ツブコの茶店

2003/05/13(火)11:29

ある日のコイシ その1

新入りのコイシ(日記5月2日コイシ十八才)は毎日みんなの”走り”をつとめている。新入りは、種々雑多な用事をたのまれ、いろんなことを覚えていく。荒い”修行”に耐え抜いたものが残る。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・今朝もさっそく、ノダさんから指令がくだった。「コイシ、クレープのタネ取って来い」「タ、タネって、、、???」「ばか、粉とろかしたの、タネっていうの」・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・さて、さっそく冷蔵室に、クレープのタネを取りに行ったコイシが、なかなか帰ってこない。5分もすれば帰ってくるはずが、ナシノツブテだ。ノダさんがいらいらしている。沸騰寸前だ。今日は私も手伝ってクレープの皮を大量に焼くことになっているので、ノダさんに代わって様子を見に行くと、コイシは、冷蔵室の中で、タネの入った大きな寸胴と格闘している。寸胴を抱えて、台車に乗せたいらしい。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・太い寸胴はコイシの座高より高い。小学生対とボブ・サップだ。「だいじょーぶ?」と声をかけると、コイシは格闘をつづけながら、「う、う~、ここ、いろいろ置いてあって、わかんなくって、やっと、やっと、見っけたら、う、おも、重くって、う~ん」とごちゃごちゃ言っている。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そこへ、シビレをきらしたノダさんが、どかどかと押し入ってきた。「なにしてんだよオ!」怒り心頭だ。「タネ探すのたいへんだったみたいだよ」と、ちょっと、弁護か火に油かわからないような発言をしちゃったら、果たしてノダさんは「なんだとお!わかんなきゃ、聞けよお。オラァ、早くそのズンドーを台車に乗せろっての!!」と、一喝して出て行った。コイシはまたズンドーを抱えなおし、台車の端にズンドーの尻を乗せようと、うーうーとがんばっている。手をかしたいが、ここがガマンのしどころだ。       う、う、うがーーっその時、コイシのぶかぶかのコック帽がずれて、同時にズンドーの尻が台車に掛かった。コイシは顔に帽子をかぶったまま、相手をさらに押し上げる。そーだ、その根性だ。ズンドー対コイシの戦いだ。オトコを上げる、千載一遇のチャンスだぞ。がんばれコイシ、押せ押せコ・イ・シ、と、そのとき、        ”ずるっ”台車が動いてコイシはズンドーに寄りかかるように、前につんのめった。       がっしゃーん、       どろろろろろろろろ~~~~~~~~~~ん。床一面にクレープダネが広がった。6畳間くらいの冷蔵室の、くねくね続いた床中に、くねくねと広がった。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・5月でも冷蔵室の中は寒い。あたりまえだ。そーじが終ったときは、ふたりとも凍えていた。冷蔵室の奥には、もっと大きな冷凍室がある。1分で鼻毛がパリパリ凍るのだ。ドアは内側からは開けられない(という)月末は冷凍庫の棚卸のてつだいがあるよ、と、コイシをちょっとおどしておいた。∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞                           <アジアンの猫>29大通りを歩きながらたべものやを探す。オカズはおいしいもの探しの名人である。果たしていくらも歩かないうちに、オカズは「おっ」と立ち止った。路地の角に、ラーメン屋があった。変哲もないラーメン屋だけれど、きっとおいしいだろう。彼女のカンは外れたことがない。                  つづく、、、、、、

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