good enough motherか bad enough motherか
ここ数日間、とりつかれたように摂食障害について調べてみた。『どうやったら食べさせることが出来るか』『どうして食べなくなったのか』以上、2点が主な内容である。前者については、私の掲示板に良い情報をいただき、また数が少ないながらも良いサイトがあり、そこからまた良い情報をいただき、具体性もある質の良いものを手に入れることができた。また、指導をしてくれる機関も見つかりそうであり、一安心である。しかし、後者については進展は少なかった。摂食障害を経験した、もしくは経験している数例で共通していることは下記の点である。1,なにかしらの障害をもって生まれている。2,検査の結果、障害のせいではなく機能的な問題はない、と言われている。3,大学病院など大きな病院では、味付けや食事のあげ方などの『家庭』の問題とされ、病気や障害など『病院』の問題とはされず、場当たり的な対応やはぐらかしを一度は経験している。4,摂食指導に比較的手厚い機関や医師に出会ったとしても劇的な変化はみられない。が、とにかく孤独で不安な親の気持ちは癒された、それだけでもうれしいほど孤独な戦いを強いられてきた。5,本人の成長とともに徐々に食べられるようになる。私がネットで見つけた中に、乳児の摂食障害を取り上げた論文が一つだけあった。しかし、その内容は、摂食障害で悩んでいる親の傷に塩を塗るように厳しいものである。いずれ、抜粋をページに載せたいと思っているが、ここでは要旨だけを述べる。乳児(生後6ヶ月~3歳)と母親は『空腹』『オムツ』などの泣きを何度も経験し、泣きの原因を取り除いてあげることで信頼関係(good enough mother)を築いていく。泣きを見抜けず『空腹』とのみ認識し(bad enough mother)、拒否し泣く子供にあらゆる手段を使って食を強要しているうちに、母親を操作しようとして食を拒否し、心理的な情緒的欲求と食べるという生理的欲求が混同されてしまう。父親が育児に無関心なのも原因である。聖マリアンナ医科大学神経精神科 渡辺直樹『児童思春期の摂食障害』よりこれを否定するつもりは全くない。しかし、以下の2点についてのみの検証が欲しい。・障害児として生まれてから『泣き』があったとしてもそれよりも検査や治療を優先した乳児についても同じようにおこるか。・生まれてから食欲についての欲求が薄かった例もいくつかあるが、その場合について。いずれにしても、きちんと障害として認識し、専門外来なりを掲げる大学病院が出来てほしいものである。そのためのモルモットには喜んでなろう。私がgood enough motherなのか bad enough motherなのかは私と娘とパートナーに接して判断してくれれば良い。