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さすらいの天才不良文学中年

さすらいの天才不良文学中年

現代の怪談 知らないと怖い話 CNN

 現代の怪談

 昨日に続き、現代の怪談を述べる。


志功


 母の介護で病院に長くいると、寝たきり老人の数の多いのに驚く。

 ベッドの上で、本人の意識はない。ただ、点滴と栄養補給により、生きているだけの状態である。

 老醜を晒しての寝たきりであるが、本人には意識がないのだから、不幸ではないのかも知れない。しかし、家族にとっては不幸以外の何者でもない。

 こうしてみると、今の日本の老人は、不幸と云わざるを得ない。現代医療によって中途半端に生かされてしまうからである。完全に治療など出来ないはずなのに、栄養補給されて無理矢理延命させられるのである。

 今や死ねなくなった老人は、ただ長生きして、老醜を晒す悲惨な介護老人になるしかないのである。おいらはそうまでして長生きしたいとは思わない。

 これは、またしても、現代の怪談である。


 長生き、かっこいいよ

 信頼出来る友人から、おしかりを受けた。

 その人から戴いた話しをそのまま引用する。


菊名池はす


「選択肢の無い
 状況であれ
 決断
 は
 必要なのだ

 この五行詩は重度障害者の方のものですが、最近読んで強く印象に残ったものです。人間は如何なる状況になっても、自分の境遇を受け入れるには強い意志の力が必要なようです。

 貴兄のブログで気になったのは、長生きに対するコメントです。確かに長生き受難の時代ですが、長生きを恐れるのはどうかと思います。

 受難を快く受け入れ、長生きしようではないですか。苦しむことになるか、楽しみことになるかは、紙の思し召しであり、どちらも快く受け入れようではありませんか。介護をさせることになれば、人に迷惑をかけることもありますが、このような迷惑は相手にとっても貴重な体験です。

 長生き、かっこいいよ!というのが最近考えることです」

 おいらの5月4日付のブログ「現代の怪談」で、寝たきり老人を題材に「今の日本の老人は、現代医療によって中途半端に生かされることになった。完全に治療など出来ないはずなのに、栄養補給されて無理矢理延命させられている」ことに対しての貴重なご意見である。

 誠に返す言葉はない。そのとおりだと思う。

 ただし、おいらが誤解を恐れずに敢て云うとすれば、自然な天寿を受け入れることが大切だということであって(必要な治療は勿論大切であるが)、無理やり植物人間もどきにさせられてまで延命したくはないということである。

 本当の意味で「長生き、かっこいいよ」と云える時代になって欲しい。おいらも「長生き、かっこいいよ」と云ってみることにするか。


 板橋死体遺棄事件

 ミステリーとして1級の事件である。

 死体がないのに、死体遺棄事件が発生した、先月6日の高島平のマンションでの事件である。


板橋遺体遺棄事件


 事件をかいつまんで述べると、マンションの廊下に大量の血痕が残されているのを住民が発見、交番に届け出たことから始まる。警視庁が調べたところ、室内からも血液や遺体が腐敗した際に出る体液が見つかり、同室に住む男性(29)が所在不明となっているほか、このマンションから大きな旅行カバンを運び出す3人組の男が目撃されていた。

 死体がないのに、何故、死体遺棄事件となるのか。それは、殺人があったことを示す大量の血痕と死体が腐敗したときに出る体液が発見されたからだ。

 調べによると、この部屋の借り主を代表とする会社(ペーパーカンパニー)が6社設立されており、この男性は消費者金融に多額の借金があったようだ。この男性は、横浜居住後、パチンコ店従業員をしながら品川区内で暮らしていたが、今年初め「いい仕事が見つかった」と言ってマンションを出ていたという。

 また、この男性が社長となっている二つの会社の住所が、郵便を利用した架空請求詐欺の送金先と分かった。振り込め詐欺や架空請求詐欺が、何らかの形で事件に関連している可能性があると見られている。

 しかも、この男性は、これまでに2回養子縁組し、名字を「加藤」、「大久保」と変更。現在の戸籍上の父親はその息子のことを「知らない」と話しており、男性が無断で戸籍を書き換えた疑いが強い。また、新潟県内に住む実母は「息子が何をしていたか全く知らなかった」と話す。

 ところが、事件発覚の翌日、その男性から知人に「今は会えない」との電話やメールが届き、その後、6月下旬にかけても、知人に「関東にいる」などと電話があったというのだ。

