鯵のみりん干し 鯵の押寿司鯵のみりん干しは美味しいのだしょうもない話しだが、鯵(しまあじ)のみりん干しは美味い。 ニューヨーク滞在時に、日本食のうち、いわゆるB級食べ物で何を食べたかったか、と言うと、 1.カレーパン 2.羊羹(紀伊国屋書店の2階に虎屋があった) 3.カステラ 4.高野豆腐 5.豚汁 6.ラーメン 7.カツどん(トンカツ定食) であった。 以上1から4は、米国内で手に入りにくいものである。日本にいるときは、ほとんど見向きもしないのだが、何故か向こうにいる間は食べたくなってしまうのである(海外にいる日本人へのおみやげに適している。ただし、嵩張るし、物によっては重いので難儀である)。これはもう、日本人の性としか言いようがない。 ラーメンとカツどんは、日本食の店があるので苦労はしなかった。ただし、日本食の店が日本人の好みにあわせると、外人にとっては量が少なかったり、味付けがあっさり(淡白)しすぎたりする。 したがって、外人も集客しようとして洗面器のような丼にラーメンを盛り付けした外人風ラーメンの店があったが、そういう店はすぐにつぶれた。外人が思ったほど集まらず、逆に日本人もその店から離れていくからだ。中途半端が駄目という見本のようなものである(なお、トンカツ定食の味噌汁を豚汁としている店があった(カツハマ)。日本人の郷愁をくすぐる憎い店である)。 ところで、先日、ドンキを覗いていたら(生活圏内にある)、鯵のみりん干しが陳列してあった。ニューヨーク時代の脳が直ちに反応し、所望した。59丁目のカタギリでよく酒の肴に買っていたのを思い出したからだ。これも日本にいるときはめったに食べないのだが、アメリカでこれに出会うと何故か食べたくなるのだ。意外にご飯にもよく合う。帰宅後、久し振りに堪能した。 しょうもないもんだが、鯵のみりん干しはやっぱり美味いのだ。 湘南名物「鯵の押寿司」 先日、横浜駅の構内を歩いていたら、(駅構内で)駅弁を売っている。弁当ののぼりも立っている。 立ち止まって見ると、湘南名物「鯵の押寿司」とある。 「湘南鎌倉大船軒」(鎌倉市岡本)謹製だ。創業明治三十一年。年配のおじさんが一人で立ちながら売っている。 うわっ! こりゃ買わぬ手はない。実は、一瞬、売り場の前を通り過ぎたのだが、即座に舞い戻って購入した。 弁当は、昔ながらの味の押寿司とデラックス版との2種類があるというが、昔ながらの伝統を守った押寿司にした。960円也。 自宅に持ち帰り、早速、食した。予想に違わず美味。押寿司は上に載せるネタが命である。そのネタは大きな鯵を使っており、しっかりとした味である。 酢じめも程良く、こりゃ、病みつきになる。 自宅近くの駅で駅弁を買う。なかなかおつなものである。最近はデパ地下で駅弁祭りなどをやっているが、こちらは正真正銘本当の駅で買ったものである。風流さが違う。 世の中に旨いものは尽きないが、こういう楽しみ方もまだ残っているのである。 |