焼酎甲類乙類焼酎甲類乙類焼酎の種類、特に甲類・乙類の分類は、素人に分かりにくい。 手元にある焼酎のパッケージを見ると、乙類とは、「単式蒸留機で蒸留した、アルコール度45度以下のお酒」とある。また、乙類のことを「本格焼酎」と呼ぶともある。 併し、以上の説明だけでは甲類とは何のことだか分からない。特に乙類が本格焼酎ならば、甲類は本格焼酎ではないのかということにもなる。 気になると調べなくては気が済まない。 酒税法(4条)を見ると、 焼酎甲類 蒸留の方法が連続式蒸留機によるもの 焼酎乙類 甲類以外の焼酎 とある。 しかし、これでもさっぱり分からない。 それで、連続式蒸留機とは何かと言うと、「純粋アルコールを蒸留出来る大型機械設備」とあった。ありていに言えば、甲類とは純粋アルコールに加水した焼酎のことのようだ。 昭和52年、甲類の代表として宝酒造が「純」を発売した。これは良く覚えている。当時、おいらは文京区千駄木のワンルーム・マンションに住んでおり、興味本位から酒屋で求めて飲んだところ、最初は何ともなかったが、後から腰に来て(つまり本当に酔っ払って)立てなくなったという記憶がある。 結局、甲類とはジンやウオッカ(ロシアと違い、アメリカ製のウオッカは無色無臭透明)に近く、酔うのに最適のアルコールとも言える。なお、この甲類焼酎が人気を博した背景には、当時のアメリカで「ピュア・ブーム(白色革命)」が席巻していたことが理由のようである(稲垣真美「現代焼酎考」岩波新書)。 これに対し、最近流行している乙類には、原材料の風味を味わうという良さがある。特に芋焼酎のあの風味は棄てがたい。上記稲垣氏の著書には、この乙類の旨い焼酎作りについて詳細な記載があるが、ここでは省く。 ここで素朴な疑問が湧く。甲類焼酎は、純粋アルコール、つまりジンみたいなものだから、甲類と美味しい蕎麦湯とをブレンドすると、(理論上は)蕎麦焼酎になる。 さすれば、乙類の蕎麦焼酎とどちらが美味しいのだろう。また、お茶とブレンドすればお茶焼酎にもなるわけであり、新しい焼酎が誕生する可能性も無限にあるという訳ではないか。 さても、百薬の長の奥は深い。 ジャンル別一覧
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