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売り場に学ぼう by 太田伸之

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Nobuyuki Ota

Nobuyuki Ota

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2025.04.11
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昔から海外出張のフライトは自分でネット予約してきました。アシスタントの世話にならず、少しでも便利な、少しでも安価なフライトを探して。

​昨秋ニュージーランド出張の際はANAもJALも直行便がなかったので、往路は羽田からJALでオーストリアのシドニー、カンタス航空に乗り換えてクイーンズタウン、復路はクイーンズタウンからシドニーまでカンタス航空、1泊してJALで帰国しました。

今回往路はニュージーランド航空で成田〜北島オークランド〜南島クライストチャーチまで、復路はクイーンズタウン〜オークランド〜シンガポールまでをニュージーランド航空、シンガポール(空港での待ち時間は4時間余)〜羽田までは同じスターアライアンスグループのANA便を予約。乗り継ぎのためだけに1泊したくなかったので。


クイーンズタウン空港

初めて利用したニュージーランド航空、機内環境も食事もサービスも快適でした。ひとつ不安だったのは、予約時に復路のシンガポールから羽田までの座席だけどういうわけか事前予約できなかったことでした。クイーンズタウン空港でニュージーランド航空にチェックインした際、3枚の搭乗券をもらいました。クイーンズタウン〜オークランド、オークランド〜シンガポール、そしてシンガポール〜羽田までのANA便3枚。

ところが、最後のANA便の座席はどうやらエコノミークラス、しかも後方座席。ビジネスクラス往復を購入しているのにこれはないですよね。パソコンでANAの予約サイトにアクセスしたものの当日だからか空席情報は得られません。シンガポール・チャンギ空港の待ち時間は4時間半以上、搭乗券がエコノミークラスなので航空会社ラウンジにも入れません。搭乗ゲートがオープンするまでじっと我慢しました。


乗り継ぎ便が着いたシンガポール・チャンギ空港


広いチャンギ空港内をウロウロしました


到着が早過ぎてしばらくANA出発便案内は掲示されませんでした

やっと搭乗ゲートがオープン、手荷物検査を通過してANAカウンター係員にエコノミークラスは手違いではないか、と訊ねました。係員はしばらくの間パソコンをパチパチ操作、トランシーバーで確認したのち「申し訳ございませんでした。私どもの手違いです」とビジネスクラスの搭乗券に交換してくれました。7時間余のロングフライトを何十年ぶりかのエコノミークラスで行くしかないかな、と諦めていたので助かりました。

シンガポール・チャンギ空港の広い国際線乗り換えロビーをあっちにウロウロこっちにウロウロ、ラウンジでゆっくり休憩もできず疲れましたが、さすがANA、ちゃんと対応してくれホッとしました。

搭乗したら「私がビジネスクラスの責任者でございます。何なりとご用をお申し付けください」と言う元気なCAさんに、「クレームではありません。搭乗ゲートの方がちゃんと対応してくださったので」と前置きして、「スターアライアンス加盟航空会社同士でも予約データ管理の互換性が悪いのでは。今後同じようなミスが出ないようあなたからも報告しておいてください」と事情を説明しました。

続けて、2001年9月11日の同時多発テロのときのANAの対応の素晴らしさをCAさんにお話しました。

同時多発テロ当日、私はJAL便で、チーフデザイナーはANA便で、それぞれケネディ空港に向かっていました。私たちは万が一のことを考えて同じフライトには乗らないと決めていたので別々でした。ワールドトレードセンターに乗っ取られた2機目が突っ込んだ直後、
全米上空を飛行中の全ての民間機に対して近郊空港に緊急着陸するよう命令が出ました。成田を出発したANA機はデトロイトに、1時間後発のJAL機はシカゴに着陸しました。

デトロイトには日本の航空会社支店がありません。ANAはCAさんたちが乗客のケアをしました。緊急時ゆえ空港近隣ホテルに1部屋2乗客が宿泊する手配は仕方ありませんが、宿泊代、国際電話代、食事代はすべてANAが負担しました。シカゴ支店から自動車でデトロイトに応援に行ったANA職員はCAさんから業務を引き継ぎ、乗客が帰国する際には同じ成田=ニューヨーク往復無料航空券を全乗客に渡しました。

一方、私が乗っていたJAL便はシカゴ支店があるのにANAとは対照的な扱い。手配してくれたのはシカゴ・オヘア空港から車で1時間以上離れたウィスコンシン州の田舎町のボロいモーテル、宿泊代、国際電話代、食事代はすべて乗客負担、ANAのような無料往復航空券の配布はありません。しかもついたマイレージバンクのマイル数が成田と着陸予定ニューヨーク間ではなく、それより短い成田とシカゴ間でした。正直言ってJALの対応はあまりにセコイ、サービス精神ゼロでした。



911事件以来私はANAの利用が増えたとCA責任者にお話しました。彼女は「あの頃私はまだ小学生でしたのでそのようなことがあったとは全く存じ上げません。教えていただきありがとうございます」。もう24年前のこと、911の対応をご存知の現役CAさんはもうほとんどいないでしょうね。当時JALはまだ民営化されていませんから現在とは社風や緊急時の対応マニュアルは違うかもしれませんが、あのときは民間航空会社のANAとの大きな違いを感じたものです。

アパレル社長時代部下によく言いました、「お客様からクレームがあったとき、対応次第で熱烈ファンになってくださる場合もあれば二度とお買い物してくださらない場合もある。ピンチはチャンス、丁寧に対応しろ」と。お客様からのクレームは役員会に隠さず報告するよう徹底しました。「常にお客様の方を見て仕事するお客様本位のアパレル企業を目指そうよ」、口が酸っぱくなるくらい言い続けました。

帰国フライトで911のANAとJALの対応の違いを思い出し、業務革新した会社がその後もお客様目線でちゃんと仕事をしてくれているだろうかとちょっとだけ心配になりました。たぶん大丈夫だと思いますが。





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Last updated  2025.04.11 11:18:55
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