演 奏 会 の 旅
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元帥閣下
プロからアマチュアまでジャンルを問わず行われる演奏会のレポートを紹介します。
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開催日:2026.5.10(日)14:00開演 場所 :相模原市民会館(1,264名収容) 相模原市民吹奏楽団のグリーンコンサートに行ってまいりました。 プログラム 開演前プレコンサート A.サクソフォーン4重奏 ガラスの香り(福田洋介作曲) テーマ 市吹のガガガ 第1部 1.歌劇「ポーギーとベス」 (G.ガーシュウィン作曲/J.バーンズ編曲) 2.バレエ音楽「ガイーヌ」より 剣の舞 (A.ハチャトゥリアン作曲/稲垣卓三編曲) 3.ザ・ガーズ (星出尚志作曲) -2026年度全日本吹奏楽コンクール課題曲II- 4.管楽器ためのフィナーレ (伊藤康英作曲) -2026年度全日本吹奏楽コンクール課題曲IV- 5.交響曲第2番~還暦-乙巳~ 相模原市民吹奏楽団創立60周年記念作品 第2部 6.ディズニー「白雪姫」より口笛吹いて働こう~楽器紹介のための~ (F.チャーチル作曲/真島俊夫編曲) 7.ガールズメドレー 8.インザムード (J.ガーランド作曲/山下国俊編曲) 9.学園天国 (井上忠夫作曲/山下国俊編曲) 10.「崖の上のポニョ」Highlights (久石譲作曲・高橋宏樹編曲) 11.翼をください~バンドと合唱のための~ (村井邦彦作曲/宮川彬編曲) アンコール 12.SOUSA'S HOLIDAY(スーザス・ホリディ)星条旗よ永遠なれ (J.P.スーザ作曲/真島俊夫編曲) 13.Yours! (建部知弘作曲) レポート ガラスの香り 開演前のプレコンサートもテーマ「市吹のガガガ」に準じた楽曲となりました。この曲は、AIによれば、サクソフォンアンサンブルで非常に人気のある楽曲であり、アール・ヌーヴォーのガラス工芸に触発されたジャズ・テイストな作品とのことで、実際に聴いてみた印象としては、艶っぽい音色を持つサクソフォンのアンサンブルにピッタリの楽曲だなと感じました。 歌劇「ポーギーとベス」 今回、コンサートのほぼ全ての楽曲に「ガ」がつく選曲とのことで、オープニングはガーシュウィンの「ガ」でスタートとなりました。曲目解説によれば、この曲は、1935年に作曲された1920年代のアメリカ南部を舞台にした乞食ポーギーと情婦ベスの純愛と悲劇を描いたものということで、題名はわりとよく耳にして知っていたのですが、改めて聴くのは初めてに近かったかもしれず、とても新鮮味がありました。楽曲全体はガーシュウィン色が感じられるのですが、不思議な感覚として耳に入ってきたのが終盤のホルンソロで、感覚としてブラームスの交響曲第1番第4楽章に出てくるホルンソロに似ている感じがあり、このあたりガーシュウィンが狙ったのか…はたまた編曲者バーンズがそうしたのか…。ただの偶然か…。もしかするとつい数日前にブラームスのホルンソロを聴いたばかりということもあり、そのメロディーが頭に残っていて、ちょっと似た雰囲気と音の並びが出て来て、そのように感じられたのかもしれません。 バレエ音楽「ガイーヌ」より 剣の舞 2曲目は、ガイーヌの「ガ」ということで、疾走する感覚が特徴的な楽曲ですが、これまでのイメージとすれば、なんといってもシロフォンが硬い音色でメロディーを奏でるということが真っ先に出てくるところですが、今回聴いてみて改めて思ったのはトロンボーンのグリッサンドもかなり特徴的であり、この曲を構成する要素として大きいものを占めているのかもと感じました。そしてそんな激しい曲だが、終わり方がとてかわいくなっているのがハチャトウリアンの遊び心のように感じられました。 ザ・ガーズ ザ・ガーズとは、イギリスのバッキンガム宮殿の近衛兵のことであり、その姿を描いた作品であることが容易に想像できるところですが、曲目解説によればブリティッシュスタイルの行進曲とのことで、改めてブリテッシュスタイルのマーチとはこんな曲?という感覚で聴かせていただきました。聴いていて感じたのは、ふとヤン・ヴァンデルローストのアルセナールとどこか似ているということで、ヨーロッパマーチの風を感じたひとときになりました。 管楽器ためのフィナーレ いろいろな楽曲のフィナーレが織り込まれた曲で、聴き手とすればなんとなくそんな感じなのかという形で受け止めるところと思いますが、この曲はおそらく演奏して「このフレーズはこの曲のフィナーレかな?」と直感的に発見してゆけるので演奏してこそ価値がある曲という印象を受けました。余談ながら、過去にスターパズルマーチという曲がありましたが、同じように星に関する曲がパズルのように組み込まれていていて、それと似た面白さがあると感じた次第です。 