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やなぎにかぜ

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April 22, 2007
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カテゴリ:映画
原作の 細かな部分は端折り(はしょり)、 主要人物をタイトル通りの三人にしっかりと絞り込み仕上がった この映画。

とても良かったです。

オカンの若い頃は、樹木希林さんの娘「内田也哉子」とボクは、子役の子。

この二人が、この映画で初めての出演になることが観る側にとって、何の既成概念もなく自然な感じで「普通の親子」に見えて映画の中に入ってゆける。

ナチュラルな演技が、周りの昔の背景に素朴に純粋に溶け込み。。。

そして、ボクが大学生になったころに、希林さんにバトンタッチ。


母子で暮らす時代の姿。

母は何を思い、何を感じ。。。

感情を表に出さない母親の姿を見せた也哉子の演技から、晩年になり、あらゆる苦難を乗り越えてはじけるくらい明るくなる母親を希林さんが演じる。


面影がそのまま残る。。 


そして、オダギリ・ジョーと希林さんのナチュラルな親子の姿。。。



「脚本」は松尾スズキ氏。

脚本が誰なのだろうと興味をもって、エンドロールで確認したいほど 良いものでした。



映画が終わって、終わっているのに、まだ泣ける。

思い出して、また泣けてくる。


なので、別室を用意して 気持ちが収まるまで 休憩できるお部屋がほしいとさえ感じる。



挿入歌は、福山君の「東京にもあったんだ」です。

私の感想としては、コブクロの「蕾」の方が・・・・好きです。

でも、きっと、この映画を見終わった後、少し気持ちをラフにして現実に戻るには、福山君のこの歌でよかったのかな。

 映画の中には、ほとんど使われてなかったのにも、意味があるのかなと感じました。




ここから 下は ちょこっとネタバレになるので、映画を観る方にはここまでが良いかと思います・・・・ウィンク























小道具の使い方が、素晴らしいです。

まだ若い頃のオカンが来ていた紫色のカーデガンを、晩年のオカンがそのまま着ているのです

そこに、グッときました! 也哉子と希林さんのバトンタッチをここでも感じます。


東京に行ってからのオカン。 

お洒落だったので、やはりメイクは、肝心なときには欠かしません。

オトンが見舞いに来る時にトキメク オカンが可愛くてたまりません。


そして、マンションの中での 希林さんの様子。

腰をかがめて座る仕草。

母親の老いを感じさせる さまざまな風景が切なく、いとおしく、哀しく。。。


そして、抗がん剤治療を始めてからの オカンの治療に苦しむ姿をリアルに伝える為に、

ドキュメンタリーの映像のようなカメラ使い。

希林さんの、本格派俳優の演技が際立ちます。

苦痛を 足の指で表現する。

たまらない気持ちになりました。


 「文芸春秋」にも書かれていましたが、映画派と公言する吉永小百合さんに対して、私はテレビと公言するほどのテレビ派でした。テレビは演じたものが瞬時に消えていくから好きだったんです。ところが、最近はDVDで昔のテレビドラマが復刻Kされているから、消えるからやったはずの芝居が残るようになってしまった。それならもうテレビはやれません。それで、きちんとした収録期間をかけて、丁寧に撮影してくれる映画なら、残ったとしてもみっともなくないかと思うようになったんです。結局は自分をさらけ出すんだから、みっともないんですけどね。」

とありましたが、 希林さんが みっともなくないようにと丁寧に創り上げた作品。

周囲の登場人物も、顔のしれた古参の俳優さんたちが居並びます。

しかし、あえて・・・多分、あえてだと思うのです。

古参の俳優さんたちの個性が出ないように、それぞれが「普通の人」を素のままに演じていたように感じるのです。

あくまでも、この映画の登場人物は、この「オカンとボクと、時々オトン」を強調しているように。 

古参の演技派の俳優は、ここでまた凄いと感じました。

小林薫もとても素敵でしたし。

 そして、そして! やっぱり オダギリ・ジョー だからこそだと感じました。
 彼が演じるからこそ、このどうしようもない怠惰な「ボク」が憎めなく、母性本能をくすぐり、それでいて、芯は強そうだと感じさせるものを秘めている。

すべてがみな際立ってましたグッド





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最終更新日  April 23, 2007 01:19:03 AM
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