 この事件はその後続報がなく、謎が謎を呼ぶ。

 興味が尽きない事件であるが、おいらが思ったのは、廊下に血痕さえなければ、そもそも事件になっていなかったのかも知れない、ということである。

 つまり、死体がなければ、事件にならず、行方不明さえにもなっていなかったのかも知れない訳である。世の中には、このような事件が無数あるのではないか。

 今回のように、明らかに事件性があれば、警察も動くのであろうが、その後、死体は発見されていない。もし、犯人に計画性があったとすれば、警察が動くはずもなく、そのまま闇に葬られていた可能性もあるのだろう。

 これは、現代の怪談である。


続報 やはり消されていた

 一級のミステリーとして紹介していた「死体がないのに、死体遺棄事件が発生した、6月6日の高島平マンション事件」に進展があった。


ミステリー


 8月24日、マンションの住人とは別人(Tさん、東京出身、不動産会社経営29歳)の遺体が群馬山中から発見され、犯人グループ4人が逮捕されたのだ。

 事件をかいつまんで述べると、マンションの廊下に大量の血痕が残されているのを住民が発見、交番に届け出たことから始まる。警視庁が調べたところ、室内からも血液や遺体が腐敗した際に出る体液が見つかり、同室に住む男性(29)が所在不明となっているほか、このマンションからスーツケースを運び出す3人組の男が目撃されていた。

 ここ数日の新聞報道によれば、事件の全容はまだ解明されていないが、資産家の息子であったTさんが若手企業家と目されていた容疑者(主犯、コンサルタント会社役員、36歳)に出資した数千万円が焦げついたため、返済を迫ろうとして殺害されたようだ。

 逮捕された4人は振り込め詐欺グループで、この容疑者の仲間の一人が六本木ヒルズの居住者(職業不詳)。振り込め詐欺で儲けた金によって、ヒルズ族になっていたらしい。もう一人は覚せい剤使用で逮捕され、護送中に新幹線ホームに転落、新幹線を止めた男という。

 いなくなった部屋の住人もこの振り込め詐欺の一味で、未だに行方不明。一時生存していると知人に電話をかけていたというが、知りすぎた男として消されている可能性がないともいえないのではないか。また、新聞報道によれば、別の男にも逮捕状を取っており、行方を追っているという。

 真相はこれから解明されるのであろうが、主犯は都内の中小企業家の連合会にも加盟しており、裏の顔を隠して、「ベンツに乗る青年実業家」として表の世界を泳いでいたようだ。

 殺害されたTさんは首の骨を折られ、スーツケースの中に入ったまま群馬山中に捨てられていた。事件の解明とTさんのご冥福をお祈りする。


全盲患者を放置

 前代未聞である。


花


 全盲の糖尿病患者を病状が安定したとして、本人の了解を得て退院させたが、引取り手の前妻が持病で引取りが難しいと拒んだため、その患者を公園に放置したまま去ったというのだ。大阪の病院である。

 この病院に全く弁解の余地はないが、どうやら様々な事情がありそうである。いわく、この患者が入院費用約200万円を支払わないとか(たしか7年間の入院)、同室の患者がいるにも拘わらず大声で騒いで一人で病室を独占するとかがあったという。また、放置にあたって、救急車の手配をしたようだ。

 そうはいっても、それで許されるという性質のものではない。それが認められるのなら、貧乏だから泥棒をしても良いのと同じ理屈である。

 しかし、この問題の本質は、「現代の医療が抱える問題」が噴出したとみるべきではないか。

 これまでもブログに書き込んできたが、母の脳梗塞の治療とリハビリで、今の医療制度では入院6ヶ月で事実上退院を迫られる。一般の入院患者だと最長3ヶ月で退院だ。これでは、リハビリによって良くなる可能性のある患者まで見殺しにされてしまう。

 ひょっとしたら、現行の医療制度に改変(診療報酬体系の変更)されて、医療の現場は慈善事業ではない、損をしてまで病院経営は出来ないとする考えが病院の末端まで蔓延し、このような結果を招致したのかも知れない。

 実は、この話し、全く他人事ではないと思うべきである。




 昨年の事件で気にかかったことを一つ。


菊


 それは、斧で親を惨殺した事件である(京都、16歳の少女)。昨今、親殺し自体は珍しくない。しかし、今の時代で斧を使うというのはどういうことだろうか。

 恐らく今の世代で斧を見たことのある人はいないのではないか。そもそも、斧という言葉は死語になっているのではないか。

 しかも、斧など一般の店では売っていない。大きなホーム・センターやDIYに行かなければ見かけないと思うのだが。

 斧で親を殺す事件が発生した後、もう1件、類似の事件が発生した(長野、15歳の少年)。また、最近では鉈(なた)で殺傷する事件も発生している。しかし、これらは先の事件の模倣犯の可能性が強い。

