私小説のDokiDokiリングサイド

妻が開けた、秘書さんからのバレンタインプレゼントは大きなハート形の箱に入った
一つ一つ包まれたチョコレートだった。

妻は執拗にお相手の年齢をぼくに聞く。
それを聞くと、趣味・趣向がある程度わかるのよ、と言う。


ホワイトデーの前日に、妻はわざわざ都心のデパートに出かけて
スウィートとハンドタオルハンカチを買ってきた。

これならいただいた物より高いと思うわ。
あなたのメンツも考えてなのよ、という。

ご苦労さま、ありがたいというのか、少々はためいわくというのか。


さて、その日になって職場で彼女にどのように渡したらいいのか、
また迷うのだった。

　　　つづく