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さすらいの天才不良文学中年

さすらいの天才不良文学中年

美味放浪

美味放浪・・・幻の銘酒 甕覗(かめのぞき)

 新潟に幻の銘酒として、甕覗(かめのぞき)があるというのをご存知だろうか。

実は、今回の新潟への小旅行で、昔馴染みの人物より、手交してもらうことが出来たのである。

 この酒は、効能書きによると、

「萬寿鏡 甕覗(かめのぞき)

 この甕覗は、酒蔵の奥深くでとくと熟成させた酒を小甕に満たし、それを柄杓(ひしゃく)で汲むという、茶の湯の所作を模してなどなど、新趣向を凝らしたもの

 酒蔵主人 敬白

 ほくそ笑み甕のひも解く亭主殿 鏡子

 なかなかに人とあらずは酒壷になりにてしかも酒に染みなむ 旅人」

(新潟県加茂市 株式会社マスカガミ謹醸)

とある。歌を添えるなど、風情が良い。


甕覗1


甕覗2


 写真(上は、中央のフタある甕。下は、甕を上から覗いたところ。)にあるとおり、甕に入っているこの酒は、酒を柄杓で注ぐときに甕を覗くからこの名がついたといわれる。

 過日、この酒を気の置けない先輩連中と一杯やったのだが、それはそれはまろやかで溶けるような味であった。日本酒独特の臭みがなく、やや辛口。のどに流れるような味わいである。しかも、常温でこの味である。この酒はただ者ではない。

 先輩の自宅にお邪魔し、休日の昼間から飲み始め(しかし、昼酒はなぜかくもうまいのだろう)、奥様の造られる肴もまた美味しく、甕覗きは飲めば飲むほどまた飲みたくなり、夕方には完全に全員が出来上がってしまった。お酒の神様に、感謝。




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