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売り場に学ぼう by 太田伸之

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Nobuyuki Ota

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2020.02.08
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昨年10月久しぶりにマンハッタン西34丁目のMACY'S旗艦店を視察しました。広い売り場に(世界最大の店を売りにして来た百貨店)お客様の姿はほとんどなく、マーチャンダイジングも陳列方法も中途半端な印象でした。ニューヨーク研修の視察リストからこの旗艦店を除外してもう20年以上経過しますが、「やはりこれからも除外して良いや」、でした。

そのMACY'S Inc(傘下のMACY'Sは636店、BLOOMINGDALE'Sは38店)が2月4日、3カ年の経営改革案を発表、この先125店舗を閉店、従業員の9%相当約2000人をリストラするそうです。同社は数年前にも大リストラをやったばかり、それでもネット通販事業者の攻勢の前に業績は下げ止まりしないんですね。

早速同社の企業サイトから「3カ年ポラリス戦略」なるプレスリリースを読みましたが、果たしてこんなプランで凌げるのかなあ、と正直思いました。不採算店舗を閉鎖して従業員を整理することは重要でしょうが、根本的にビジネスモデルを変革すること、マーチャンダイジングを全面的に見直するのが先決ではないのかなあ。今回のニュース、いよいよ波は来たかというよりもこんなに早く大波が来たか、です。


同じグループのマンハッタン東59丁目BLOOMINGDALE'S、こちらはずっと研修の視察リストに入れて来ましたが、昨秋の訪問時この店でもお客様の姿は本当に少なかった。ブランドの並びなどはMACY'Sよりはかなりマシ、動画をうまく使ったウインドーディスプレイは参考になりそうなので写真撮影しましたが、かつて世界の同業者が「ブルーミングデールズ詣で」をした頃の魅力はありませんでした。ブランド編集力、販促手法にかつてのパワーは感じません。

アメリカの小売業ではファストファッション大手のFOEVER XXIや高級店BARNEYS NEW YORKが破綻、SPA企業成長期の雄だったL BRANDS(旧THE LIMITED)は歴史あるHENRI BENDEL閉鎖に続いて今度はランジェリーのVICTORIA SECRETの身売り話まで飛び出し、GAPグループでは低価格OLD NAVY分社プランが前に進みません。一つも明るい話題がないのがいまのアメリカ小売業という感じです。



だから、今年は郊外モールや店舗の閉鎖、ブランドの縮小や廃止、チャプター11(倒産)ニュースがおそらく続くだろうなとは思っていましたが、2月早々最大手MACY'S Incの大量閉店構想の発表、我々の予想よりも衰退潮流ははやいですね。このまま行ったら百貨店も量販店もセレクトショップも、そして郊外ショッピングモールも消滅し、アメリカ研修で視察する店がなくなってしまいそうです。

そして日本では、新型コロナウイルス騒動で中国人観光客が激減、先月後半はまだ中国人買い物客で賑わっていた銀座や新宿からも中国人ショッパーの姿が消えました。タクシードライバーに訊いても、中国人減少でで売上はかなりダウンとか。インバウンドが支えて来た消費、この先どうなるのでしょう。

日本国内の感染者は連日増えるばかり、あの豪華客船で足止めを食らっている人たちの陽性反応もお役所の推定を超えています。このまま患者が増え、治療法の決定打が出ないと来日外国人はさらに激減するでしょうし、もっと長期化すればオリンピック開催そのものも危ぶまれます。

インバウンド消費は韓国のように外交でもめない限りしばらく順調に伸びるだろうと期待していましたが、思わぬ形で急ブレーキがかかりました。インバウンド比率の高い商業施設、依然消費税増税の影響もあってこれから数ヶ月どうなるのでしょう。一気に売上大幅ダウン、低空飛行が長引くようだと小売の業績は今年相当悪くなると覚悟せなばならないかもしれません。

コロナウイルス騒動、早く沈静化して欲しい。






Last updated  2020.02.09 17:19:56
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