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テーマ:今日のアーティスト♪(629)
カテゴリ:アーティストレビュー
アイドル顔でクールに
かっこよくロックを奏でる。 女性ロッカーの歴史は 俺の知る限り「アン・ルイス」から始まった。 「六本木心中」「グッバイ・マイ・ラヴ」といった曲に代表されるような、 女の持つ激しさと弱さを上手に表現したのは アメリカ人と日本人を親にもつハーフの彼女が 洋楽と邦楽のいいとこ取りを可能にした結果だろう。 彼女には、日本の女性にはない「キレイ」さがあり、 外国の女性にはない「可愛げ」がある。 その独特の雰囲気こそが女性ロックの原点なのだ。 アイドルがアイドルの曲を歌うような、 当たり前は「ロック」には通用しない。 アイドル顔がアイドル曲を歌わない。 そんな「ギャップ」が、 1970年代に女性ロッカーの原型を確立させたと言えるのではないか。 フォークソングの時代を経て、歌謡曲時代へ移り、 女性ロッカーの肖像は変わらずに、襲到する人が現れず世は過ぎて行った。 そこに、 相川七瀬が「夢見る少女じゃいられない」で戦慄のデビューをした。 「アイドルは夢を見ていいの、私はロックシンガーなの」と言わんばかりに ヘビーなファッションでロックを見事に歌いきった。 彼女の生き様は、 アイドル顔で見た目と実力がない奴に対しての布告とも取れる。 無理しても似合わない奴が多い。 そんな時代だったからこそ、 「相川七瀬」はロックの女王として君臨することができた。 女性ロッカーには、見た目と実力を上回るギャップと 凄味のある可愛さが必要である。 そう言わんばかりであった。 世の女性が、強い女性に憧れる時代も終わり、 「相川七瀬」は一線から退いた。 そして、再び アン・ルイスから相川七瀬へ引き継がれた女性ロッカーの流れを引き継ぐものが現れぬまま 世は過ぎて行った。 そんな時、彼女が登場した。 「北出菜奈」 なんて変換しずらい名前なのだ。 もう少し簡単な名前ならもう少し知名度は上がると思うのだが。 彼女は相川七瀬の路線に「ごすろり」を加えた進化系である。 映画「下妻物語」の主人公(右側)がロッカーに変身したと言えば、説明が簡単だ。 アニメの主題歌がポップ調になるまえ、 デビュー曲がアニメだったら売れないというジンクスが存在していたが、 2nd、~5thまで順当にリリースしているようだ。 だが、一般評価は「キンモクセイ」なみに下火である。 ここまでマイナー路線を走っているのは、ちょいと危険ではある。 彼女は「椎名林檎」と「矢井田瞳」の影響を受けたと自身のブログで公開している。 某掲示板などで「パクリ」という批判的な意見も聞く。 たしかに似てなくはない。 声は違えど、歌い方も同じに聞こえなくもない。 だが、同じ土俵で比較することはできないだろう。 それは、 比較対象が「椎名林檎」と「矢井田瞳」だから。 北海道出身のゴスロリロッカーと 子持ちのJ-POPの女王様と 英語をはなす帰国子女の関西人は どう考えても 比較できないのだから。 誰でも影響は受けるもの。 (古畑任三郎は別だが。) 現存する「女性ロッカー」として 独自の道を切り開いていってもらいたいものだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.03.20 19:52:59
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