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テーマ:あの本、おぼえてる?(347)
カテゴリ:あの本、おぼえてる?
10数年前、職場(高校)の先生に、この本を薦めたところ、バカ受け。
かなり喜んでいた。なんだか、本当に使えそうなところがおもしろい。 「国語入試問題必勝法」は、国語のできない受検生に、天才家庭教師が、受験問題を解くテクニックを教える短編。 例えば、「長短除外の法則」「正論除外の法則」 国語の選択問題で、4つの選択肢があったら、長いのと、短いのは正解ではない。これが、「長短除外の法則」 問題を作る方の心理を考えてみると、まず、正解を作る。その後に、間違いの選択肢を作る。 その時に、間違い全部を正解より長くしたり、短くしたりはしない。どうしても、正解を中心に間違いを作ることになる。結果として、「長短除外の法則」が生きてくる。 「正論除外の法則」は、かなり陰険。 例えば、「散歩をしていて、いつもの湖にゴミが浮かんでいた。たいへん見苦しい」という趣旨の文があったとする。 著者の考えを述べよと言う問題の選択肢に、「ゴミは捨てないようにしましょう」と、有れば、これが間違い。 「正論除外の法則」 つまり、「ゴミは汚い」までは、文章にあるのだが「ゴミは捨てないようにしましょう」は、文章の中に無い。 だから「ゴミは捨てないようにしましょう」は、言い過ぎなのだ。 そして、普通の人は「ゴミは汚い」→「ゴミは捨てないようにしましょう」が自動思考になっている。 だからこそ、引っかけ。当たり前の常識人が引っかかるから、試験問題になるのだ。 「正論除外の法則」は、選択肢の中に「正論」が有れば、引っかけが多いぞ、気をつけなさいと言う話。 むむむ、著者は後書きの中で、これは小説だから、信用しないようにと書いていたが、なんだかありそうな話。 その、ありそうなところが、おもしろいのだが。 ところが、実際に似たような趣旨の参考書があるのだ。 有坂誠人『現代文速解 例の方法』 問題文を読まずに、選択肢だけで答えを出そうと言うところは「国語入試問題必勝法」と同じ。 書かれた時期は「国語入試問題必勝法」の方が先。 なんだか、パロディに現実が追いついた形。 進学校に転勤になった時、国語の先生の机の上に、『現代文速解 例の方法』があった。 思わず、「これ役に立つの」と聞いたら。 「早慶とか、センターには、効かなくなりましたね。問題を作る方も対策しているから」とのこと。 一時期は、それなりに役に立っていたのか。 「結局」と国語の先生は続けて、 「文章を書いた人の心理を読むんじゃなくて、問題を作った人の心理を読むのが入試問題なんですよ」 なるほど、素直じゃない。 国語入試問題必勝法 例の方法 ※1 短編集ですが、一つ一つ、趣向を凝らしてあります。 中には、大当たりもあるのでは。 ※2 応援メルマガ、配送第1号、本日出しました。ずいぶん、考えたけど、読み返すとアラばかり目立ちます。しょうがないね。まずは、始めること。続けること。 ← メールマガジン始めました。「応援メール」です。登録はこちら。週一回、できれば二回以上のペースで発行します。 サンプルはこちら 人気blogランキング ←今日は25番、一喜一憂するのもどうかと思うが、気になるもので・・・。一つ押して下され。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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>文章を書いた人の心理を読むんじゃなくて、問題を作>った人の心理を読むのが入試問題なんですよ」
これじゃ、試験のための勉強が楽しくないのはあたりまえですね~。 今朝、出勤前にメルマガ読みました。良かったと思いますよ。お世辞はいわない主義なので本音でよかった。 今日は、ちょうど忙しい1日になりそうで月曜だしちょっと 憂鬱な気分だったんですが、なせばなる、頑張ろうって 気持ちになってまさに背中押されちゃいましたよ。 ありがとう~♪感謝。 (2005.05.09 22:38:58)
ひさしぶりに読んでる本が紹介されました。
しかし、さすがですね >有坂誠人『現代文速解 例の方法』 こういうのがあるのですか。 清水義範さんは、子供たち相手の作文の講義なんかをさせてもうまい人ですね。 解釈が的を射ていておもしろいです。 応援メルマガ届きました^^ (2005.05.09 23:02:35)
hikaru6600さん
>>文章を書いた人の心理を読むんじゃなくて、問題を作>った人の心理を読むのが入試問題なんですよ」 > >これじゃ、試験のための勉強が楽しくないのはあたりまえですね~。 > >今朝、出勤前にメルマガ読みました。良かったと思いますよ。お世辞はいわない主義なので本音でよかった。 >今日は、ちょうど忙しい1日になりそうで月曜だしちょっと >憂鬱な気分だったんですが、なせばなる、頑張ろうって >気持ちになってまさに背中押されちゃいましたよ。 >ありがとう~♪感謝。 ----- こちらこそ、ありがとうございます。 がんばると続かなくなるので、 ぼちぼちやっていきますので、 よろしくお願いします。 (2005.05.09 23:16:24)
エヴァーラスティング・ドリームさん
>ひさしぶりに読んでる本が紹介されました。 >しかし、さすがですね >>有坂誠人『現代文速解 例の方法』 >こういうのがあるのですか。 > >清水義範さんは、子供たち相手の作文の講義なんかをさせてもうまい人ですね。 >解釈が的を射ていておもしろいです。 > >応援メルマガ届きました^^ ----- 最初、有坂誠人『現代文速解 例の方法』を知った時は、パロディかと思いましたが、 本人は、真剣なんですよ。 でも、こんなのは学力じゃないですよね。 応援メルマガ、応援になったか心配ですが、 長い目で見てください。 (2005.05.09 23:18:42)
