美術展探訪記① あるサラリーマン・コレクションの軌跡
「あるサラリーマン・コレクションの軌跡~戦後日本美術の場所~」という絵画展にいってきました。(三鷹市美術ギャラリー 2/1までhttp://mitaka.jpn.org/gallery/054/ ) 内容のご紹介に関しては、ギャラリーのHPから引用させていただきます。(引用ここから)-本展覧会では、ある一人の美術愛好家が収集した作品134点を紹介します。 彼は特に専門の美術教育を受けたわけではありません。就職の後外勤を担当し、多くの顧客と接するなかで絵画愛好家や熱心な美術コレクターとの出会いがありました。それが美術に関心を持ち、作品の収集を始めるきっかけとなります。(中略)その後コレクションの対象は徐々に広がり、ジャンルを特定せず「自分の琴線に触れたもの」を集めるという方針に収束しました。(中略)ここには抽象/具象といった区別も、わかる/わからないという思い込みもありません。一人のコレクターがすべてを同じ視線で見つめ、身体全体で「鑑賞」した結果なのです。(引用終わり) 匿名のコレクター氏が、自分の「心の琴線にふれるもの」を追い求め、学び、手元において堪能するというところに共感を感じました。そして、そのコレクションを公開し、誰かの「琴線」に触れる機会を、と考えられたところにはもう好みの差を越えて、ぜひその方の集めた絵を見たいと思いました。 素人目にも、なんだかどきっとするものが多かったです。また、自分にとってはさほど琴線に届かないものにも「コレクター氏は、この絵の何に震えたんだろう?」と考えたりして、つい目をそそいでしまいました。 高度経済成長とともに、見る目を育て、画家の精神的な援助を重ね、一枚の絵ごとに心躍らせたり、魅入られたりしたコレクター氏の物語が、絵の知識のない素人の私にもずっしりとした満足感を与えてくれました。 余談ですが・・・ 絵を見るときは、「どれか1点、持って逃げるとしたらどれにしよう?」と考えながら見ることにしています(笑)自分の「琴線」にひっかかるものに直行できる良い方法だと思っています。 今回は、3点ほど心の中で持ち逃げをしました!