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売り場に学ぼう by 太田伸之

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Nobuyuki Ota

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2019.07.10
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先週出張中、Facebookでつながっている元部下から珍しくメールが届きました。転職の報告。彼の仲間から「あいつ、退職するかもしれません」とは聞いてはいましたが、やっぱり退職でした。次は外資ブランドへ。彼は学生の頃から洋服が大好きでなかなか面白いキャラでした、残念です。「ここまでやってこれたのは、太田さんからマーチャンダイジングの面白さ、楽しさを教わったから」、そして「教わったことを新たな職場で浸透させたい」、嬉しいコメントが書いてありました。

彼が次に行く外資のジャパン社には20年前にIFIビジネススクールで指導した教え子が卒業以来ずっと頑張っています。この教え子と転職する彼が力を合わせ、マーチャンダイジングの基本を舐めることなく店頭をしっかりリードしてくれたらいいなあと思います。

  
  (パリ、ギャラリーラファイエット新店)

先日、旧知の販売スタッフが漏らした言葉が気になっています。「最近本社の営業が売場に来ないんです」。ファッションビジネスで担当営業がお店に足を運ばない、一番悪いパターン。自分のデスクに座りパソコンをパチパチやって仕事した気分になっている、これでは市場の動向は見えませんし販売現場の声もお客様の様子も本社には届きません。売場と企業との距離が長くなると、お客様のクレームには鈍感になって対応が遅れて熱烈ファンを失い、販売スタッフの抱える悩みは発見できず退職者が増えます。ろくなことはありません。

確かに、最近売場でアパレルの営業担当や販促担当と遭遇しなくなりました。「どうして来ないの?」とスタッフに質問したら、「どこを見て、何を言ったらいいのか教育されていないのかもしれません」。「へぇー、そうなんだ」、でも、これでは先が思いやられます。

売上管理も在庫管理もパソコンでできる世の中、アパレルメーカーの本社スタッフが店頭に足を運んで「御用聞き」のように情報を売場で集めなくてもすむようにはなりました。が、パソコンのEXCELの表の中には売れた売れないの「結果」は現れても、買われ方の「経過」は出てきません。プロセスなんて必要ないとお考えの方もいるでしょうが、パソコンがどんなに進化しようがお客様に向き合うビジネスではプロセスが重要と私は信じています。

例えば、ある品番がコンスタントに売れていることは本社パソコンでもわかります。しかし、お客様はほかのアイテムと組み合わせてこの品番を買ってくださっているのか、単品でお買い上げのお客様が多いのか、あるいは色違いで2枚買ってくださる中の1枚なのか、販売スタッフから聞かなければわかりません。

また、試着なさって即決断後購入なのか、迷いに迷ってのお買い上げなのか、これも現場のスタッフに聞かなければわかりません。お買い上げまでのプロセス、お客様の思いや様子は次のシーズン以降に役に立つ貴重な店頭情報、本社スタッフは現場から吸い上げるべきです。

最近百貨店のVPがどこも荒れている(言い方変えれば醜い)のは、本社の担当営業や販促、MD職が売場を巡回しないことに起因、もしくは店頭で何も言わずに帰るからかもしれません。基本もへったくれもない、ただマネキンに服を掛けて並べているだけじゃないかと言いたくなるVPがあまりに多過ぎます。かつて指導した会社も同じ、残念ながらVPの組み合わせにストーリーを感じません。本社の各部署から店頭に頻繁に来ているならば、誰かが気づいて組み合わせ方を修正するはずなんですが....。

先月繊研新聞社主催VMDセミナーで講師をした元部下のHくんの話をセミナーに参加した部下が詳しく報告してくれました。Hくんは丁寧にVMDの基本、心得を指導していたそうですが、受講者はすぐ売場に出かけて自社のVPをチェックしたのでしょうか。セミナーは参加することに意義があるのではありません、即実践してこそ意義があります。

流通業というのは常に売場に成功、失敗の要因があり、そこから遠ざかってはいけません。まして世界中で昔のように簡単に服が売れない世の中、もっと店頭に足を運び、販売スタッフの声に耳を傾け、VPや定数定量も含め売場環境を整え、お客様の動きを注視することが以前よりも重要です。

これから順次どの館でも秋冬シーズンが立ち上がります。立ち上がりの売場巡回はもちろんのこと、営業、販促、MD担当は時間を作って売場に行く頻度を上げて欲しいですね。「営業が売場に来ないんです」なんて台詞を販売スタッフに言わせてはいけませんよ。






Last updated  2019.07.10 11:10:27
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