madoka7301さん
> 一瞬 学生に戻った気分になりました(汗) > > そうか 問題作成した人の心理を読むのか。 > う~ん 推理小説より深いかも。。 ----- そうそう、 国語のちょっとできる子は、文章を読むのですが、 かなりできる子は、出題者の意図を読むのです。 問題の流れから、こう答えさせたいとか。 かなり、はっきり読めるらしいです。 (2005.05.10 00:04:20)
ようちゃん2号さん
>ひとつ、トラックバックさせていただきました。 > >何でもお手軽に「やり方」に変換されて、人もマニュアル化されて行くような感じが気持ち悪いのかな? ----- トラックバック光栄です。 まじめに「対策」するところが、おかしいんですよ。 「中島らも」や「筒井康隆」や「山本夏彦」が、 わかっているけど、恥ずかしくてできないことと、表現していました。 面白半分の姿勢が正しいのかも。 (2005.05.10 00:14:38)
tuitelさん こんばんは
>トラックバック光栄です。 >まじめに「対策」するところが、おかしいんですよ。 >「中島らも」や「筒井康隆」や「山本夏彦」が、 >わかっているけど、恥ずかしくてできないことと、表現していました。 >面白半分の姿勢が正しいのかも。 ----- トラックバック返し光栄です。 全部「やり方」に変換して、そこから外れないようにっていうの、この頃目立っているような気がしませんか? そんで、外れたらなんか「それ見たことかお前が悪い」って、よってたかって叩くような風潮があるような気がしてならないんです。 マスコミのJR西日本いじめと日勤教育が同じ根っこっていう日記があってその通りではないかなと思いました。 笑うとしたら、「日勤教育」が「流行語大賞候補」って感じ…?(えらく不謹慎だけれど…) (2005.05.10 00:38:31)
ようちゃん2号さん
マニュアル通りにやるのは、アリバイ工作です。世間に対する。 本来なら、マスコミが多様な視点で、風穴を開けて、風通しを良くしないといけないのですが。 >笑うとしたら、「日勤教育」が「流行語大賞候補」って感じ…?(えらく不謹慎だけれど…) ここで笑って精神のバランスを保つべきです。 (2005.05.10 00:44:44)
な、なつかしい・・・。高校生のとき、図書室で読みました。ちゃんと小説の棚に置いてありました。年がばれちゃいますが、「例の方法」も参考書として読んでます。実行もしましたよ、えへへ。何問かはそれでマルがつくんですが、鉛筆転がすのと同じ正解率だったような。
(2005.05.10 07:54:15)
足跡からお邪魔しました。
「国語入試問題必勝法」、私も最近知人の学校の先生に読ませて大受けでした。 国語の問題文への皮肉たっぷりで、当時主人公と同じく受験生で、共通一次の国語の問題に手を焼いていた私は、これを読んで大いに溜飲を下げたものです。 「猿蟹合戦とは何か」など、この本に収められた他の作品も傑作揃いですよ。 (しかし、真面目に書かれた「必勝法の本」があるとは知らなんだ~でした。) (2005.05.10 18:21:00)
とおり・ゆうさん
>な、なつかしい・・・。高校生のとき、図書室で読みました。ちゃんと小説の棚に置いてありました。年がばれちゃいますが、「例の方法」も参考書として読んでます。実行もしましたよ、えへへ。何問かはそれでマルがつくんですが、鉛筆転がすのと同じ正解率だったような。 ----- 英語版の例の方法もあるのですが、選択肢も英語で、意味がわからなくて、あえなく、挫折。 そういえば、共通一次(年がばれる。今のセンター試験)用に、四角い鉛筆(四択用)が、ありましたね。 (2005.05.10 19:19:28)
ぷよぷよenekoさん
>足跡からお邪魔しました。 > >「国語入試問題必勝法」、私も最近知人の学校の先生に読ませて大受けでした。 >国語の問題文への皮肉たっぷりで、当時主人公と同じく受験生で、共通一次の国語の問題に手を焼いていた私は、これを読んで大いに溜飲を下げたものです。 > >「猿蟹合戦とは何か」など、この本に収められた他の作品も傑作揃いですよ。 > >(しかし、真面目に書かれた「必勝法の本」があるとは知らなんだ~でした。) ----- ご訪問ありがとうございます。 学校関係者、特に、国語、英語の先生には、うけますね。 内心、ばからしさを感じてる部分もあると思うんですよ。文学を試験問題にすることなどに。 短編集の他の作品もおもしろいですね。 それぞれ、別々の趣向を凝らしているので、全部が全部、大受けではないのですが。 はまると大きい。 (2005.05.10 19:27:04)
はるる!さん
>このひと。 > >「どこがっ?!」って、思っちゃうんだけど。 > >半村良さんの「愛弟子」とゆー、ことになってるみたいですね。 ----- 不思議ですね。全然違いますけど。 売れない時にずいぶん半村良のお世話になっていたようですね。 昨日、半村良の「石の血脈」を読み返して、小説上手いなーと、ほとんど呆然としてしまいました。 次は「産霊山秘録」を読むぞ。 (2005.05.11 20:14:27)
10年近く経ってからのコメント、失礼します。
書かれた時期は、清水本より有坂本の方が先のはずです。 (参考) http://roudai.exblog.jp/6527696/ さらに言えば、予備校講師が本に書くことは、その何年も前から講義で話していたろうことは容易に想像つくはずです。 今頃なんですが、有坂氏の名誉のためにコメントを残させてもらいます。 (2014.04.27 01:00:24) |
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