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カテゴリ:本、マンガ
北方水滸伝11-15巻(集英社文庫/北方謙三)
うわああ、どんどんお亡くなりになっております。 どの死に様(生き様)も印象深くて、とてもとてもベストなんぞ選べない状況になってきました。それでも敢えて、無理に選ぶとしたら。 1 張平 盗み癖のある張平に対する父親の情。泣ける。さらには楊令との兄弟のような感情のやりとり。苦悩しながら、なんとかして立ち直ろうとあがく少年の姿が、胸に迫ります。しかし楊令、立派になりすぎ。王進先生、あれでは楊令は一般社会で暮らすのは大変ですよう! 2 杜興 駄目だ、杜興の親父がかっこよすぎる。大切な坊ちゃん(というにはトシをくっていますが)の死で意気消沈しているのも、可哀相すぎる。いやいや、なんていいキャラなんだ、杜興! 熟年キャラ万歳!! 3 朱仝 雷横と共に泣けた。この二人は双璧。たとえるならロイエンタールとミッターマイヤーのような。あまりにも雄々しく、壮絶。言葉もなく、呆然としてしまった・・・。 4 李逵 無垢なるもの、汚れなきもの、聖性さえ感じる存在。ここまでくると、可愛いを通り越して、「人外」とさえ思われてきます。宋江の父親に対する態度がまたなんとも。自分の作った料理を食べてくれないとわんわん泣く様なんて、もうもう・・・ぎゅーっ。 5 燕青 ようやく全面に出てきてドキドキ。原典でも実は一番好きなキャラクターだったので。最初、男色疑惑があった時には文字通りひっくり返って「あほなー」と叫びましたが、後にきちんと説明されてほっとしました。いやいや、燕青さまはやっぱり二枚目じゃなくちゃ。 番外編。 すべてのキャラの生き死にに関わるシーン。楽和も悲しかったし(特に馬麟が鉄笛の音色を響かせるのがもう・・)、穆弘の風に遮られた・・・というシーンとか、いつのまにか力尽きていた欧鵬とか、やめろ! という声の届かなかった朱武とか、じっくりと己の死を観察しつづけた樊瑞とか・・・挙げるときりがありません。 「楊令伝」へのつながりを意識させる、次世代の若者が次々と登場しはじめているのも、こちらの「水滸伝」が終焉に向かっている兆しでもあって。 切ないです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年01月31日 11時20分22秒
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