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カテゴリ:音楽・テレビ・映画・小説
これまで読もうと思って積ん読になっていた本をようやく読み終えました。 論理展開は非常に明快でした。 市場対国家という二項対立で新自由主義をとらえるのではなく,支配階級の権力回復のための闘争だととらえています。 以下,重要だと思った個所を取り上げます。 新自由主義を支持する世論を作り出す方法 伝統や文化的価値観に訴えることは,この全体にわたって大きな比重を占めている。 少数のエリートの経済権力を回復させる意図をあからさまに出せば,おそらく十分な民衆的支持を獲得しえないだろう。 だが,個人的自由の大義を前進させるための計画的な試みという装いを採るならば,大衆的基盤に訴えることができるし,階級権力の回復という狙いを偽装することもできる。 またいったん国家機構が新自由主義的なものに転換してしまえば,その権力を用いて,説得や取り込み,買収,脅迫を行い,その権力を永続化するうえで必要な同意の風潮を維持することができるだろう。 階級権力回復の成果は,たとえば,薬学研究上の重要な画期的成果の多くは製薬会社と提携する国立医療研究所によって資金提供されたものだったが,1978年に,製薬会社は,国に一切還元せずに特許権の利益をすべて取得することが認められ,それ以降,製薬業界は高い収益と多額の助成金を確実に手にすることができるようになった。 イギリスでは,サッチャーによって福祉国家が解体されてしまったかという意図必ずしもそうではなかった。 教育,医療,社会サービス,大学,国家官僚,司法の分野に手を付けるのは困難であることがわかった。 新自由主義国家において,市場での人格的・個人的自由が保障される一方で,各人には自分自身の行為と福利に対する責任があるとみなされている。 この原則は,福祉・教育・医療・年金といった分野にまで拡張される。 (チリやスロバキアではすでに社会保障が民営化されており,アメリカでも同じことを目指すいくつかの提案がある) 新自由主義理論の神髄の一つは,自立,自由,選択,権利などの聞こえのいい言葉に満ちた善意の仮面を提供し,むき出しの階級権力の各国及び国際的な回復と再構築がもたらす悲惨な現実を隠ぺいすることなのである。 情報技術は,新自由主義にとって特別重要な技術である。 投機活動にとっても,また市場契約数を短期間で最大化するうえでも,それは生産の改良よりもはるかに有用である。 ハーヴェイの問題提起・仮説のうち,第1は新自由主義を経済グローバリゼーションのもとで先進資本主義諸国が採用した新たな国家体制あるいは政治制度ととらえるのでなく,途上国・旧社会主義諸国を含めて展開される一個の世界体制,現代資本主義の一時代であるととらえていることである。 ---------------------- アベノミクスという新自由主義に基づく経済政策はこの後追いではないかと思えるほどです。 また,安倍総理は新保守主義と新自由主義を結びつけてグローバル化とナショナリズムを扇動しようとしているように思います。 この対抗軸としてどのような運動がありうるのかつねに注視していく必要があります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2014.01.21 00:39:46
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