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『トンマッコルへようこそ』

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舞台は1950年代の韓国。
朝鮮戦争の真っ直中にあるにもかかわらず、
戦争とはまるで無縁の平和な村‘トンマッコル’が
山奥にありました。

そこへ何かに導かれるかのように
アメリカ人パイロットのスミス、
韓国軍の2人、それに敵対する人民軍の3人がやってきます。

顔を合わすなり銃を向けあう両者。
まさに一触即発の危機なのに、
銃なんて見たことがない村の人達は
いたってのーんびり。

最終的に、村の食料貯蔵庫を破壊してしまった彼らは
ひとまず協力して村人たちの畑仕事を
手伝うことになるのですが・・。
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‘トンマッコル’とは‘子供のように純粋’という
意味だそうです。

まさに村人たちはそんな感じ。
銃がどんなものかも知らないし、
ましてや戦争が起こっているなんて
彼らからしたら『何言ってんの?』ぐらいの世界。
まったく争うことを知らないのです。

本当にこんな村があったら、行ってみたい。
誰もがそう思うかも。
現代に生きる我々はどこか殺伐としていて、
大小はあれども身辺で争いごとが絶えないような気がします。

主演のチョン・ジェヨンがインタビューで語ってました。

「この人達には欲がない。良くないことというのは
すべて人が持ってる欲から生まれることが多い。
だから欲を捨てることが一番大切なのでは。」
つまり、欲のなさがこのトンマッコルのような
パラダイスを作っているという訳ね。

うーん。
それはなかなか難しい。
人を動かす‘原動力’ってやつも
結局は欲から来てる気がするしなぁ~。
欲がないと無気力になりそうな気も~(^_^;)

人民軍の兵士、リが村長に
「この平和な村を統率する秘訣はなんですか?」と尋ねます。
村長の答えは「腹いっぱい食わせること。」
あ~、なんかそれならわかるなぁー。

今世界中に飢えてる人々がいる。
飢えによって人の心はすさむ。
争いごとが絶えない。
争ってる場合じゃないよね。
ますます状況悪くなるばっかりじゃん(-"-;)
この映画の中の素敵なシーンのひとつにもそれが出ています。
いがみ合う敵同士でも口いっぱいに美味しいものをほおばった時、
自然と笑みがこぼれる。
その一瞬、幸せに満ち足りて
いがみ合う気にもなれない。
おなかがいっぱいになる幸せ。
これはよくわかる。
このシーンでは、じーんときました。


この作品の中の‘争い’は朝鮮戦争。
同じ民族同士が殺しあった悲しい過去。
物語の中では、敵対する北と南の兵士達が
最後には堅い絆で結ばれます。
ここに、現在もまだ叶わない理想を託しているのでしょうね。

新人監督さんと若いスタッフ達で作られたとあって
なかなかのチャレンジ精神も見えました。

ラストは賛否両論あるかもしれません。
それ以上は言えませんが、
やはり戦争なんてなにもいいことありません。
それが改めてよくわかりました


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