なんちゃってなすびの柔道整復師 への道 改 仙人&聖者への道

2007/05/18(金)14:10

朝食抜き

断食博士が語る「西式健康法入門」(12)

朝食抜き 質問 現代医学者は「朝食を抜くのは最も健康に悪い。朝食は1日のうちで最も大切なもの。朝食は絶対に抜いてはいけません」と繰り返し警告しています。それでも先生が朝食抜きを薦めるのはなぜですか。 甲田 私自身が朝食を抜いて約50年、その間の色々な体験と、何万人という人々に朝食抜きを指導してきた経験から、絶対の自信を持って断言できるからです。    大部分の人は、「朝食を抜いてから体の調子が大変良い」と喜んでくれます。ただし時折、胃下垂症とか内臓下垂症で痩せている陰性体質の人は、朝食を抜くと午前中にひどい脱力感が現れる場合がありますから、慎重に進める必要がありますが、このような人こそ朝食抜きが必要な病人です。上手に指導すればやがて朝食抜きに慣れ、元気な陽性体質に変わってしまうんです。このような症例を数多く診てきたのでよく分かるんです。 質問 脳はエネルギー源としてブドウ糖しか使わないので、夜寝ている間にブドウ糖が脳で消費され、朝、目が覚めたころには底をつき、もし朝食を抜いたら血糖値が下がり、脳へのエネルギー補給が不十分になるのでは? 甲田 確かに、普通に食事をしているときに脳はブドウ糖だけを利用しますが、断食を長期間すると、体脂肪を分解したケトン体(βヒドロキシ酪酸50%、アセト酢酸10%、ブドウ糖30%)を脳はエネルギー源とします。    また、胎児や出産後の乳児期は、脳がケトン体を使っていることが京都大学薬学部の香月博志教授の研究で分かってきました。胎児の脳にケトン体(βヒドロキシ酪酸)をブドウ糖に加えたほうが、ブドウ糖だけより脳の発育がよりスムーズになり、生後間もない脳は、ブドウ糖よりβヒドロキシ酪酸を利用しやすくなっている。だからこそ、母乳中にβヒドロキシ酪酸が大量に含まれているのでしょう。    大人が朝食を抜いても、脳はケトン体も使えるので機能は低下しません。断食すれば分かるように、むしろ頭脳は冴えますがな。まったく心配ありません。    昔は、「昨日は腹いっぱい食べたけど、今日は食べ物がない」ということがざらでした。人間の体は、食べた日は食べ物を燃やし、食べない日は体脂肪をエネルギー源にすることを自然にやっておったんです。食べ物と脂肪のスイッチ切り替えができとった。ところが現代人は、朝も昼も晩もしょっちゅう食べますから、脂肪を燃やすスイッチが錆びついているんですな。 質問 「朝食抜きは低体温につながり、力が出ない」という批判もありますが。 甲田 確かに、朝食を抜くと体温が下がってくる傾向があります。しかし、だから元気がない、スタミナがないかというと、まったく逆です。    食後は血糖値が高くなりますが、このとき血液中の脂肪は脂肪組織に取り込まれやすい。一方、空腹時には血糖値は下がり、血中脂肪は筋肉に取り込まれやすい。スタミナとは持久力のことで、そのとき筋肉は主に脂肪をエネルギー源にする。つまり、空腹時によく働けるように人間の体はできている。朝食抜きの人は、朝食を食べている人より、肉体労働も頭脳労働もよくこなせるんですわ。それはもう、自信をもって断言できます。 質問 断食をしなくても、朝食を抜くだけでも健康になれるのですか。 甲田 前日の夜から翌日の昼まで食べないと、体は体脂肪を利用するほか、積極的に老廃物を排泄するようになる。半日断食を毎日繰り返すのと一緒なんですわ。    空腹になると、腸は蠕動運動を亢進させる消化ホルモンが出てくる。モチリン(Motilin)と呼ばれ、カナダのブラウン博士が1971年に発見したものです。モチリンは、ギリシャ語のMitil(運動)から名づけられたもので、腸の運動を活発にし、腸内に残っている内容物を排泄するために分泌されるものです。    腹が減ったときにグーッと鳴ることがありますが、このときモチリンの分泌が高まる。これを確かめたのが群馬大学の伊藤漸名誉教授です。モチリンによって胃腸の大掃除が行われるのです。    