秩序と混沌のリサイクルショップ屋
秩序と混沌 両者は相反する概念であり、共存することのできないものだ。いや共生させてはならないというべきか。羊と狼はお友達になることができない。秩序は秩序の世界を、混沌は混沌の世界を作り上げるべきだ。 リサイクルショップ屋で働いていると、というかアルバイトを通じて社会活動に参加していると、見えてこないものが見えてくる。なぜ値段のつかないものが存在するのか?その問いの答えが見えてきた。 浪人時代、勉強をサボってBOOKOFFにずっといたことがある。私なら値段のつかなかった本を10円くらいで売るなとか、何も知らない私は思ったものだ。その考えが、どれほど浅はかだったのかを最近はよく分かる。 リサイクルショップ屋の製品がいくら中古とはいえ、商品は商品、ゴミに近づけては成らないと私は考える。思えば、別府市のリサイクルショップ屋には商品をゴミに近づけてしまい、失敗しているような店がある。 例えば今はなきワンダフル。60歳くらいの店長が経営していた超安い中古本屋さん。昔TVいる?と突然言ってきたことを思い出す。この店の見所はなんと言ったって10円で本を売っていたということ。いや10円ならまだいいときにはコナン君1~25巻を200円で売っていうこともあった。とんでもない経営だ。 しかし不思議なことに、それだけ安い値段で売ったとしても売れ残るというのが現実。おそらく店長はこう考えたはずだ。これだけ安くしているのだ、全部売れて倉庫が空くだろう。現実は甘くない。おそらく消費者は10円の商品を買うくらいなら、部屋の足の踏み場を増やしたほうがましだと考える。10円で売っている本人だって、きっとそう考えているはずだ。足の踏み場というか、ほかの仕入れた商品の置き場を確保するためなら、100円で売るより10円でとっととうったほうがいい。きっと彼だってそう考えたはずだ。だが、そんなゴミに近いものなどに魅力を感じないのが顧客だ。 もう一つあるのがブックボス、HIヒロセの近くの海側のブックボス、何回か言ったことがあるがそこの店長もまた独特だった。100円で買おうとレジまで私が持っていくと、わざわざ半額にしてくれる。100円で買うと承諾したものを、わざわざ半額にしてくれるなんて、私には全く理解できない経営方針だ。50円ただでくれたようなもんだ。 そこは秩序なんてものが全くない無法地帯。東京のホームレスが路上で100円の本を売っていたが、まだあれのほうが秩序だっていた気がする。別府湾ロイヤルホテルのカラオケ屋(現空き地)でいきなり本を売るくらい秩序がない。本屋なのか、倉庫なのか分からないくらいだ。この店もやはり経営は芳しくない。 価格を破壊しようが、品数を増やそうが、大事なのは秩序だった経営。価格を破壊すると、顧客はその値段になれてしまい、ちょっとでも高い商品が存在しても、もっと安い商品と比べてしまうので意味がない。整理整頓、環境整備、これがリサイクルショップ屋では大事だと最近学んだ。