6RA8PPアンプ(6)
出力管6RA8の中に1本、電流が流れにくい球があって、どうしてもバランスが取れなかった。調整用VRを大きくしたら電流値は同じにできたが、雑音は全く消えそうもない。エミッションが減少しているようだ。 6RA8をEp=300V,Eg=-25Vと言う条件にすると、規格上はIp=40mAのはずである。4本中3本は37mA-42mAと優秀だが、1本だけ24mAと言うとんでもない値であった。さて、今や6RA8を入手するのは至難の業である。金に糸目を付けないのであれば、オークションで1本1万円位出せば買い集められるだろうが、そうも行かない。困った…。 と、そこで天啓のように閃いたことがある。以前、出力管を現在のものに交換したときに、古いものもどこかに保存しておいたのでは無かろうか。もう20年位前のことなので、全く記憶はなかったのだが、探すこと30分、ついに発見した!まだ使えるかもしれない。測ってみると3本は32mA-38mAとまだ十分使える。結局41-42mAと、37-38mAというかなり上質の2ペアを取ることができた。 これで動作させてみると、左右チャンネルとも、雑音打ち消しが働くようである。めでたし、めでたし…。