手長ザルの着物

2005/07/18(月)00:04

『夜のピクニック』恩田陸

毒書の嗜み(8)

(゜エ゜)警戒していたけど遂に買ってしまったっ(爆) 最近、てか、ココ何ヶ月か本屋の新書コーナーでよく見かける本、『夜のピクニック』恩田陸。目立つのは『本屋大賞受賞』って帯。んでもって、売り場ではでかでかと売られているし。ベストセラーの棚にはおかれてないけど、いつも店頭で平積みされてるので、流石に目に付きます。これ見よがしに(!!)「売れてますよ!」とか「いい本ですよ!」みたいなお触書が見えて(嗚呼この辺が天邪鬼っていうのよね)、この本は買うまい、って決めていたのですが、酷い風邪を引いて(判断力が弱った?)、なぜか転んでしまいましたっ(爆) (゜エ゜)…ほら、寝ている時間、部屋にいる時間が長いじゃん。 風邪の具合は、ほぼ良くなってきています。熱もないし、身体のだるさも取れてきたし。まだ喘息症状のぜぇぜぇしたのが続くので、連休中は自宅謹慎(まったくもってこの言葉が似合う!)。それゆえ、パワーが毒書に傾き、思わず本屋で『夜のピクニック』恩田陸と、『秋の花』北村薫の2冊を買ってしまいました。北村薫の『秋の花』は早川文庫からなんですが、お気に入りのシリーズで、とても好きな小説です。これを読むたびにいい作品だなぁと思うくらい、好きです。家の中を探せば、『秋の花』もあると思われるのですが、なんせ風邪を引いてるし(!)、改装したばかりの部屋のあちらこちらを又ほじくりかえす(?)のも嫌だし、なんていったって、病人ですから(?!)本を探す為に自宅といえども、うろうろできないのです。 そして、『大好きな本は何回買っても嬉しい♪』という自分の信条(?)どおり、今回も T△T).。oO つぐみ、風邪ひいてるしさぁ、いいじゃん贅沢したって♪ という理由だけで、『秋の花』北村薫の文庫を買ってきたわけです。多分これで2冊目、もしくは3冊目でしょう…。 ・・・・・・ 本題の『夜のピクニック』ですが。 ストーリーとしては、歩行祭っていうのがあり、其の高校の全生徒が、朝の8時から翌日の朝8時まで歩き続けるという奴です、簡単に言えば(笑)80kmを歩きながら、友と語らい~、まぁ色々なわだかまりのある人たちが出てきて、歩きながらあれやこれや考えたりするわけです。夜をぶっとうして歩きながら(仮眠2時間だし)、登場人物の重いが錯綜するわけです。 夜をただ歩き続けて…、歩きながら一緒にいる友達と色んな話しをするだろうけど、ちょっと想像するだけでも、ずっと歩いて一晩過ごすって並大抵じゃないほど時間が長すぎるっ。そして足が痛い(笑) この本の直接的な感想ではないんだけど。 考えてみたら、『思い出作り』みたいに、歩行祭のようなものが学生時代にちらほらあったなぁと思い出します。一番最初に思い出したのは、大学の遠歩。「遠歩」って呼ばれていたんだけど、正式名称はなんだっただろう・・・。うちの大学の学園祭の時の行事だったと思うんだけど(10~11月頃したような。。。)阿蘇山から大学まで約60kmを歩くのですよ、その『遠歩』では。 えんぽ、て言葉自体、散歩みたいに気楽に聞こえるし、遠いって書いても何処まで遠いんだ?って思うような軽々しい(!)感じですが。この60kmは遠いだろうなぁ~って、学生時代につぐみは思いました。これは出たい人だけっていう行事だったので、つぐみは勿論の事ながら遠慮してました(笑) 確か。。。夜の12時スタートで、男子は阿蘇山の山頂付近から、女子は麓から歩き出して、大学までゴールするって奴でした。夜の12時スタートなので、男子とかは、特別バス(実行委員がチャーターした奴)に乗って山頂まで。 まぁ、勿論の事ながら、体力勝負の体育会系の人たちは、円歩で、歩くといいながらも、じっさいには早足で歩いて、ほぼ走ってるのと変わらない速度で帰ってきたり。