交響曲第2番~還暦-乙巳~ 昨年の定期演奏会で相模原市民吹奏楽団創立60周年記念作品として初演された楽曲ですが、今回、いわゆるコンクールカット版での演奏となりました。このあたり、楽曲が大変素晴らしいためどこをどうカットするのか?ではなく、どこをどう残すのか…ということでおそらく悩まれたことと思いますが、完成した抜粋演奏は、あくまでも聴き手の感覚にはなりますが、最初からこういう曲だったようにも思える自然で見事なものでした。 ディズニー「白雪姫」より口笛吹いて働こう~楽器紹介のための~ 2部のスタートも市吹のガガガということで、「が」っき紹介のための楽曲でのスタートとなりました。こちらは、福本先生の楽器紹介のもと、パートごとに演奏者が入場しながらとてもにぎやかに楽器を学べた次第です。吹奏楽のコンサートではこういった楽器紹介のための曲というのは比較的よく耳にしますが、こういう曲をやると、パートの連帯感(仲間意識)が深まるのではないか?と感じる所です。私自身も3月に同じディズニーつながりの楽器紹介のための小さな世界を演奏したばかりということもあり、演奏者視点で感じた次第です。 ガールズメドレー 昭和から令和までのいろいろなガールズポップをメドレーにした楽曲ですが、ここでは恒例の新入団員による楽しい演出がありました。また衣装もパートごとに大変凝っていて、見て聴いて楽しめたところです。楽曲的には、ピンクレディー、松田聖子という昭和の大御所をしっかり押さえた上で、平成の代表格AKB48。そして令和の新進気鋭のアイドルまでを網羅しており、聴き応えも相当にありました。 インザムード グレンミラーオーケストラの代表曲にのせて、グリーンコンサート恒例の共演中学校である大沢中学校吹奏楽部の3年生の皆さんがパートごとに決めポーズをしながら入場となりました。毎度のことではありますが、とても微笑ましいと感じるひとときになりました。 学園天国 司会を務める高松氏と福本先生より「参加型です!」とのお話があり、聴き手はかけ声での参加となりました。また大沢中学校吹奏部の2年生の皆さんによる演出もあり大いに盛り上がりました。 「崖の上のポニョ」Highlights 崖の上のポニョより深海牧場、ポニョの飛行、母の愛、いもうと達の活躍、母と海の讃歌、崖の上のポニョがメドレーになった楽曲ですが、2年生による壮大なポニョのストーリーを連想させる素晴らしい演出が入り、楽曲とともにポニョの世界へ浸ることができました。そしてこちらはロケットミュージック社のゴールドポップシリーズということで、約8分のシンフォニックアレンジで、歌唱あり、ソロありと聴き応えが相当にある楽曲と感じました。私の中ではポニョというとこれまで崖の上のポニョのイメージしかなかったのですが、劇中でこれだけの楽曲が使われていることを知り、また他のジブリ作品に比べて演奏頻度もそう多くはなかったことから、とても新鮮味がありました。 翼をください~バンドと合唱のための~ 宮川彬氏による素晴らしいアレンジ!というご紹介がありましたが、そういえば2014年の結成50周年の演奏会では宮川彬氏による指揮での演奏があったな…ということを想い出しつつ、懐かしい気持ちで楽曲を楽しませていただきました。私自身このニューサウンズインブラスによる宮川彬氏の編曲版の翼をくださいは所属楽団でも楽譜を保有しているため、何度も演奏してきていますが、合唱付きとなると合唱サークルと合同でもしない限りはなかなか実現しないところではありますが、そこは相模原市吹の大編成ならではの強みということで、演奏者を絞って合唱隊を編成するということをしていたようで、大いに聴き応えがありました。 SOUSA'S HOLIDAY(スーザス・ホリディ)星条旗よ永遠なれ アンコールは締めの「ガ」ということで、アメリカ「が」っしゅうこく公式行進曲となる星条旗よ永遠なれを真島俊夫氏が格好良くアレンジしたこちらの楽曲の演奏となりました。 Yours! 相模原市吹だけの門外不出の楽曲となるYours!ですが、大沢中学校吹奏楽部の2年生も入って超大編成での演奏となりました。今回のソロはそれぞれ中学生が担当し、前半がフルート二人、後半がアルトサクソフォーンで演奏され、また新たなYours!の歴史が刻まれたと感じることができました。 まとめ この時期恒例のグリーンコンサートですが、恒例の中学生とのコラボはいつも楽しみな訳ですが、ここ最近の部活動の地域移行の流れから、活動や発表の場が少なくなってしまった中学生の皆さんを救済する形でコラボする団体が増えている印象があります。そんな中、ずっと以前から将来の団員確保も見据えた種まきという願いを込めたコラボの取り組みを続けられている相模原市吹の皆さんの先見の明は素晴らしいものがあると感じました。また市吹のガガガがテーマとなっていましたが、このような一貫性を持つテーマを定めてコンサートを企画するというのもなかなか難しいと思いますが、見事な構成を組まれていてそのあたりの発想力にはいつも感心させられるところで、今回もとても楽しいひとときを過ごさせていただくことができました。