 いずれにしても、これらの事件は、恐るべき殺意であったはずだ。就寝中、斧で殺傷すれば、ほぼ間違いなく絶命するからである。

 では、そのことを知っていたとすれば、どこで知ったのか。ホラーか、スプラッターか、ゲームか、インターネットか、携帯か。まさか、ドストエフスキー「罪と罰」の金貸しの老婆を殺したラスコーリニコフの斧のせいではあるまい。

 我々は、やっかいな時代に生きている。


階段は怖い

 先週金曜日、首都圏地下鉄某駅での出来事である。


国宝


 外出先の仕事が一段落して、移動しようと地下鉄入り口の階段を降りようとした。

 驚いた。階段の一番下で誰かが倒れ、駅員さんが介抱している。階段はかなり深く、下まで行かないと状況がよく分からないが、これはただ事ではない。

 駆け足で近寄ると、高齢のご婦人が頭から転倒し、既に血糊が広がっている。おいらは咄嗟に「救急車を呼びましたか」と駅員さんに尋ねると、「はい」との返事である。駅員さんはテキパキとしているし、既に数人が近寄って救助しているのでその場を去ってもよいと判断したのだが、これは、人事(ひとごと)ではない。

 階段は危ないのである。

 少々昔の話しだが、階段で思い出すのは、ロンドンの地下鉄の階段である。老夫婦が仲良く階段を昇っていたのだが、旦那が足を滑らせて転倒、持っていたワインボトルがおいらの目の前で割れたことがある。今でもその光景がはっきりと目に浮かぶ。

 怪我がなかったことは不幸中の幸いであったが、あれが普通の道路であったら転倒しなかったはずだ。

 それに階段はスリップしやすい。おいらも恥ずかしながら、渋谷駅の階段で東急東横線から山手線に乗り換えようとしたときにスリップして転倒したことがある。

 酔っ払っていたので、不覚にも顔から転げ落ちた。思い出すと冷や汗ものである。幸い事なきを得たが、当たり所が悪ければ今回の転倒事件と同じことになっていたかも知れない。

 教訓。階段は怖い。いつでも怪談になる。


タスポとは何ものぞ

 明日から自動販売機でタバコを購入する場合は、タスポなる「成人識別認証カード」が必要となる。


志功


 これがよく分からぬ。まず、自動販売機以外なら、例えばタバコ屋で買うならタスポはいらない。コンビニなどはホクホク顔だという。対面販売なら不要だからである。何故、自販機のためにこんなことをするのか。

 しかも、タスポは「成人識別認証カード」と云いながら、自販機は購入者の顔を認証しない。他人がカードを使ってもタバコを買えるのである。タスポの貸与や譲渡は禁止されているが、結果的に貸与、譲渡などの犯罪行為の助長をしていることになる。

 また、タスポを紛失しても再発行が可能である(1枚目はタダだが、千円出せば再発行が可能)。これじゃ、失くしたことにして新しいカードを手に入れる輩が出てくる可能性もある。

 で、このタスポの申し込み率が喫煙人口のわずか1割程度にとどまっているという(データは4月末時点)。だから、運転免許証でも買えるように変更を検討しているらしい。

 よう分からん。

 このタスポ、調べてみるとそれ以上に分からないのが、システム・コストである。タスポはかざすだけで使えるICカードだから、自動販売機にはアンテナが付く。この情報はNTTが集約するシステムである。総事業費は、聞くところによると約一千億円。

 え? たかがタバコを自販機で買うのに一千億円? 誰がこのお金を負担するの。

 それに、タスポでタバコを買うとその記録は個人情報として記録されるのである。そのデータは誰が使うのだろう。

 こうして考えると、まことに不可思議なカードである。

 そもそもは、「たばこ規制枠組み条約」の発効により未成年の購入を規制しようという狙いだったはずである。それが、いつからこのようになったのか。

 これには、何か理由があるはずである。そうでなければ、このようなプロジェクトが進む分けがない(日本近代史上三大おバカは、戦艦大和の建造、本州四国間の三架橋および青函トンネルだと云われるが、それにまた一つ歴史が加わるのか)。