入賞とか順位を競っていたり(笑)つぐみん部活の先輩で3期上の男の先輩が、この遠歩で総合3位に入賞したっていうのだけが、強烈に頭に残っています(笑)そのゴールした時の姿をみた先輩からの話しだと、 「歩いてない、競歩で、それも凄い早かった!!(笑)」 だったそうです。走っちゃだめで、歩かないといけない、っていう競技で60kmは長いなぁ・・・( ̄Д ̄;; 走ってるのと、ほぼ同じ速度で歩いて歩いてゴールするって言うのが苦しいところ(笑) んで。。。この遠歩に出たことのないつぐみなんですが、『夜のピクニック』のストーリーを読んで、もし自分が遠歩に出ていたら、この本を読んだ時に、その時の自分の経験してきた遠歩の記憶が出てきて、同じような空気を吸ってるような臨場感を味わえそうだなぁと、すぐに思いました。実際につぐみは、遠歩とか歩行祭みたいに一晩ぶっとうしで歩くっていう行事とか、これまでした事はないんだけど・・・。 (゜エ゜)実は約一晩中、駅伝したことはあるっ(笑) 駅伝の方がびっくり? 駅伝っていっても、中学校の校庭をたすきかけて、クラス全員で当番しながら、走って走って1番過ごすんだけどね。中学3年生の時の年末、12月31日~1月1日にかけて、つぐみんクラス総勢38名ほどで、駅伝しました。年越し駅伝、とかなんとか言っていたけど。。体育教師だった担任が提案して、「思い出作り」という言葉の元、実行されました。クラス38名で、グランド1人4周ほど走ったかなぁ。4周走ったのを2回くらいした気がする~、今となっては思い出しきれないww 大晦日の日に順番どおり走りだして、他の人が走っている間は、友達とお喋りしたり、学校内から出ないようにうろうろしたり。交代で食事作ったり。自分の番が来たら走って、たすきを次の人に回して。。12時のカウントダウンが過ぎるまで、誰かが走ってて、過ぎた後はみんなでコーラとかで乾杯した覚えがある~~(笑)そこで走るのはやめて、乾杯して、ニューイヤーパーティを中学校のグランドでした後、それぞれ体育館の寝床に帰って眠ったり、つぐみはテニス部部室で友達と花札していました(笑) 『夜のピクニック』の中で、確かこんな台詞があって。。 「みんなで夜歩く、ただそれだけのことだのに、凄く特別なんだ」 みたいな。 一晩を一緒に過ごす、ってとっても・・・・想像できないほど時間が長いです、その時は。その時、経験している時は、其の一晩がとっても長い。時間がだらだら続いてて、前日が遠い過去のように、次の日が来るって感覚が遠くなるように感じれたり。夜只一緒に何かをしている、それが歩く事だったり、走ることだったり、話し続ける事だったり。その夜はその時しかなくて、まぁ勿論、今現在も本当に、今この時しかないのと同じように、また同じ夜が来るわけではないだよね。みんなで夜歩く、それだけのことが特別に感じられるっていうのが凄くわかります。 あの夜は長かったなぁ・・・思い出したら。夜が明けるまでの時間が長かった。長くて、濃密で時間がのろのろしていて、今思い出しても、あのときのあの雰囲気は、本当に特定された場所だからこそ、特定された時間だったからこそのことだなぁって思います。普段はそこまで親しみの持てるクラスとかでもなかったけど、あの時の雰囲気ではなんかとてもよかった気がする。。(一晩走ったり喋ったり、友達と要る時間が長くて感覚が麻痺したのかしら?まいんどこんとろーるみたいww笑) 『夜のピクニック』には高校生活の全てが詰まっています、みたいな書評が書かれていたのを、帯かどっかで見たんだけど、確かに是を読んでいると 『嗚呼、こんなんだったね~~高校生だった時って。』 って思い出すことも多かったです。作品中に流れている空気がそうなんだはず。あの頃の雰囲気を彷彿させるような登場人物のキャラクターとか位置づけ。