やなぎにかぜ

2008/03/09(日)23:27

小田実 遺す言葉

映画(46)

これほどに日本を愛した男はいなかった。そう感じる番組だった。彼の存在はしっていたし、魅かれてこの番組を見た。  日本はねぇ そんなに悪い国ではないはずなんだ。戦後日本はアメリカに自由と民主主義をつくってもらった。けれどね、そこへ 付け加えたものがあるんだ。それが平和主義。平和主義を付け加えた事が、一番大切なことなんだ。日本は、平和主義を基盤にして、それだけで産業を復興させた。そんなことが出来たのは、日本だけなんだよ。軍需産業で復興したんじゃない事は、大切な事なんだよ。2007年7月に亡くなるまで、決して彼は日本国を良い方向に変えてゆくことを諦めなかった。「人間の国」を作ろう。そう言いながら、市民の力になり続けていた人だった。 彼の魅力は、一つの意見を統一させるのではなく、反対派の意見をも含めてたくさんの意見の中に自分の意見を入れる。 民主主義とはなにか、自由とは、これからの世界はどうあるべきか、そのような事をろれつがまわらなくなった状態であっても、入院中のベッドの中から、常に考えを発進し続けていた。「だから、おれには死生観とかを考えている暇がないんだよ」 この人の言葉、聞きやすい。 ぐいぐいと引き込まれる。 けれど、2007年6月以降 虚ろな状態の中でさえ ゆっくりとしゃべる。自分の余命を受け入れつつの友人へ充てた手紙。作家というプライドをかけて、綴り続けるとしたためられていた。反戦活動家の生きざま。大きな身体が細く細くやつれていった。。。。最後の最期まで「人間」を考え続けた人の姿が、そこにあった。尊い存在だと感じた人。この人の本を読んでみようと思う。  今日はとても暖かい一日だった。いまはしとしとと雨が降っている。

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