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テーマ:あの本、おぼえてる?(347)
カテゴリ:あの本、おぼえてる?
昨日は、井沢元彦について書きましたが。井沢氏も「逆説の日本史」の中で、何度も言っております。
日本史は怨霊の歴史である。 たたりを恐れる歴史である。 出雲大社は、大和朝廷に破れて、歴史の表舞台から去った大国主命を、祭っておりますが。世界中、どこにも、敗者を大々的に祭るところはありません。 でも、日本人にはよくわかるメンタリティ。 死者はいい人なのです。特に、志なかばで死んだり、非業の死を遂げた人は。 総理大臣で在任中に亡くなった、大平さんや小渕さん。生きてる間は散々けなしていたくせに、死んだ途端、いい人だったの大合唱。マスコミの手の平の返し方。 びっくりしましたが、日本人は、やっぱり、死者が怖いのよ。たたりが怖いのよ。 恨みを残し、非業の死を遂げた人は、立派な神社・寺に祭られ、素晴らしい名前や称号が与えられるのです。 で、それまでは神社に祭っていたのですが。新しいたたりをしずめる装置「寺」が中国から輸入されました。 そう、日本史で最初に寺に祭られ、聖なる名前を与えられた人。 聖徳太子。 実は、聖徳太子は恨みを残して死に、法隆寺は怨念をしずめるための寺だというのです。 一つだけ言っておけば、聖徳太子の子供、山背大兄皇子は一族25人とともに、蘇我入鹿に滅ぼされます。子孫が絶えると言うことは大変なことです。特にあの時代に。 聖徳太子が幸福であるとは、あの時代の人は一人も思わなかったでしょう。 初めて読んだ時、おもしろくて、気付いたら夜中です。 聖徳太子の恨みの深さ、呪われた者達が聖徳太子を封じ込めるために行うことの一つ一つ。 話が核心に迫っていくと丑三つ時です。今さら、やめられませんよ。 しかし、怖い。人間がやることの怖さです。 今回、いろいろ書きましたが、一つもネタバレはありません。本書の「はじめに」から、法隆寺は怨霊鎮魂の寺と書いていますし、 梅原猛は、法隆寺の謎を七つあげ、一つ一つ解いていきます。圧倒的なエネルギー。まるで、ミステリの解決編です。 歴史好きの人、長いのが苦でない人。おすすめします。 梅原猛の熱意を感じてください。 梅原猛の本です。 ※1 前に、、「本がどんどん買いたい」で、「問題な日本語」を、古本屋で待つ、と書きましたが。今日、用事があって、学校の図書館に行ったら、新入荷。一番で借りてきました。幸せ。 人気blogランキング ←参加しました。押して下されば、元気が出ます。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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