親心!? 2
そしてまた監督さんがユニフォームを持ってきてくれる日がやって来ました。 こんにちはー はーい はい、がっきー、背番号は7じゃぁー! ・・・・・・・・・・・・ 嬉しいことは嬉しいのですが、1年前、あの同級生との気まずさとか・・・何かよく分からない力が働いているような・・・まぁ、考えてもしょーがない!で1年やって来た僕は、またレギュラーはとれないだろう、何となくそう思っていたんですね。だから、複雑でした。 僕が大学生になった頃でしょうか、実家で父とお酒を飲んでいたときに、ふとこの話題になったんですね。 あののぉ、お前が大人になったけん言えるんじゃけどのぉ、あのとき誰かの親が監督さんにこう言ったんじゃと。がっきーくんは剣道でレギュラーなんじゃけん、ソフトボールは、他の子を優先させんにゃぁいけんじゃろ?我が子かわいさに言うたんじゃ思うんじゃけどのぉ。ワシは、こりゃぁ、監督さんが困っちょる思うてのぉ、『うちの子は補欠でええけん!』って、ワシが監督さんに言うたんじゃぁ。 世の中にゃぁ、いろんな人がおってのぉ、理不尽ゆうか、筋が通らんゆうか、納得がいかんことが、どうしても起こるんよぉ。誰かが我慢せんにゃぁいけんのじゃったら、ワシとお母さんが我慢すりゃぁええ思うてのぉ。 今なら分かってくれるじゃろうけど、あのときのお前には、どうしても言えんかった。お前が部屋で泣いとったのは、ワシは知っとるよ。ワシもお母さんも辛かったわい。でも、お前はソフトを辞めたいって、1回も言わんかった。この子はほんま強い子じゃのぉ~言うてワシもお母さんも涙が出てきたわい。辛い思いさせて悪かったのぉ。 6年になる前に監督さんがワシにこう言うてきた。 『がっきーの剣道の稽古を見て、 ワシが間違っとったのが分かった。 やっぱり実力だけでレギュラーを選ばんにゃぁいけん。』 お前は監督さんの心を動かしたんじゃけぇ。 父の話を聞いてポロポロと涙が零れ落ちたのは僕よりも、父と母の方が何十倍も、何百倍も辛かったということを知ったから。 どんな親でも同じだと思います、我が子がレギュラーになって欲しいという親心は。でもね、他の子を落としてまで、その気持ちを押し出した時点でそれはもはや親心ではなく、一人間のエゴイズムなんじゃないかと思うんです。 その当時僕も辛かったですが、子どもに対する思いを、決してエゴなんかにしてなるものか!と息子である僕以上の辛さと闘っていた父と母の気持ちこそが、親心じゃないかと、僕は思うのです。 おわり この記事が「役に立ったな」とお感じになった方だけで結構でございます。 クリックお願いします。 この結果を参考に、より良い記事が書けたらと思っております。