介します。
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開催日:2025.10.5(日)14:00開演 場所 :大町市中学校体育館 黒部ダムで有名な大町を拠点に活動する大町市民吹奏楽団の定期演奏会に行ってきました。 また、縁あって演奏者として参加させて頂くことができましたので、演奏者視点でもレポートさせて頂きたいと思います。 第1部 1.アルセナール 2.喜歌劇「小鳥売り」セレクション 3.星の生まれる場所で 4.サウンド・オブ・ミュージック・メドレー 第2部 5.名探偵コナン メインテーマ 6.楽器紹介のためのスタジオジブリ曲集 7.「レ・ミゼラブル」セレクション
スペシャルステージ~一般参加のみなさんとともに~ 8.秋空に 9.DREAM SOLISTER 響け!ユーフォニアムOP主題歌 アンコール 10.オー・シャンゼリゼ 11.マツケンサンバ2 レポート アルセナール 吹奏楽の世界では、大変メジャーであり、コンサートのオープニング曲としての演奏頻度も高く、私自身も近々では今年の春にこの曲でオープニングを飾った演奏会を経験しており、これまで参加した演奏会で少なくとも10回以上は演奏してきたおなじみの曲ではありますが、だからこそ指揮者やバンドのカラーの違いによる表現の違いのようなものを感じやすいところで、そういった意味では石津先生率いる大町市民吹奏楽団のアルセナール!という認識のもと、一期一会のアルセナールを楽しませていただきました。 喜歌劇「小鳥売り」セレクション 大町市吹の前身であるアルプスシンフォニックバンドがコンクールに出場し金賞を受賞した時に演奏した曲という紹介があり、団にとっては金字塔のような想い出の楽曲なのだろうと感じました。石津先生のレッスンでは、この曲について「どういうふうに面白く演奏するか考える。」という教えがあり、それは喜歌劇 だからということが根底にある訳ですが、何度か合奏するうちに私なりにこの曲の面白おかしい場面をよりリアルに想像しつつ曲を楽しむことができた感がありました。 星の生まれる場所で 『バンドジャーナル』2021年1月号・2月号の付録楽譜として世に出た楽曲ですが、2021年1月といえば世界がコロナ禍に深く覆われていた頃…。誰かと会うということが憚られ、自由な行き来も制限されていた時期ですが、今は会いたいけれど会えない、でもいつかまた会えるね!といった気持ちを表現した曲なのかな…と自分なりに捉えましたが、そんなコロナ禍の閉塞感の中にあっても希望を持ち続けるという気持ちを感じさせてくれる楽曲でした。 サウンド・オブ・ミュージック・メドレー 第1部のトリは、サウンドオブミュージック、ドレミの歌、一人ぼっちの羊飼い、さようなら、ごきげんよう、エーデルワイス、すべての山にのぼろうがメドレーになった大曲でしたが、どの曲もこれまで何度も聴いたり演奏したりしてきた楽曲でなじみがあり、1曲1曲これまでの想い出も回顧しつつ楽しませていただきました。そしてこの曲は、吹奏楽ポップスの父と言われる岩井直溥氏の編曲ということで、そういえば岩井氏から亡くなってからもう11年が経つのだな…といったことにも想いが及びました。そしてこの曲はいわゆる複数の曲を並べたメドレーと一線を画す仕掛けが1つあり、それがクラリネットとバスクラリネットのカデンツァで、まずクラリネットがメロディーを奏で、それに呼応するようにバスクラリネットがメロディーを奏でる(返すようなイメージで)ということで、これを「やまびこ」と捉えると、サウンドオブミュージックの世界観のイメージがすごく膨らむ気がしてより楽しめた感じがありました。また私自身この曲は昨年からなぜか縁があり、近々では都合3回目の演奏ということで、それぞれ異なる指揮者・演奏者とともにそれぞれのバンドの中での役割を楽しませていただきました。 