 この背後には、おいらの知らない何かが隠されているのではないかと、つまらん勘ぐりをしてしまう。

 好奇心をくすぐる話しである。


タスポとはなにものぞ(その2)

「タスポとはなにものぞ」と、先日書いた(6月30日)。


横尾ポスター


 早速、財務省は7月4日(金)、顔の骨格、色やしわなどで成人かどうかを識別する自動販売機を新たに認めたという(7月5日付産経新聞)。

 自動販売機に内蔵されたカメラが、タバコを買いたい人間の顔を撮影し、目や口の大きさ、その配置などから年代層を判定するスグレモノである。この自販機は、京都のフジタカというメーカーが開発に成功した。

 読者諸兄は思うに違いない。実物大の顔写真をカメラにかざせば、カメラを騙すことが出来る、と。

 このため、この自販機は目の動きがあるかなどによって、人か写真かどうかの判別を出来るようにしてあるという。なるほど、スグレモノだ。

 難点は顔を撮影するというから、購入者の顔が記録に残る可能性があることである。もしそうだとすると、一定期間が経過したなら消去出来るようにして欲しいものである。

 さて、これによって、財務省は、
(1)業界団体(日本たばこ協会)が推し進めるタスポ
(2)自動車運転免許証
(3)顔認証自販機
 の3種類を承認したことになる。

 タスポの普及率は、4月末の10%から7月始めには25%まで上昇したというが、この程度の数字では普及しているとは云わない。まるで、福田政権の支持率である。

 前回も書き込んだが、そもそもタスポや免許証では、購入者の顔の認証が出来ないのである。本人が知らないうちに他人が使ってしまえば、ノンズロなのである。ここは、ひとつ徹底して、顔認証の自販機を増やして欲しいものである。

 しかし、問題は別にもある。

 これら新型自販機設置にかかる費用は、自販機を購入(リース)しているタバコ販売業者の負担だという。その費用はバカにならず、費用負担に耐えかねてタバコ屋を廃業するケースも出ているらしい。

 前回もタスポの本当の狙いは未成年者へのタバコ販売禁止と書いたが、もしそうであれば、店頭販売でも成人の認証をさせるしかない。それをしないというのは、全くの茶番である。

 タスポ騒動の裏には何か隠されているのでは…と今でもおいらは思うのだが、如何だろう。


だから今の裁判はダメなのだ

 毎日新聞(ネット版8月21日付)によれば、足利事件(DNA誤鑑定による冤罪事件)に関与した8人の裁判官に毎日新聞がアンケートを実施したという。


愛染明王


 弁護団が求め続けたDNA再鑑定を何故実施しなかったのか、謝罪意思が有るかなどについての質問をしたのだが、8人全員が「個別事件にはコメントはしない」などとして回答をしなかったという。

 毎日新聞の質問と回答内容を転載する。

1.主な質問項目

<1>最高裁判事・宇都宮地裁裁判官共通

(1)公訴時効成立を招いたことを今どう思うか
(2)菅家氏に謝罪する気持ちはあるか
(3)一般的に自らが審理した事件を説明すべきと思うか。

<2>最高裁判事向け

(1)弁護団による「押田鑑定」を当時審理の対象にしたか
(2)対象にした場合、決定文に鑑定書に関する理由が記載されていないのはなぜか
(3)対象にしていない場合、なぜ外したか
(4)なぜDNA再鑑定しなかったのか
(5)科学技術の発展で(捜査段階の)科学警察研究所の鑑定より押田鑑定のほうが正しい可能性があると当時考えなかったか
(6)原審を破棄しなかったことを、今どう思うか。

<3>宇都宮地裁裁判官向け

(1)DNA再鑑定すべきだったとの批判を今どう思うか
(2)DNA再鑑定を実施すべきかどうか当時どう考えたか。

2.アンケート結果

<上告棄却当時の最高裁判事>       

亀山継夫裁判長(現職:弁護士)=電話で「手紙は捨てた」

河合伸一裁判官(現職:弁護士)=回答なし

福田 博裁判官(現職:弁護士)=個別の事件へのコメントは、判決理由を後から変更するのに等しい効果を持ち、裁判官の言い訳に過ぎないと取られても仕方がない。仮にするとしても手元に記録がないため不正確にならざるを得ずコメントすべきではないと考える

