ツブコの茶店

【トゥルトゥルトゥルルー】


【トゥルトゥルトゥルルー】

♪トゥットゥルー  トゥットゥルー

向うでトラちゃんの<ドウブツ類コールソング>が聞こえる。

なんだなんだと覗きにいくと、


ハト1

(わ、ハトじゃん!)

トラちゃんはトゥットゥルしながら、うなづく。

ハトはスリムで小さく、そのまま鳩笛にしたいような、こどもである。


ハトが来るなんて、

それも、部屋の中に、来てるなんて!!

「ル、ルル~~~~ル、ルル~~~~」

私もトラちゃんに負けずに歌いだす。

「ル、ルル~~~~」と、

ありったけのナカヨシキモチをこめて歌う。


するとハトは歌に合わせたように、元気に部屋をアチコチし始めた。


ハト2 ハト3 ハト4


(ひゃーよろこんでるぅ)

われわれのデユエットは力を得て、ぐんぐんボリュームアップだ。

たたみの上のハトに向かって、花に水をやるように、コールソングのシャワーをふりかける。

♪トゥットゥルー
ル、ルル~~~~♪


部屋は水槽のように、トゥットル、ルル~と満ちてくる。

ハトのおなかから、あたまを越えて、ぐんぐん満ち溢れる。

コールの水の満ちた部屋を、ハトはスイスイ、スコスコと歩き回る。

トゥルトゥルトゥルルー
ルルルルル~

スイスイ、ツツツー
ルルルル
スコスココー


ハト5

(あ、ベランダに出た。行っちゃうの?)

それ!カム・バック、それ!カム・バックー

トゥットゥルルー  トゥットゥルルー
ルッルルル~ ルッルルル~


と、デユエットはボリュームを上げる。


ハト6

ハトは歌を聞くとすんなり帰ってくる。

何回もそんなことをくりかえして、

なんだかゴールに一喜一憂するサッカーの決勝場面みたいだ。



ハトがふいにこちらにやってきて、私の足の甲をツンツンした。

わ、かわいいね、ちっとも痛くないね。ボールペンみたいなかんじだね。

と思ったら

”ポト”

ウンコした。

【鳥は飛び立つ前に、身を軽くするためフンをする】ときいた。

(帰るの?・・・ちょっとおねーさん達ノリすぎちゃったかな?)


ピタッとうたを止め、黙ってハトを見つめた。


ハト7

ハトは敷居の上にぴょんと乗った。そして、首をかしげ空を見たとおもうと、

バタバタと羽ばたきして飛び去った。

一人前の力強い羽音だった。


サンキュー、たのしかったよ。

そして、ちょっぴり ゴメンネ。



ハトの空



.....4/9/8 (水)


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