真空管試験器について(2)
今回はHickok社の真空管試験器の使い方を紹介してみようと思う。Gmを測定できる真空管試験器Hickok 600Aを例にとって説明しよう。1.まず、内蔵のロールチャートで真空管を探す。6L6を選んでみた。ここにない真空管は、別冊から探すことができる。2.ロールチャートの表示に従って接続の設定を行う。例えば6L6ならば、FIL 6.3 接続はJR-5347-2 となっているので、ヒーター電圧として6.3Vを選び、7つのセレクターで順にJR53472と設定していく。ちなみに最初のJRはヒーターの接続、以下グリッド、プレート、スクリーン、カソード、サプレッサーの順になる。3極管だとEV-7608-0のように(12AX7-1)、接続のないところは0が入る。3.次にバイアスと信号の設定である。ロールチャートに、BIAS 17、ENG 88とある。バイアス電圧を大型のBIASダイアルで設定し、信号の大きさをENGLISHダイアルで決める。ただし。この数値は良否判定をするときのもので、Gmを直読するときは、ENGダイアル上の3つのマークのどれかに合わせる。フルスケール3000, 6000, 15000の3種類が選べる。4.真空管を差してライン電圧調整を行う。P7ボタンを押してメーターを中央に合わせる。100Vだとぎりぎりで調整範囲に入っていることもあるが、ステップアップトランスが必要なこともある。5.Gm測定に入る前に、まずショートテストを行う。ショートスイッチで1~5まで調べていくとき、途中でもし隣のランプが光れば、光った番号の組み合わせによりどこがショートしているかを突き止めることができる。6.ショートテストが異常なければ、いよいよTUBE TESTモードでGm試験である。P4ボタンを押してメーターを見る。良否判定のときは、GOOD側にあれば良く、BAIASダイアルを回して細かくGm値を読むこともできる。ロールチャートに標準的なGm値が出ているので、それと比較すればよい。軍用のTV-7と異なり、メーターが大きくて直読できるためとても見やすい。使い方は以上の通りであって、特に難しいところはない。