北川弘治裁判官(現職:弁護士)=回答なし

梶谷 玄裁判官(現職:弁護士)「裁判官は弁明せず」の原則から全設問に対して無回答


<再審請求棄却当時の宇都宮地裁裁判官>

池本寿美子裁判長=取材には応じられない

中尾佳久裁判官=取材には応じられない

佐藤裕子裁判官(現職:松山地裁大洲支部裁判官)=取材には応じられない


 この中で梶谷最高裁裁判官の回答である「裁判官は弁明せず」自体は理解できるが、それでも素直に謝まろうとしないことには驚かざるを得ない。明らかに誤審だったのである。昔の武士なら、いや、昔の日本人なら潔く切腹していたであろう。

 今年の6月4日に被告であった菅家さんが釈放された後、検察と警察は相次いで謝罪を行ったが、裁判所は未だに謝罪していないのである。菅家さんは記者会見などで「裁判官にも謝ってもらいたい」と語っているにもかかわらずだ。

 理屈は別にして、今の裁判官に対し良心を期待しても無理なのだろうか。そうであれば、おいらは単純に思う。だから、今の裁判はダメなのだ、と。


 知らないと怖いこと

 ブックオフの100円コーナーは、ときに奇書の発見の場となる。


官僚転落


 この「官僚転落」(02年、廣済堂出版、岡光序治)も先日、ブックオフの「横浜伊勢佐木モール店」で手に入れた本。

 名前を聞いただけで反吐が出ると思ったが、同じ広島県出身であるし、どういう了見で弁解しているかと思って、ゲットしてみた。

 ところが、これが面白かったの何のって。

 本人の品格は別にして、おかみっちゃん(岡光序治氏は当時、マスコミでそう呼ばれていた)はどうやら嵌められたようである。

 誰にって?

 検察とマスコミである。

 この事件も検察が贈収賄のシナリオを書いて、それに岡光序治氏が乗せられたという図式である。いやはや、無知はいかんのぅ。

 それにマスコミも、検察に輪を掛けてひどい。

 この本を読めば、マスコミが取材していないことが直ぐに分かる。「大理石風呂」と報じられていたが、実際はただのユニットバスだったのだ。「マホガニー造りの台所」もベニヤ板に印刷した代物である。おねだり妻も信憑性はない。

 彼は賄賂など受け取っていなかったのだ。ところが、エリートの悲しさで権力には弱い。検事に脅されると、すぐに調書にサインしてしまう。

 何が云いたいのか。

 おいらは世間を知っているつもりである。自白は証拠能力に欠けると大学でも教わっている。調書にサインしても自白と同じだ。だから、証拠がなければ、裁判の過程でひっくり返すことは出来ると思っている。

 しかし、実際は違うのである。調書にサインしたということは、「自ら罪を認めた」と裁判所は考える!のである。

 つまり、「自白は最高の証拠である」という考えが未だに生きているのである。裁判の過程で、真実が暴かれることなどほとんど期待できないのである。

 これは、怖い。

 実際、おかみっちゃんもサインしたことを弁護士から怒られている。知らないよ、怒られても。

 国策捜査の怖さは、佐藤優氏や鈴木宗男氏の例を出すまでもなく、また、今回の小沢騒動を出すまでもなく、本質的に怖い。

 しかし、「調書へのサインは自ら罪を認めたことになる」ということを知らないという点が、実は最も怖い。

 冤罪の菅家さんもサインしていたのだ。DNA鑑定の不備がなければ、裁判所は真実を認めようなどと決してしないようだ。

 世の中には、知らないで怖いということが厳然としてある。


 いかにも怪しい

 一昨日、突然、下のメールが来た。


邪鬼


 一読しただけで、明らかに怪しい。

 典型的な古典的手法である。そのまま無視することとしたが、どういう顛末が待ち受けているのだろう。

 こういうのを怖いもの見たさというのでござる。

 饅頭、コワイ! じゃないだろう。



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 いかにも怪しい また来たぞ

 この土曜日(6月5日)、怪しいメールがまた来たぞ。


獅子像


 文面は下記で、前回(6月2日)と全く同じ。おいらのウイルスバスター(マカフィー)も、このメールが危険と警告している。

しかし、よう、頑張っとるのぅ。


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 前回の書き込みを再掲する。

「一昨日、突然、下のメールが来た。


 一読しただけで、明らかに怪しい。

 典型的な古典的手法である。そのまま無視することとしたが、どういう顛末が待ち受けているのだろう。

 こういうのを怖いもの見たさというのでござる。

 饅頭、コワイ! じゃないだろう。


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 CNNの謎

 尖閣諸島沖の中国漁船衝突映像は、CNN東京支局に送られていたという(2010年11月25日03時04分 読売新聞WEB版)。


イージス艦


 同ウエブによれば、神戸海上保安部所属の巡視艇「うらなみ」の主任航海士だった海上保安官は「ユーチューブ」への投稿以前に、映像を記録したSDカードを米「CNN」東京支局に郵送していたという。