「いるよ、こんなタイプっ」て思うようなのばかりが出てきて、登場人物にもはや初めて会ったような気がしないような(笑)ありふれた身近な人たちに置き換えられるようなところが沢山あって、それが、夜ただ歩くっていうストーリーを本一冊分、持たせているような気がする。。。w 読んでみて、ずばり感想はというと。(今更書くなんて遅い?) (゜エ゜)退屈はしなかった♪それなりに面白い。 ああ、高校生の頃ってこんな雰囲気だったよ。って思い出すような作品でした。恩田陸さんの学園物に共通してるかな。これまでの彼女の学園物を読んでいて、人物設定とか似てるなぁって感じるから、目新さはなかったな。でも、『夜歩く、ただ歩く』っていう状態で、それをずっと追っているっていう視点は面白いって思った。目新しいことがなかったと感じながらも、ちょっと面白いなぁって思う感じかなぁ。本屋大賞で、全国の本屋の店員がお勧めする、っていう太鼓判的な強さで、「この本はいいですよ」って全面的に宣言するほどではないような気もしたけど(苦笑) 本屋大賞って調べてみたら、全国の本屋の店員さんからの投票で決められてて、其の投票数はほぼ180~270だったんだー。全国から、って言われてる割には、この数って、物凄い・・・少ないよね(苦笑)本屋はその100倍くらいの数ほどあるような気がする…。こんな少ない数で選ばれてるのか~って思うと、それでいいのか?とか思いつつ。 投票するためには、其の年に発売された本から自分のお勧めを3つ選んで、1回目の投票。んで、其の集計されてベストテンになったのを、10冊読んで(これが大変!)、その10冊のなかからさらに3冊選んで、2回目の投票っていう手順らしいの。だから、投票数が少ないっていっても、2回目の投票の時には、其のベストテン10冊を読まないといけないハードルがあるから、投票するにしても大変だよね~~って、思わず溜息ついちゃいました。好きな本だったら読めるけど、義務で読むとか興味がない本を読むのは辛いです(苦笑) 本屋大賞は其の名の通り、本屋さんが仕掛けてる賞で。売り場からベストセラーを出す、って作戦ですよ。賞金10万より、色んな本屋さんで自分の本が大売出しで太鼓判押されて平積みされてるほうが、よっぽど良いよね~とか思ったり(笑)この『夜のピクニック』もいたるところの本屋でみかけるものだから、煩いなぁって思っていたくらいだし。 去年は『博士の愛した数式』小川洋子さんの作品。昔から小川洋子ファンなつぐみとしては嬉しかったなぁ。んで、今年は『夜のピクニック』恩田陸。ちなみに、今年の本屋大賞の3位には、『家守綺譚』梨木香歩さんでした。梨木香歩さんの大ファンなつぐみとしては、3位入賞で嬉しかったー。遂にここまで認められるようになったのね、って感激したし。 なんかまとまりつかないし、長くなってきたので、毒書感想終わり♪ ・・・・・・・・・・・ 滞っています。 昨日、日記のコメントのレスをつけはじめて、丁度タイルの目地洗いのところで、もう1週間経つし気持ちの整理もついてきたわ~って書き出したのはいいんだけど、15人分書いていたら、段々とあの時のもやもやってした気持ちがよみがえってきて苦しくなりました。それでまた滞ってしまった…(爆)かるぅくお返事とか書けるんだったら、もっとすんなり滞らずにレスが溜まらずに終わるような気もするし、其れも実際に他から言われもするんだけど。滞っているのは、悪気があるとかー(別に誰も層思ってないかもしれないけど)、忙しすぎて時間がないとか(今は風邪で自宅療養だから時間ある、たっぷり)じゃないんです。今回の場合、色々考えてて、それでスグに返事がかけないままです。メールを頂いてる友達にもお返事が出来ないまま、ずるずる今日になってしまっています。しっかり考えて、しっかり書きたいって思ったら、考えたりする時間や書き出すタイミングが必要みたい。 それゆえ、もう少し滞りそうです。ごめんなさい。

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