2005/09/22(木)17:43
情報誌編集セミナー(2)
2回目の今日、先生はやって来てあいさつもそこそこに、発令!
「え~、今から1時間ばっかし取材に行って来て。
このグループは・・・そこのハローワーク。テーマは「雇用問題」。
このグループは・・・あの辺にスーパーがあったでしょ。テーマは「地域社会」ね。
このグループは・・・「地産地消」ってことで、市役所の隣の酒屋。
あとの3グループは、今の3つのどれか。
はい、行ってらっしゃい。」
1グループ5~6人なんだけど、同じテーマを2グループでやるってことで、
総勢10~12人が、ぞろぞろと同じ目的地に向かう。
みなさん「いきなり取材なんて、客商売なのに大丈夫なの?」
「何を聞くか相談もしないで、みんなで押し掛けるの?」と不安になりながら、
とりあえず、もう一つのグループより先に着こう、と足をはやめる。
私達は、市役所隣の「かめや酒店」。
同じグループの男性が、店に入るなりお酒を買ってくれたのもあって、
お店の奥さんも出て来てくれて、スムーズにお話をうかがうことが出来た。
主にオリジナルブランドの「七力」について・・・奥さん、娘さんともに熱い。
いつもは通り過ぎていた酒屋の人達の、生きざまを見せつけられた。
「純米吟醸 七力」について。
青森市内の仲の良い七店の酒屋が「ななの会」を結成。
弘前で作った県産の酒米「華想い」をつかって、
七戸の盛田床兵衛酒店の蔵で、オリジナルの「純米吟醸 七力」を作り、
ラベルデザインなどもすべて相談し合って、プロデュースした。
今年3/3に1000本限定で販売したところ、たった1ヶ月で完売。
その後、5月に「純米吟醸 七力(しちりき)無濾過生原酒」、
9月には「純米吟醸 七力(しちりき)無濾過原酒 冷おろし」を発売。
辛口でさっぱりした味が好評で、リピーター多し。
ちなみに、「ななの会」に入っている7店鋪のみでの販売。
(YDS幸畑店・酒のタカハシ、酒のなかむら、山形酒店、K・マートかさい、かめや酒店、蝦名酒店、関太郎商店)
「青森の米を使ったお酒を、青森の人達が飲む。
そうすれば、いい循環が生まれるんでない?」
と、奥さん。
10年前は、青森のお酒はクセが強くてそんなに美味しくなかったけど、
今では蔵も代替わりして、全国でもかなりいいレベルにきているそう。
「ななの会で、毎月一回集まって、まあ飲み会みたいになっちゃうんだけど、
ディスカッションしてる中で、
『米を作った人は、この七力を飲んだことがあるのか』
という話になって、飲んでもらうために、
今年はお酒を持って、みんなで稲刈りに行くことになったのさ」
そんなお話を聞かせていただき、アピオに戻る。
各グループで情報を共有、取材した内容を再確認
先生「じゃあ、グループばらすよ~」
全部のグループが徹底的にばらされて、新たな6グループ。
その中で、それぞれの取材内容を発表~質疑応答(1人5分)。
で、また元のグループに戻って、
「聞かれて答えられなかったこと」
「他のグループの人が興味をもったこと」など確認し合って、
全員の前で、各グループの代表が最終発表をした。
・ハローワーク組は職員の話のみ聞いて、来所者には気を使って話しかけなかった。
→「取材」と言わなくても、世間話をする、という手もあるのではないか。
・スーパー組は、店長、お客さんともに最初は取材拒否。あまり聞けなかった。
→経営のことなど一日で話を聞き取るのは無理。短時間でも目的に合った質問を。
インタビューとは、話を拾ってくること。
うまく書く、うまくまとめるのではない。
取材対象の人達の話・気持ちに則す。
聞いたとおりに書くことが大切。
語っているのは「私」ではない。
自分の心は、消す。
先生は、
「いつも取材対象に関する情報を一度集めて、その後、それを全部忘れて、
取材対象の前には、まっしろになって立つ」そう。
「あなた達にいきなりそれをやれ、と言っても無理だから、
下手なことをするより、
取材には何の仕掛けも準備もなく、のぞんだ方がいい」
そうすることで、自分を消して、相手の話・気持ちに則すことができる。
モモの活動に、通じるものがあります。
支援は、徹底的に、
「相手の身になって話を聞く」
ことからでしか、始まらないから。
このことに対して、受講者の中年女性から、
「してもさ、先生。
情報誌って、ある目的を持って出してるもんでしょ。
じゃあその啓蒙のためには、自分なりの演出も必要なんでないの?」
と質問が。
先生もちゃんとわかってもらおうと答えるけど、やっぱりわからない、と言われ、
長々と論議が続いてた。
う~ん、ピンとこない人には、難しいかもしれないなあ。
先生の文章を読むと、その意味がわかるんだけど。
透明感があるというか・・・自分がそこに行って話を聞いてるように、読める。
(興味のある人は「北國の果てNet」などで読めるかも)
NPOを農山漁村に普及させる目的の民俗雑誌「季刊シンポジオン」を売ってもらった。
お金が足りなかったので「6冊だけ買います・・・」と帰ろうとしたら、
「いいよいいよ、もう1冊持ってって」と言っていただき・・・ありがたや。