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テーマ:塾の先生のページ(8202)
カテゴリ:英語教育
前回の記事の最後、 僕が感じていた生徒の状態は、 得点と実力の実感の不一致から起こっていました。 それは、5文型という英語の世界の欠如 からくるものでした。
1問3点の問題で、得点は、0点か3点のどちらかです。 しかし、0点か3点かに振り分けられた生徒の英語の実力は様々。 例えば、 A 実力は1点だけど、得点は0点の生徒。 B 実力は2点だけど、得点は0点の生徒。 C 実力は1点だけど、得点は3点の生徒。 D 実力は2点だけど、得点は3点の生徒。 E 実力も得点も3点の生徒。 AやBの生徒のように、実力はある程度あるにもかかわらず、 得点が0点の生徒は、その自分の実力に自信を持てなければ、 3点得点するまでの努力ができないと思うのです。 一方、CやDの生徒のように、実力よりも得点が上回る生徒は、 足りない実力を身につける努力をしなければ、 中3になったときの入試対策である実力テストや入試問題で 得点することは難しくなると思うのです。 こういった生徒は、テスト問題の種類や難易度によって テストの点が大きく上下するようです。 Eの生徒のようになるためには、現在の自分の実力が、 3点のうち、何点まできているのかを把握し、 何が自分に足りないのかを知る必要がある。 そのためには、英語の問題を解く上で、 英語の実力をはかる「ものさし」が必要だと思ったのです。 そしてその「ものさし」を3段階に分けて考えました。 まず、英文全体を視野にいれてはかる最も大きな「ものさし」が 英語の5つの文の形、5文型。 例えば、 I can speak English a little. S V o 副詞句 5文型のものさしを使って、SVOの形になる3文型に 副詞句がくっついていると分析します。 この「ものさし」で英文を分析し、自分の実力を上げなければ、 学校の平均点を超えることは難しく、超えたとしても、 1時的なものに過ぎないと僕は考えています。 そして次に、5文型よりも少し細かいものさしを使います。 それは、各学年や時期によって異なる英文法。 僕は、「ポイントを探しなさい」と指導しています。 同じ例文を使うと、 I can speak English a little. S V O 副詞句 can(できる)という助動詞が文法上のポイントです。 (中1の3学期の範囲) そして、次に使う最も細かいものさしは、単語・語句です。 例文中では、a little(少し)という副詞句。 このような流れで、初めは5文型を使って、 大きく文全体を視野に入れて把握し、 それから視野を絞りながら、 英文法、単語・語句と分析していく。 カメラを構え、まず対象となる被写体全体を捉え、 そこからピントをしぼっていくようなイメージですね。 こういう形で授業を進めるようになってから、 明らかに変わった点は、 生徒の問題演習中に、以前のように、全員の手を止めさせて、 黒板を使って、一斉に復習するということを しなくて済むようになりました。 生徒それぞれ実力は異なるのですが、 生徒が5文型、文法、単語・語句の3種類のものさしを使い、 それを問題中に書き込むようになったので、 生徒それぞれに必要なアドバイスを的確に、 一言で与えられるようになりました。 そこに新たな発見がありました。 3種類のものさしを使って生徒が書き込んだものは、 その問題においての生徒の思考の足跡でした。 自分で思考したことを目に見える形にしておけば、 たとえ間違えたり、思考が止まったとしても、 そこからまた修正したり、 アドバイスから思考したりすることができる。 これは僕にとって、非常に大きな発見でありました。 実力を把握するための3種類の「ものさし」は、 生徒の思考の足跡へと繋がりました。 つづく・・・。
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