2007/05/26(土)13:21
母語の役割はバーコードと同じ
バーコードの数字にはひとつだけ、商品に関する情報とはまったく無関係なものがある。
末尾の数字は読み取りエラーを防ぐためのもので、何でも奇数番目の数字の合計に偶数番目の数字の合計を3倍した値を加えて10の倍数になるようにしてあるらしい。
なるほど、母語が翻訳に果たす役割とまったく同じであると感心した。
以前から翻訳業界は環境保護という点で製造業より50年遅れていると感じていたが、この点でも数十年は遅れている。
もっとも、ぼく自身はずっとこのことを主張してきた。
母語の思考力があれば、誤訳は見抜ける。
まさにバーコードの末尾の数字と同じで、読み取りがまちがったことはわかるが、必ずしも正しい答えはわからない。
正しい答えがわからなければ意味がないと思う人がいるかもしれない。
しかし、100%の確率でまちがっていることがわかれば、エラー表示が出なくなるまで試行錯誤を繰り返せばよい。
納期までにエラー表示が消えなければ、納品することができないので、その時点でその会社とのお付き合いはあきらめればよい。
ある程度の期間がんばってみてエラー表示が消えなければ、翻訳者になることをあきらめればよい。
至極簡単な話ではないか。
流通業界では当たり前のバーコード末尾の数字。それがなぜ翻訳業界に取り入れられないのか、不思議でならない。
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