雪白の月

2016/02/10(水)22:47

魅力あるヒロインとは・・・

漫画・アニメ(346)

前回の日記(2013.4.30.)で、「 『 電撃デイジー 』 のヒロインの魅力がよく分からない」 …ということを書いた。 以前にも、他の作品について、同じようなことを書いたこと がある。  『 僕等がいた 』 (2012.3.17.の日記)  『 OZ 』 (2012.3.18.の日記)  『 君に届け 』 (2012.10.24.の日記)  『 スキップ・ビート! 』 (2013.1.27.の日記) など だが、ふと思い返してみると、恋愛漫画の教祖的な作家と認める くらもちふさこ (2012.12.4.の日記他) や、これまで散々、 「魅力的なキャラクター作りが上手い」 と褒め称えてきた田村由美 (2012.9.19.の日記他) や末次由紀 (2012.5.29.の日記他) などの作品を顧みて、じゃあ、何が違うのか…と聞かれると、ちょっと説明が難しい。 よくよく考えてみると、くらもちふさこの描くヒロインなど (特に短編) は、大して長所も短所もない、いわゆる 「どこにでもフツーの女の子」 ばかりだ。 昔から、少女漫画というものは、目立って美人でもない設定 (決してブスではないところがポイント) の女の子が、突然、カッコいい男の子をゲットする…的な展開が嘘くさい、と散々否定されてきた。 その反動か知らないが、冒頭に挙げた最近の人気漫画のヒロインは、 「性格美人」 であることを、これでもかと畳みかけるようなエピソードの数々でもって説明される。  〇 男より女友達を大事にする  〇 意地悪な女友達を広い心で改心させる  〇 犬猫や小さい子供への愛情がハンパない  〇 TPOに応じて、男に甘えたり、母のような慈愛で包み込んだり、やることが意外とベテラン などなど…。 ハッキリ言うと、とにかく、彼女がモテたことに対する 「エクスキューズ」 が、あまりにも過剰なのだ。 中高生の男の子が、女の子を好きになるのに、そんな、一生の結婚相手を捜すかのように、 「気立て」 ばかりを気にするか?…いや、そもそも、あの年代の男に、そこまでの 「女を見る目」 があるか? 大体は、 「顔」 とか 「雰囲気」 とか 「手近にいた」 とか 「俺のことを好き」 とか 「言うこと聞きそう」 とか、そんな理由で、付き合ってんじゃないのかね? それを、まあ~クドクドクドクド、女の子の 「いい子っぷり」を一から十まで説明しようとするから、余計に嘘くさくなるんじゃぃっ。 振り返ると、高校生くらい迄の女の子はスレてない分、上に挙げた程度の 「いい子」 は腐るほどいる。 だけれど、 「出る杭は打たれる」 ことの多い女子社会では、「いい子」 でいるのは、 「悪い子」 に見られるより、ずっと 「ラク」 だから、個性を殺しているに過ぎないことも多い。 しかも、 「天使のようないい子」 というのは、傷つきやすかったり、流されやすかったり、意外と鈍感だったり、掘り返してみれば、めんどくさい欠点も必ずあるもんだ。 案外、穢れが無さ過ぎるところがネックで、男が近寄って来ないってこともあるので、天使だからって、漫画みたいに、必ずモテるとは限らないんだよ。 「こんだけ性格よければこそ、彼氏がデキる」 と余りに強調されたら、モテない読者にとっては、却って 「希望」 を絶たれるんじゃないのかな、と私は思うのだが…。 <関連日記> 2012.3.17. 世界は「僕等」を中心に廻ってるらしい・・・『僕等がいた』(アニメ版) 2012.3.18. 色んな意味で「雑」なのが残念・・・ 樹なつみ 『 OZ 』 2012.5.29. バカバカしくてもやめられない、愛すべき 「メロドラマ」 ・・・ 末次由紀 『 エデンの花 』 2012.9.19. 登場人物すべてが愛おしい ・・・ 田村由美 『 7 SEEDS 』 2012.10.24. とんとん拍子で 「高校デビュー」 を果たしていく女の子 の お伽噺 ・・・ 椎名軽穂 『 君に届け 』 2012.12.4. 「嫌われる」 のも大切な経験 ・・・ くらもちふさこ 『 おしゃべり階段 』 2013.1.27. 無自覚な 「魔性の女」 の物語 ・・・ 仲村佳樹  『 スキップ・ビート! 』 2013.4.30. ムダに挿絵の多い ラノベみたいな (?) 漫画 ・・・ 最富キョウスケ 『 電撃デイジー 』 【送料無料】7SEEDS(セブンシーズ)(24) [ 田村由美 ] 価格:450円(税込、送料込)

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