|
カテゴリ:シングルアンプの製作
前々回のコメントで、300Bは内部抵抗が低いのでNFB無しでも行ける、とあったので、この点について述べておこうと思う。
【仮説3】 DF(ダンピング・ファクター)は5くらいが真空管アンプらしくて良い音になる。 DFが音質に影響を与えるのは、スピーカーのように周波数によってインピーダンスが変動する負荷をつないだときに、周波数特性がDFによって変わってしまうからだ。スピーカーは電圧駆動(内部抵抗0)されたときに所定の特性が出るように設計されている。スピーカーのインピーダンス特性の例を下図に示す。( https://mobius-el.cocolog-nifty.com/blog/2017/12/post-5227.html より) ![]() 低域にある2つの山は、f0の山と、バスレフポートの山であろう。高域ではだらだら上昇しているのが分かる。古いタイプのスピーカーであれば、周波数によるインピーダンスの変化はさらに顕著である。 DFが小さい、つまり内部抵抗が大きいと、内部抵抗による電圧降下が無視できなくなる。例えば8Ω負荷のアンプに32Ωの負荷をつないだとき、どれだけ出力レベル(電力)が変化するかを計算してみよう。DF=∞のときは0.0dB、DF=10で+0.31dB、DF=5で+0.58dB、DF=3で+0.90dB、DF=2で+1.25dB、DF=1で+2.04dBとなる。もっと負荷抵抗が大きくなれば、レベル変化はさらに大きくなる。DFが小さくなると、周波数特性のグラフでかなり大きな面積が持ち上げられることになるので、聴感上もはっきり差が出る。DFが2~3くらいの音を好む人も多いが、無帰還シングルアンプでDFが2を超える出力管は少ない。300Bはまさにその一つである。 どれだけのDF値が良いかはスピーカー次第であるが、今回のアンプでは、DFを5程度と考えている。従って、NFBは必須となる。NFBの効用は歪みを減らすことにもある。300Bは決して歪みが少ない球ではないのだ。前に述べたように、前段との歪み打ち消しが起こりやすいが、それだけでは定格出力時の歪みは小さくできない。歪みが大きいと音が濁るのだ。そこで、少量のNFBが用いられる。NFBの効用はさらに、Gainの安定にもある。無帰還の場合、左右のレベル差が無視できなくなる場合がある。0.5dB以内には収めたいものだ。4~10dBくらいの少量のNFBを施すことで、大きく改善できると言える。 決して大量のNFBをかけるつもりはない。3極出力管は素子の個性が出やすいところが良いのであって、NFBのかけ過ぎはその個性を殺してしまう。で、今回の仮説は次のようにも置き換えられる。 【仮説3’】 少量のNFBはアンプにとって有益である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2021.09.12 23:35:04
コメント(0) | コメントを書く
[シングルアンプの製作] カテゴリの最新記事
|