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カテゴリ:音楽・テレビ・映画・小説
【著者情報】(「BOOK」データベースより) 島崎謙治(シマザキケンジ) 1954年生まれ。政策研究大学院大学教授。東京大学教養学部卒業後、厚生省(当時)入省。千葉大学法経学部助教授、厚生労働省保険局保険課長、国立社会保障・人口問題研究所副所長、東京大学大学院法学政治学研究科附属比較法政国際センター客員教授等を経て、2007年から現職。2013年から医療政策コースディレクター。博士(商学)。社会保障審議会専門委員。独立行政法人長野県立病院機構理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) かなり骨太の議論でした。 過去の医療政策の経緯から医療政策のあり方を展望しています。 特に、地域格差についての目くばせもしており、参考になりました。 ------------------ 人の生活は「地域」と切り離して存立しえない以上、まちづくりを含め地域における連携体制の構築も必要になる。 その具体的なあり方は地域によって異なる。 地域の人口、医療・介護資源の分布、地勢、住民意識等が異なるからである。 たとえば、都市部では関係者がネットワークを組むタイプの形態がなじむのに対し、過疎地では基幹的な病院・施設が中心となって地域包括ケアを推進するほうが適している場合が多い。 ちなみに、ここでいう地域とは市町村という行政管轄エリアよりも狭い。 実際、同一市町村の中でネットワーク型の地域と基幹病院中心型の地域が併存することは珍しくない。 象徴的なのは尾道市である。 筆者が知る限り、全国的に見て、尾道モデル(在宅主治医と病院主治医が中心となり他職種とともに「退院時ケア・カンファレンス」等を行うことにより連携体制を構築するモデル)はネットワーク型、御調モデル(公立みつぎ総合病院を中核として地域包括ケアを実施するモデル)は基幹病院中心型モデルの最高峰に位置する。 そして、尾道市と御調町は2005年3月に市町村合併したが、その後も2つのモデルは市内で併存している。 その方が地域の実情に合っているからである。 その意味では、地域包括ケアや在宅医療の最適解は地域の数だけ存在するといっても過言ではない。 ------------------ 非常に地理的な視点で興味深い事例でした。 地域の数だけ地域包括ケアが存在するということで、その多様性の実態とその要因を分析することが課題となります。 なかには地域の実情に合っているものと、ミスマッチを起こしているものもあると予想されるので、需要と供給のバランスがどうなっているのかを検証して、その多様性を評価し、あり方を展望できればよいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016.07.15 08:47:19
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