名探偵コナン メインテーマ 2部のオープニングは、派手なスタンドプレーソリの演出が光るウインズスコア版のコナンですが、私もスタンドメンバーの一人として加えさせていただき、ソロもいいがソリでのスタンドプレーというのも一体感があってよいものだなと感じました。 楽器紹介のためのスタジオジブリ曲集 一昨年の楽器紹介のためのファンタジーメドレー、昨年の楽器紹介「山の音楽家」に続いての楽器紹介曲になりますが、題名通りジブリアニメの有名な楽曲が次々と繰り出され、それぞれのパートが旋律を取ってリレーしてゆくというもので、なかなかによく考えられた曲と感じました。そして楽器紹介という形での演奏では私が一人パートという特性なのかもですが、毎度わりと目立つ役割をいただいて恐縮なところではあるのですが、今回も目立つ役割をいただき、プレッシャーになりつつもよい想い出として残る楽器紹介曲となりました。 「レ・ミゼラブル」セレクション レ・ミゼラブルもいろいろな編曲版がありますが、こちらは演奏時間11分にも及ぶ全部入りの大曲で1曲1曲をじっくりきかせる編曲になっていて、大変やり応えがありました。またいくつかのパートにしっかりと聴かせるソロがあり、この見せ場も光るところで、レ・ミゼラブルの世界観を存分に堪能させていただきました。 秋空に ここからは一般参加の方と大町中学校吹奏楽部の皆さんが加わってのスペシャルステージということで、人数が増えての演奏となりました。秋空には、1976年に世に出た曲で、高知県の秋空をイメージしたもので吹奏楽の世界では古典の部類に入るのかもしれませんが、私自身この曲は秋の時期のコンサートで何度か耳にしたことがあり、曲は知っていたのですが、やるのは初めて…。そういった意味ではようやく演奏者側からこの曲を体感することができた訳ですが、石津先生のレッスンでは高知の秋空ということが強調され、大町のこの時期はもう冬支度が始まるのだろうけど、高知はまだ夏の名残があるイメージだからもっとスッキリ感がなくては!という曲のイメージを作るとともに、リズムもかなり掘り下げられた感があり、オーソドックスなマーチそうだけれど、じつは凝った作りでやることが多いのかなと感じました。 DREAM SOLISTER 響け!ユーフォニアムOP主題歌 吹奏楽部を舞台にしたアニメ作品の主題歌ですが、青春真っただ中を彷彿とさせる曲調が特徴的で、そういった意味ではまさに青春真っ盛りの中学生の皆さんは今を音楽で表現!そして大人となった我々は過去の青春を想い出しながら表現!といった形になりました。石津先生のレッスンでは、この曲はスタジオ録音の曲だから楽譜通りに演奏しても参考演奏通りにはならないとのお話があり、そのあたりのバランスを取りながら生演奏でより青春感が伝わるキラキラした音楽を想像しながらの演奏となりました。 オー・シャンゼリゼ アンコール1曲目は、おフランスの代表曲としておなじみの楽曲ですが、岩井氏のアレンジということで、後半にスローダウンする箇所があるなど、ひねりもきいていて面白いと感じました。石津先生からは、フランスを感じて演奏するんだよ!との指導があり、行ったことはないけれどシャンゼリゼ通りの様子を想像しながらの演奏となりました。 マツケンサンバ2 アンコール2曲目は、2023年の第28回定期演奏会でも締めくくりで演奏されたキラキラ衣装でおなじみのこの曲。石津先生扮するマツケンにあやかって演奏者もキラキラの腕輪を装着しての演奏となりました。 まとめ 昨年に続き演奏者として参加させて頂いた訳ですが、今回は会場が体育館だったということもあって、文化会館で行われる定期演奏会では得られない貴重な体験をさせていただきました。特に印象的だったのは舞台配置で、最初に設置した演奏者の配置と客席の配置を石津先生がリハーサルで大幅変更したことで、まずは実際に先生が客席まで行って「ここまではかろうじて聞こえるけど、ここから後ろは霧がかかったようで何を演奏しているのかわからない。だからこういう配置に変えた方がいい。」といったお話があり、演奏会における配置の重要性と我々が出した音が客席でどう聞こえているかがとてもリアルに感じることができました。