 海上保安官によれば、「CNNが映像を放送しなかったため、投稿を決意した」とも供述。11月4日にユーチューブに映像を投稿する直前の10月下旬~11月初めに、SDカードを封筒に入れて同支局に郵送したと説明しているという。

 封筒の差出人欄に氏名は書かず、SDカード内のデータが衝突映像と分かる説明文も同封しなかったという。

 本件について、CNN東京支局(広報)は取材に対し、「この件に関しては一切、ノーコメント」ということだ。


 さて、おいらの云う商業紙の限界は、CNNにも当てはまるのだろうか。

 CNN東京支局に届いたということは、世界のCNNに届いたことと同義である。しかも、天下の特ダネであるにもかかわらず、それが闇に葬られたのだ。

 考えられることは、三つ。

<1>CNN内部放置説
 差出人不明のため、SDカードを放置しておいた可能性もなくはない。しかし、CNN東京がそれほど低レベルだとは思いたくない。

<2>CNN東京密約説
 CNN東京がその内容を見て、密かに政府関係者などに持ち込み、何らかの密約を取り付けた。

<3>本国(米国)に相談してオバマ政権との密約説
 <2>のアメリカ版である。

 しかし、いずれかの理由があったとしても、「CNNに投函して、真実が世間に報道されなかった」という事実が貴重なのである。

 おいらはこれで思いだすのが、山本薩夫監督の「金環食」である。

 映画の主人公である森脇金融王は、談合汚職の事実を新聞社に告発したのだが、新聞社の上層部に潰されるのである。エスタブリッシュメントに逆らうとどうなるかという見本のような映画である。その再来かと一瞬脳裏をよぎったのじゃよ。

 CNNは口では偉そうなことを云ってるが、これでは真の報道機関ではないのかねぇ。

 どういう経緯だったのか興味があるねぇ。一つのヒントは、今後のCNN東京支局長の人事異動じゃろうねぇ。

 目が離せない。


 CNNの謎(続)と明日から火曜日(30日)までお休みのお知らせ

 読売新聞WEB版(2010年11月25日21時13分 )がおいらの昨日のブログの続報として、CNN東京支局の声明内容を伝えた。


花と蝶1


 それによれば、CNN広報担当は25日、SDカードが同支局に郵送されていたことを認めた上で、「警備上の指針に従って廃棄した」という。

 声明や広報担当の説明によると、SDカードが入った封筒には差出人名が書かれておらず、データの内容も明記されていなかったため、同社では安全性が明確でないと判断、報道機関を対象としたテロなどを想定した警備上の指針に従い、データを読み込まずに廃棄したという。

 また、郵送の時期や封筒の形状は「答えられない」という。


 さて、CNNが発表した内容を、そのままそうだと受け取る人は少ないだろう。

 おいらの考えた<1>CNN内部放置説に近い発表であるのだが、素朴な疑問として、差出人が書いていない・データの内容も明記されていないということだけで、報道機関がデータを読み込まずに、本当に廃棄するものだろうか。

 仮にも天下のCNNではないか。ウイルスを排除する機能の読み取り装置を持っていないはずがない。

 CNNの発表内容を疑問視せざるを得ないよなぁ。必ず、裏があるだろうねぇ。

 しかし、郵送の時期や封筒の形状は「答えられない」としているから、本当は放置していただけということも予想されるなぁ。本当は間抜けだけだったのかなぁ。

 永遠の謎になるのだろうか。

 しかし、一つ云えることは、今後は、絶対にCNNには内部告発の持ち込みがないということである。


 ところで、月曜日から火曜日まで名古屋に出向きますので、明日から火曜日(30日)まで、このブログのお休みをいただきます。

 水曜日からブログを再開しますので、それまで皆さま、よろしゅうに。


歯科医での麻酔

 現在、歯の治療中である。


DSC01297.JPG


 右下の奥歯を金属で被(かぶ)せていたのだが、その歯が虫歯になったようである。冷たいものを摂取すると、歯がしみるのである。何とかなるだろうと放置していたのだが、右側の歯をカバーし過ぎたため、左側の歯に負担がかかった。つまり、両方が痛くなったのである。

