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牡蠣の入ったスープが出てきた。
「牡蠣が好きで、牡蠣づくしでもいいっておっしゃってた」 「えー、ぼくが前にちょっと言ったことでも覚えているんだ」 妻も、どうでもいいことをずっと覚えていて、 ぼくが苦笑せざるをえないことがある。 若かりし頃、図書館員の女性とつきあっていたとき、 いつもの喫茶店で待っていて、すっぽかされたことがあった。 なんでも、急に人形浄瑠璃を観たくなって 四国に旅行に行ってしまったというのだ。 新婚時代のある日、それをぼくがふとつぶやいたことを覚えていて、 テレビのチャンネルの切り替えで、たまたま教育テレビの芸能百選が映ったとき、 「人形浄瑠璃やっているわよ。でも昔いやなことがあったから見たくないかしら」 と平然と言ったのだ。 スープに入っている牡蠣の大きさが、見た目あなたのものの方が大きいようだ、 と言ったら、 「そんな、こどものようなことを」 と言われてしまった。 ぼくだって、どうでもいいことを口にするんだ。 それでも、言ったあとに大人げないとは思うのだが。 つづく お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.04.08 21:20:50
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