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売り場に学ぼう by 太田伸之

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Nobuyuki Ota

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2019.07.24
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今月初めパリ出張の際にPRADAフォーブルサントノーレ店に立ち寄ったときのこと。ショップに入ってすぐの一番目につく棚とガラステーブルに新しいカジュアルバッグがズラリ並んでいました。販売員によると、2021年には従来からのナイロンバッグは完全に製造中止、今後はこの再生ナイロンに移行する予定と説明してくれました。長年PRADAのナイロンバッグを愛用してきた私にはちょっとショッキングな話。

帰国して顔馴染みのPRADA販売員にそのことを話したら、従来のPRADAナイロン廃止のことはまだ本社サイドから知らされていない、と。ちょっと意外でした。そこでサイトを開いたら、以下がもう記載されていました。

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Re-Nylonは、本当の意味で永遠に存続するものとして、「タイムレス」の概念を見直します。

Re-Nylonは、2021年末までにプラダのすべてのバージンナイロンを再生ナイロン繊維ECONYL®に転換することを最終目標とした、完全なるサステナブル化の実現に向けた大胆な取り組みです。そこには、社会への価値還元という考えを日常に取り入れながら、持続可能なバランスを目指す企業文化の促進に重点を置くプラダ・グループの姿勢が反映されています。

織物用糸を生産するアクアフィル社とのパートナーシップにより採用されたECONYL®は、海から集められたプラスチック廃棄物、漁網、繊維廃棄物を再利用、浄化して作られています。解重合と再重合のプロセスによって、ECONYL®の糸は、品質を損なうことなく無限にリサイクルできます。

意識向上と責任の重要性に対する裏付けとして、プラダRe-Nylonカプセルコレクションの売り上げの一部は、環境の持続可能性に関連するプロジェクトに寄付されます。またプラダは、ユネスコとのパートナーシップにより、数カ国の学生が参加するプラスチックと循環経済をテーマにした授業計画を実行し、学生にインスピレーションを与える教育活動を展開します。このプログラムのアプローチは学習と行動の2つを軸にしており、学生が考案した啓発活動が成果の1つとなる予定です。

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正直言って再生ナイロンはちょっぴりゴワゴワしてて個人的にはこれまでのPRADAナイロンの触感の方が好きです。が、地球環境のことを考えればPRADAの決断は受け入れなければならない、愛用者としては賛成しなきゃいけないんでしょうね。

昨秋サンフランシスコのEVERLANE店でも、サステイナブルなものづくりを目指すために近未来ポリエステルの起用を廃止するとうたっていました。また、今年に入ってフランス政府は売れ残り衣料品の廃棄を禁止と発表しました。これまで大量生産、大量販売、大量廃棄をしてきたファストファッションブランドまでもが一斉にサステイナブル路線にシフト、これからファッションの世界は捨てない、地球を汚さない方向にどんどん進みそう。

随分早くから地球環境の保全をうたってきたPATAGONIAのサイトを覗いてみました。ものづくりの姿勢や独自の労働環境の考えについて丁寧な記述がありました。

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化学薬品と環境インパクトのためのプログラム

パタゴニアのフットプリントの主要部分を占めているのが素材のサプライチェーンです。パタゴニア製品の製造には大量の水とエネルギー、そして化学薬品を要するため、サプライヤーの操業は環境や工場労働者、さらに消費者を保護するために管理されなければなりません。そこで世界中のサプライチェーンにおいて化学薬品と環境への影響を管理するよう、パタゴニアは化学薬品と環境インパクトのためのプログラムを開発しました。このプログラムは環境管理システム、化学薬品管理、廃棄物管理、水消費と排水、エネルギー消費、温室効果ガスやその他の大気排出の全側面をカバーし、地元の法律を遵守することだけでなく、最も厳格な国際消費者製品基準に遵守することを要求します。さらにベストプラクティスを実行するサプライヤーを環境に責任を持つサプライチェーンのパートナーとして認識することにも役立ちます。

パタゴニアの化学薬品と環境インパクトのためのプログラムはヒグ・インデックスの「施設環境モジュール」と「化学薬品管理モジュール」の両方を含む最新の業界全体をカバーするツールを利用し、〈サスティナブル・アパレル・コーリション〉や〈アウトドア産業協会〉の化学薬品管理ワーキング・グループなどすでにパタゴニアが投資する協同グループの仕事を活用します。

パタゴニアの化学薬品と環境インパクトのためのプログラムは2000年以来、私たちがブルーサイン・テクノロジーズと共同で取り組んで来た仕事を足場としています。パタゴニアは2007年には現在300社以上もの製造業、ブランドと化学薬品サプライヤーを誇るブルーサイン・システム・パートナーに公式に参加した最初のブランドとなりました。私たちはこれらの多くの会社がパタゴニアのサプライヤーであること、そして彼らが資源を節約し、化学薬品の影響を最小化することで環境への影響を継続して改善させてゆくというパタゴニアの忠誠に協調してくれていることを誇りに思います。

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昨日、あるテキスタイルデザイナーさんから、日本における再生繊維の現状と日本環境設計株式会社が推進する「BRING回収プロジェクト」のことを教えてもらいました。大手繊維メーカーが再生ポリエステルや再生ナイロンの工場を中国に建設してペットボトル繊維などの再利用を進めていたところ、中国政府が再生用原料の輸入を規制したため工場は完全にストップ、しばらく機械を動かしていないので錆ついてしまって工場の再稼働は難しいかもしれない、と。中国政府にすれば「資源ゴミを中国に送ってくるな」ということなんでしょうね。

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服の回収にご参加ください
BRING
とは?

世界中でつくられている衣料品、その6割(毎年約4500万トン)は石油由来のポリエステル原料でできています。BRINGは古着を服の原料にすることで、石油の使用削減に貢献します。
日本国内でも年間およそ170万トンの繊維製品が廃棄され、そのうちおよそ8割が焼却もしくは埋立されています。まだまだリサイクルは進んでいないのです。わたしたちはこんなかわいそうな繊維製品をリサイクルに繋げます!

BRINGは、繊維製品を地球の資源へとリサイクルするために、様々な企業同士が連携し、お客さまと一緒になって取り組むプロジェクトです。"リサイクルしたいお客さま""リサイクルしたい企業"をつなげ、リサイクル活動を広めたい、それがわたしたちBRINGの願いです。

プロジェクト参加企業は、お客さまが店頭などに持ち込んだ繊維製品を回収します。
回収した繊維製品は、使えなくなってしまった物は服のポリエステル原料やジェット燃料、バイオエタノールなどにリサイクルし、まだ使える物は寄付やリユースしています。
(日本環境設計のサイトより)

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中国での再生ができないとなると日本国内で再生ポリエステル、再生ナイロンの生産工場を造るしかありません。加えて、ストップ・ファストファッションの奨励、過剰生産の中止、廃棄処分やゴミを少なくすることはとても重要であり、我々も消費意識を変えないといけません。長い間、服や生地をバンバン捨ててきた日本企業、考えを改めないと取り残されてしまいそうです。

 







Last updated  2019.07.24 16:17:39
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