2009/12/19(土)00:38
ゆとり世代
今日のNHK特報首都圏で「“ゆとり”と言われる若者たち」を放送していました。
小学校からゆとり教育を受けてきた“ゆとり世代”と呼ばれる若者たち。
インターネットや携帯電話など、新しい情報インフラのなかで育った彼らは、価値観や行動がこれまでの世代と大きく異なるといわれている。
企業の人事担当者は「自分らしさを大切にする一方、自己中心的」「まじめだが失敗を極端に恐れる」といった特徴を挙げ、それに合わせた採用・育成戦略も取り始めている。ゆとり世代とどう向き合っていくのかを考える。
(NHKより)
そこで取り上げられたゆとり世代の特徴は、
1.浅いコミュニケーション
2.失敗を極端に恐れる
3.言われたことしかしない
です。
浅いコミュニケーションは、メールやインターネット主体の他人とのつながりを求めなくてもいい環境が大きく影響しています。
失敗を極端に恐れるのは、バブルが崩壊して以降に青春を迎え、短期間で正解を求められる世界の中で育てられたことが大きく影響しています。
それは親自身が失敗しないことを求められ、それが子どもの教育に反映した結果ともいえます。
言われたことしかしないのは、物質的な豊かさではなく、心の豊かさが求められるようになったことが背景としてあるようです。
その象徴的な教育が「ゆとり」への転換でした。
親も先生も過保護になってすべての将来の方向性についてレールを敷いてあげたのだと思います。
そのレールに乗って素直にいうことを聞いていさえすればほめられた。
そこに自分の意見を言う機会はありません。
また、自分の意見も特にないか、あったとしても主張するほどの自信が生まれないのも無理はないかもしれません。
その割に自分の望みはすべて親によってかなえられたので、自分が王様になったような過度の自己愛が生まれているようです。
そして、彼らが社会人になった今、時間をかけてでも新人研修に力を入れている様子が紹介されました。
ある世代を「ゆとり」というレッテルを張ること自体に、大人のエゴが表れているような気がしました。
ゆとりと呼ばれる人たちは、ゆとり教育を推進してきた大人たちが作り出してきたのであり、大人の方こそ「ゆとり」を求めてきたのではなかったか。
子どもには何も罪はないのであり、覇気がないとか、自己中心的な割に人に言われないとできないなどと彼らを一方的に叱ることはできないような気がします。
一方、今の学生は非常にまじめに講義に出席して、テストもまじめに受けています。
さらに、就職氷河期に立ち向かって、将来のことを誰よりも真剣に考えています。
それでも就職後、当初思い描いたイメージとのギャップに直面して早期に退職してしまう・・・
子どもの今の姿は、大人社会の生き写しであると思っています。
子どものことを批判する前に、自分の胸に手を当てて、自省する必要がありそうです。
そのうえで子どもの未来に何を託すか・・・
自分なら、希望が見出しにくくても明るく笑顔を絶やさずにが豊かな心と希望がもてる大人になるよう願います。