朝食を抜いてはいけないと信じ、空腹でないのに食べていると、胃腸で消化し切れなかった排泄内容物、すなわち宿便が腸管内に渋滞します。「毎日便通がある。便秘でもなければ、ましてや宿便なんかない」と多くの人は早合点しますが、これが大きな間違いであることが、おいおい分かってきます。    宿便を出す最良の方法は断食ですが、朝食抜きは15~16時間の半日断食なのです。1日1回、強い空腹を感じれば、胃が空っぽになり、腸の蠕動運動が俄然活発になり、宿便が徐々にとり除かれ、健康になるのです。    米ウィスコンシン大のワインドルック博士らの研究では、朝食抜きの1日2食は、酸素の消費量が13%減ると言います。その分、体を老化させる活性酸素の産出量が減るわけです。活性酸素は、臓器や組織に障害を与え、ガンや動脈硬化、老人性痴呆症などいろいろな病気を引き起こします。つまり1日2食は健康長寿法でもあります。 質問 ダイエットにも効果がありますか。 甲田 ダイエットにもよろしい。しかし、朝食を抜いて夜食や間食をしては意味がありません。まず、夕食を早めに食べ、寝る直前に食べることをやめ、少し空腹気味で寝る。すると熟睡でき、朝はすっきりと目覚められる。まあ、やってみれば分かりますがな。 次は、つまみ食いや間食をやめる。間食は胃腸などの消化器に過剰な負担となり、栄養過剰の原因でもあります。    この二つだけでも相当な減量になりますが、次には夕食を少し減らす。夕食は家族団欒のときですから、減らすのは大変難しいですが、腹九分に減らしてみる。夕食を減らしてみると、睡眠時間が少なくて済み、疲労もすっかり取れる。そしてようやく朝食を減らしいくのです。    いきなり朝食を抜いたり、減らしたりすると、失敗することが多い。ゆっくりと体を少食に慣らしていけば、やがて朝食抜きができます。その頃には、ダイエットはいうに及ばず、健康な体になります。 質問 食べないと、肌の張りがなくなったり、白髪が増えたりしないか心配です。 甲田 少食になると、色つやの良い美肌になることを保証します。少食によってまず便通が良くなり、宿便が排泄される結果、体内を循環する血液も清浄になり、それが皮膚表面にも表れるためと考えられます。自分の肌が目に見えてきれいになるのに驚かれるでしょう。    白髪が黒くなったり、はげた頭に毛が生え出す現象も起きます。長年の臨床経験から、脱毛症の多くは、宿便の停滞によって起こる「腸麻痺」が腎機能に悪い影響を及ぼし、むくみやすい体質になることが原因だとにらんでいます。頭皮に触ってみてブヨブヨしている人は、むくみやすい体質です。まず宿便を排泄して腸麻痺を治し、腎機能を活発にすることが肝要です。 質問 子供や妊婦の人でも、朝食を抜いたほうがいいですか。 甲田 子供でも、朝食を抜いたほうが健康になれます。しかし「今日から朝飯抜きや」と言うても、根性がひねくれてしまう。だから、小学校6年生までは腹いっぱい食べさせたらいいです。本人が朝食抜きをやりたいという気持ちになるまで、強要してはあきません。「朝食抜いたら健康になる」と百万遍も聞かせておけば、いつか「それならやってみよか」と思うときがくる。    妊婦の方は朝食を抜くのがいい。お腹が出っ張ってくると、足首に負担がかかって故障が起こる。足首が故障すると、今度は腎臓が悪くなってむくむ。妊娠腎です。これを防ぐのに一番いいのが、朝食抜きですわ。朝食の変わりに青汁(生野菜ジュース)を1、2合飲むのは構いません。    朝食抜きは、1日の摂取カロリーをそれまでの3分の2に減らすという意味です。3食分を2回に分けて食べることでは決してありません。そのとき、最も重要になるのが食事の質です。ハンバーガー2個を1個に減らすという少食では、栄養不良で倒れることになります。玄米や新鮮な野菜を丸ごと食べる、大豆製品や小魚、海藻を積極的に食べるといった工夫が必要です。 断食博士が語る「西式健康法」松下勝則著 より

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る