2005/04/03(日)21:26
化けの皮は、はがれるのだ。「知的生活の方法」
「知的生活の方法」、「続知的生活の方法」 渡部昇一
昔々のベストセラー。もう、30年近く前の本です。
どれぐらい繰り返し読んだかわかりません。今でも、わたしに影響を与えていること多数です。
今、しみじみ分かることは、次の3点。
1 自分に正直になること、とくに、背伸びしない読書。
2 繰り返し読めば本物が残る。
3 恒産無くして恒心無し。
1については、SFばっかり読んでた高校時代から、自信ありました。
2は、古典のできかた。前にカゼ薬本のところで書いたこと。普通の人間でも、繰り返し繰り返し読んでいれば、本物が残ること。シェークスピアも登場時は、あまたの人気作家の一人だったけど、何度も繰り替えし上演されているうちに、誰にでも分かる古典となっていったのだ。
3は、今になって痛感する。財産があれば好きな本を読んで、好きなことをして暮らせるのに。
著者は、書いたことを、全てクリアーしている。貧乏だったに勤勉貯蓄で財産まで作ったのだ。事業を興したのではない、学者で財産を作ったのだ。
自信満々である。
また、思想的な点でも自分の考えを、周囲の思惑を気にせず述べている。嫌いな人も多いだろうけど、一貫していることは認めるだろう。
その時々の流行や、人気に乗っかった発言をしても、必ず「化けの皮ははがれる」のだ。自分に正直に言う方が、結局楽なのだ。
※1 この本は、まだ増刷されていました。ブログを初めてから、絶版の多さ、作家の絶頂期の短さ、忘れ去られることの速さが、身にしみていたのだが。
渡辺昇一すごい。