 止むなく歯科医の門をくぐったと云う次第である。

 こういうときに考えることは一つである。世の中には「歯の痛い人種」と「痛くない人種」の二種類しかいない、である。


 さて、被せものの金属を外して中を覗くとやはり虫歯だそうである。神経は残っているので、虫歯の部分を除去して再度被せるという。ハイソウデスカ。

 先週、麻酔をした上で型取りをしたのだが、そのときのことを書く。

 おいらは麻酔が効きにくい体質のようだ。酒呑みだからだろうか、先々週は麻酔がほとんど効かなかったので、そのときは強力な麻酔薬を注射してもらうことになった。

 ところが、この麻酔が効いたの効かないのって。

 久し振りに下あごの感覚が無くなったのである。

 これを文章で表現すると、あごを触っている右手は確かにおいらのあごを触っているのだが、触られているおいらのあごには右手で触られているという感覚がないのである。

 こりゃ、凄いわ。

 ただ、困るのは、うがいをするときに水を吐き出す要領が得ないことである。よだれが出るような感覚である。ハンカチで口元を拭かないと水のキレが悪い。

 この感覚は唇がバナナのようになったとでも云おうか。いかりや長介の唇になった気分である。いや、松本清張の唇か。

 さて、この麻酔の効果、3時間以上継続した。

 永いわ~。飲食を差し控えないと舌を噛む恐れがあるので、しばしラマダンとなった次第である。

 しかし、思うのである。麻酔はシンプルに怖い。全く何も感じなくなる。これは、現代のホラーである。


不思議な話し

 旧聞に属するが、昨年10月に野田市(千葉県)の県道でワゴン車が塀にぶつかって止まっており、車の傍に遺体が投げ出されているという事件があった。


DSC04496.JPG


 不思議なことは、現場に誰もいなかったことである。ある種のひき逃げ事件である。事故は未明のことであった。

 この記事のことは気にかかっていたが、千葉県警が遺体の身元および車の所有者を調べれば事件の全貌が分かるだろうと思っていたのでそのまま失念していた。

 それが、先日古い新聞記事を読み直していたら、その後の顛末が分かったので驚いたのである。

 運転していたのは大学生で、その車には4人の大学生が同乗していた(5人搭乗)。

 5人は車に乗る前に居酒屋で酒を呑んでおり、運転していた大学生は飛び出してきた猫を避けようとして塀にぶつかったという。そのとき、運悪く大学生が投げ出されて死亡したのである。

 運転していた大学生はジュースしか飲んでいないと云い張ったが、血液から微量のアルコールが検出されたという。

 しかし、問題はそんなことにあるのではない。

 人一人が死んだのである。それにもかかわらず、大学生4人は車を乗り捨てて現場から逃げたのである。

 酒を呑んでいるとはいえ、友達が瀕死なのだ。介抱するのが当たり前である。いや、死んでいたとしても人工呼吸をするとか、救急車を呼ぶとか(今の世だ、全員が携帯を持っているはずである)、することは山ほどある。

 しかし、現実にはこの大学生たちはその場を逃げたのである。逃げれば済むと思ったのだろうか。動顛していたとは云え、事故は起きたのだ。友人が死んだのだ。事故が起きたことは仕方がない、では、 どう対処するかである。やるべきことをやる。それが責任である。それが現実である。

 だが、実際には大学生は逃避した。それも全員が。まったくどうなっちゃっているんだろ。こういうのを現代の怪談というのだろうが、そのうちこれが普通になるのだろうか。実は、そのことの方がもっと怖い。


