ここのところ、確定申告や出張などで更新が滞っていた。
まだ、設計のコンセプトについて述べていなかった。リスニングルームの設計で大切なのは、1に遮音、2に残響、そして快適さ、使いやすさであろう。
まず、遮音について考えてみよう。ダイナミックレンジとして、最大音圧レベル110dB、最小30dBを想定している。これを達成するために、暗騒音を30dB以下に抑えたい。また、110dBの音量を出しても他の部屋への音漏れは40dB以下に抑えたい。
暗騒音30dBの条件は環境に依存するが、幸い静かな住宅地なのでたぶん問題はなかろう。エアコンや換気扇は少し心配があるが切ってしまえばよい。暖房としては騒音のでない床暖房を設置することにした。しかし、最大音量110dBの条件はなかなか難しいところであり、70dB(110dB-40dB)の減衰量を単独の壁で達成することは難しい。今回は、リスニングルームを1階の角に設置した。隣室は居住スペースではないため、問題は2階との遮音と言うことになる。
ヘーベルハウスの標準防音仕様では、天井は図のように遮音ジョイントで吊り天井になっていて、その内側に壁と同じ遮音壁構造がある。さらに、上階との間にはヘーベル板(軽量コンクリート板)があるため、施工が適切であれば相当の遮音が期待できる。いずれにしても、遮音は費用のかかるところなので、標準防音仕様で良しとして、施工を細かくチェックしていくことにする。