エニシダ
ネットの掲示板は、多くの人が利用するので、書きたいことがあっても、そのすべてを事細かに書くわけにはいかない事情があります。ですから、大まかな部分を残して、あとははしょることが多いのですが、それが大きな誤解を招くことにもなります。そうすると、一番言いたかったことが結局は伝わらなかったりするのですが、過去の経験では、伝わらない人に限って人の記事をよく読んでいないことが多いです。ネット上で議論するのは大人げないと思う人も多いようですが、それは他人の意見を尊重できないからであって、互いに尊重できるならば議論は大いに互いを成長させる糧となります。わたしはずっとそう考えてきました。せっかく多くの時間をかけて、考えたり書いたりするわけですから、そのうちのただひとつも無駄にはしたくないです。けれど、過去に通り過ぎていった人たちは、どうやら成長できないままのようです。さて、このところ時間がありますので、古い作品を見直していましたが、どれを見ても結局は、どれもこれも箸にも棒にも引っかからないような、まあその、手の施しようのない作品ばかりでした。以前、師匠に言われたことがあります。ダメな作品は、どんなにあれこれとこねくり回しても、ダメなんだ。そんなことするより、新しく書いたほうがよっぽどいいものが書ける。と。もうひとつ、これも言われました。10級品の中で一番になっても、しょせん10級品は10級品。1級品になったわけじゃない。天狗になるな。意味、分かりますか? トップとか、てっぺんとかとっても、レベルの低い世界の中では、本当のトップではないということです。わたしは、常に謙虚にすべてを吸収して、自分の高みを目指します。ここに、こういうことを書くのは、自分がぶれないように、一つの戒めです。******************************エニシダ 高野博美きっと今夜は あなたが来るとベッドに花を 敷き詰めるささやかな ワガママの棘あなたに刺され エニシダ心にちくり 刺したならきっと私を 忘れない逢えない日々も どこにいてもそしてまた 秘密が生まれる夢のなごりを この手に集めひとりの夜を 生きてゆく素肌には 花びらのアザあなたがつけた エニシダ淋しくないわ この胸がきっとあなたを 忘れない夜明けの露が ぽとり落ちるそしてまた 秘密が生まれる