『それでもボクはやってない』※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※大事な就職の面接を受ける日の朝、 フリーターの金子徹平は通勤ラッシュの電車で 女子中学生に痴漢と間違われ、現行犯逮捕されてしまいます。 一貫して無実を訴え続けるも、起訴されることに・・ 彼の長い戦いが始まりました。 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 周防正行監督11年ぶりの新作とか。 3年かけて取材したという取り組みよう。 ‘裁判’って、どんなものなんだろう? その矛盾さ、問題点が浮き彫りにされていきます。 2年後には裁判員制度が始まるということもあって 人ごとではなく『人を裁く』のがいかに難しいか いや、今の制度では人が裁くというより 流れに添って機械的に処理してるっていう感じなのかな? とにかく、色々勉強になりますよ~★ ま、一生のうち裁判員に選ばれる確率は 67人に1人と言われているみたいですが。 それでもこういう人達がいて、 こういうことが行われているというのは、 当事者になるか、映画などでしか知り得ない訳でしょう? なので「え~っ!?そうなのぉ?」なんてシーンが多々あったり。 おいらが観てた回では客席から 「サイテー!」なんて思わずスクリーンに向かって ぼやく声が聞こえてきたりしました。 エンターテイメント的な映画とは違って ドキュメンタリーちっくなリアルさ。 物語が派手に盛り上がったりは決してしないけど ずっと目が話せませんでした。 この映画を観て裁判員制度に関心を持った方も いらっしゃると思います。 それほど興味をひく内容でした。 ただ、映画的?なハラハラドキドキ感を求めて 観に行かれるなら、ちょっと違うかもしれません。 裁判に関するテキストみたいなもんかな。 勉強にはなりますので、観て感動は出来なくても損はないでしょう。 加瀬 亮さんが演じる主人公の青年は ごくごく平凡などこにでもいそうなタイプ。 (こういうのを演じられるって凄いっ★ 『硫黄島・・』も良かったっすけど) 「触ったでしょ」と言い掛かりをつけられ、 なぜか気付けば留置所行き。 何も悪いことはしていないのだから話せばわかってもらえる。 そう思いながら、駅事務室→警察→留置所→裁判・・ あれあれあれ~? こんなに話を聞いてもらえないもんなの~(*_*) でもまさかやってもない事で ‘罰を受ける’なんてありえないだろう。 最終的に「裁判官ならわかってくれる」 ・・これはこの主人公だけではなく、 同じ状況なら誰しもが思うのでは。 だって罪は犯してないんですから! けれど、自分だけが確信している事実を 現状の裁判制度で立証するのが、こんなにも難しいとは・・ 特に裁判官が保守的にならざるを得ない理由・・ 「無罪」の判決を出す事は上に盾突くことで出世に影響する ・・あんぐり( ̄○ ̄;) 国家権力と戦うって、こーゆーとこにあるのかも。 そもそも裁判の途中で裁判官がひょいっと変わっちゃうなんて 裁判って、人が裁くんじゃなくて単なるシステムですよね。 実際のところ、この映画の主人公が本当に無罪なのか 実は痴漢しちゃってたのかはわかりません。 主人公視点なので主張はもちろんタイトル通りなのですが。 裁判では感情論抜きで、出された証拠だけで 判断しなければいけません。 痴漢犯罪は決して許されないことです。 犯人が誰であれ、被害者は深く傷ついています。 だからこそ、冤罪なのかどうかを見極めるのは ものすごく大切だし、難しい。 でも、無実の人を有罪にしてはならないし。 このストーリーの流れを見て、本当に正しいことはなんなのか 自分なら何を信じるだろうかと たくさん考えさせられました。 ラストに「どうか私をあなたたち自身が 裁いて欲しいと思うやり方で裁いて下さい」とありました。 まさにあと数年後、人ごとではなくなるかもしれません。 とりあえず、謎に包まれていた(おいらにとって;) 日本の司法制度について多くのことを知る事が出来ただけでも 観た価値がありました。 |