2014/11/14(金)00:02
被爆ピアノ・被爆ヴァイオリンチャリティーコンサートのお知らせ
被爆ピアノ・被爆ヴァイオリンチャリティーコンサートのお知らせ
「被爆ピアノ・被爆ヴァイオリンチャリティーコンサート」が広島県の福山市で開催される(今月25日)。
原爆投下は何も日本人だけを数奇な運命とさせた分けではない。当時、広島に住んでいたロシア人のパルチコフさん(1893年~1969年)もその一人であった。
ロシアのカザニに生まれたパルチコフさんは幼少のころからヴァイオリンに親しみ、社会人になった彼はロシア軍隊に入ったがロシア革命に遭遇、戦禍を逃れ日本にたどりついた。
広島では職がないため、無声映画をバックに愛用のドイツ製ヴァイオリンを弾いていたらしい。その姿が広島女学校(現・広島女学院)の目にとまり、同校の音楽教師となる。
パルチコフさんは女学校では弦楽オーケストラを編成するなど音楽教育に力を入れていたが、大東亜戦争中はロシアのスパイではないかと疑われ当局に連行されるなど苦難の人生であったようだ。
彼が広島で被曝したのは、爆心地から2.5キロのところ。このとき彼の愛用のヴァイオリンも被曝する。
その後、東京に引越し、1951年ごろ米国に移住。以後、パルチコフさんの行方は分からなくなっていたが、86年に娘さんの消息が分かり、同年、広島女学院100周年式典に招かれた彼女がこの数奇な運命に翻弄されたヴァイオリンを女学院に寄贈したという逸話が残されたのである。
ヴァイオリンは痛みがひどく演奏されることはなかったが、同女学院125周年を記念して2011年に修復された。イタリア・クレモナ在住のマエストロ、石井高氏(皇太子のビオラ作製者でもある)がストラディヴァリウスを手本に修復されたという。
今回のコンサートでは、このヴァイオリンに加え日本に2台しか現存しない6歩足の被曝ピアノ(一度もオーバーホールしていない希少品)が福山市にやってくるという。
このヴァイオリンを演奏するのは、日本を代表する演奏家である田野倉雅秋(大阪フィル首席コンサートマスター)氏。被爆楽器とは思えない音色を奏でるヴァイオリンが広島以外での初のリサイタルとなる。
しかし、残念ながらこのチャリティ・コンサート、現段階ではお客さんの予約数が少なく、大苦戦しているという。
当日おいらの都合は悪く福山に行けないので、福山の近隣の皆さま方は是非ともお顔を出されて欲しいと、切に願うものである。だって、おいらの生まれた街でこういうコンサートがガラガラだとしたら、民度が疑われちゃうよ。
お願いします。近隣の方は是非ともご参集を。
<公演情報>
催事名:被爆ピアノ・被爆ヴァイオリンチャリティーコンサート
日時:2014年11月25日(火) 17:15開場 18:00開演(演奏は18:45~)
場所:リーデンローズ福山 大ホール(福山市松浜町2-1-10)
入場料:全席自由 3000円
プログラム:
【プレトーク】18:00~18:30
「被爆ピアノと被爆ヴァイオリンのお話」石井高氏(イタリア在住のヴァイオリン製作者)矢川光則氏(矢川ピアノ工房)
【演奏】18:45~
ベートーヴェン ヴァイオリンソナタ9番「クロイツェル」
ベートーヴェン ピアノソナタ14番「月光」
ショパン ノクターン 遺作
ショパン 幻想即興曲
ショパン バラード4番
ブラームス ヴァイオリンソナタ3番
ピアノ: 横山幸雄
ヴァイオリン: 田野倉雅秋
※公演の収益の一部は2014年8月豪雨での広島土砂災害被災者への義援金の他、福山近郊の子ども達の育成のための寄付に使われる予定。
※チケットのお取り扱いは、リーデンローズチケットセンター、スガナミ楽器本店、天満屋福山店8階プレイガイド、福山北ライオンズクラブほか
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