福山市の無給スーパー

 国営放送を録画しておいたものを、たまに見るのが愉しみである。


DSC01382.JPG


 4月4日にオンエアされた「にっぽん紀行・選 2013春『無給スーパー奮闘記~広島・福山 熊野町~』」(30分番組)を見た。

 無給スーパーというタイトルと福山熊野町に惹かれたからである。

 番組を見て驚いた。広島県第2の都市である福山市とはいえ、熊野町は過疎と高齢化の町だと知ったからである。

 人口は2,600人、そのうち65歳以上の老人が3割以上を占めるという。

 この町には4年間、スーパーがなかったのである。それまであった地元資本のスーパーが過疎で採算が取れず、撤退したからである。

 これを世間では、「買物難民」と呼ぶ。

 食料品を買うためには、隣の町まで行かなければならないのである。だから、車を持たない高齢者にとっては死活問題である。

 そこで、地元住民がボランティアでスーパーを開業し、悪戦苦闘しているという姿をドキュメントしていたのだが、考えさせられることの多い内容に仕上がっていた。

 根本の問題は過疎化である。誰が考えても分かることだが、消費する人がいなければ、出店する以前の問題とならざるを得ない。

 日本の戦後経済が発展した理由の一つは、あらゆる面での効率化を目指したことである。早い話しが集中政策を取ったからである。権力の集中、産業の集中、都市への集中である。限られたお金しかない場合はこの政策が手っ取り早い。自民党が取った政策である。

 しかし、戦後70年が経過し、これまでのビジネスモデルはガタがきた。一極政策の限界が露呈し、同時に、少子高齢化で人口が減少し始めたのである。

 そういう中で、今回のケースは似たような事情を持つ過疎の町に勇気を与えるかも知れない。しかし、福山市熊野町のように住民自らがボランティアになって自給できるところはまだ良い。ただし、その熊野町であっても、高齢化が進み住民が減っていけばそれも難しくなる。

 だけど思うんだよねぇ。冷静に考えれば、買物難民の町は日本全国の過疎化現象の中で、掃いて捨てるほどあるんじゃなかろうか。いや、地方だけじゃないよ。都市周辺部でも採算を重視する資本は平気でスーパーを撤退させるんじゃないだろうか。

 西武秩父線廃線問題だって、同じような話しである。

 買物難民、一事が万事である。


座間9人連続バラバラ事件

 世界史上に残る猟奇事件である。


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 この事件でまっ先に思い出したのが、映画「羊たちの沈黙」のモデルとなったエド・ゲインである。

 1957年、米ウィスコンシン州プレインフィールドで起きたこの事件は凄惨であった。

 警察が彼の屋敷に踏み込んで発見したのは、近くに住む雑貨店経営の57歳の女性バーニス・ウォーデンの遺体であった。彼女は首を切断され、手首はロープに、足関節はかんぬきにそれぞれ逆さまに吊るされた首無し遺体となっていた。

 同時に発見されたのは、ゲインの寝台の角の柱に乗っていた頭蓋骨、人間の皮で作ったランプシェード、人間の唇を引きちぎって作った窓の日よけ、女性の胴体の皮膚で作った胴着、複数の乳首から作ったベルト、人間の肉で作った靴下、人間の皮膚で作った入れ物、萎びた人間の頭部などであった。

 結局、15人の女性の遺体が見つかったが、全て解体されており、一部は食用として保存されていたという。

 ゲインによれば遺体は2人が殺害で、他は墓場に埋葬された直後の遺体を掘り起こしたものだとされている。

 さて、このブログでも書いているが、ミステリーの常道は遺体がなければ完全犯罪が可能なことである。だから、犯人が遺体をバラバラにすることはしばしば起こりうる。

 遺体を解体し分散して遺棄すれば発見しづらいし、なにより被害者の特定が難しくなる。

 94年に発生した「井の頭公園バラバラ事件」では被害者の特定はできたが、未だに解決されていない。88年の「篠崎ポンプ所女性バラバラ事件」、03年の「琵琶湖バラバラ事件」などでは被害者の身元さえ判明していない。

 だから、バラバラにした遺体をアパートに残していなければ、今回の容疑者も逮捕されなかった可能性がある。

 だが、遺体をバラバラにするというのは簡単ではない。殺人より難しい。暴力団も殺人はできても解体はできないのである。

 この事件ではインターネットによって解体の方法を調べたようだが、理論と実際は違う。実際にやってもバラバラにはならない、血は出る、内臓がはみだす。しかも、臭いがきつくて素人には物理的に不可能である。

 さらに動物を解体するのではない。生身の人間をバラバラにするので、情緒的におかしくなる。それを精神にまったくダメージを受けないで連続して解体していたというのだから異常極まりない。

 そして生首9個と一緒に普通に寝泊まりしていたというのだから、普通の神経の持ち主ではない。

 通常、こういうケースでは容疑者をサイコパス(精神病質者)として処理してしまえば終わりかもしれないが、それだけで片付けてはならない事件である。

 少なくとも世界史上類例のない全く新しいタイプの殺人者であり、ノンフィクションとは誠に恐ろしい。作家が考えることなどは遠く及ばない。


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