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テーマ:あの本、おぼえてる?(347)
カテゴリ:あの本、おぼえてる?
今日は小松左京。
「日本沈没」の系統では、危機に対する主人公達の格好良さにしびれ、 「女シリーズ」では、その通り、女の美しさ、はかなさ、かわいらしさを表現し、 「未来の思想」、「はみ出し生物学」、「妄想日本紀行」等々で博覧強記を示し、 長い物から短い物、極微から極大まで、過去から未来、下世話から形而上、 向かうところ敵なし。 そして、わたしが一番好きなのは、宇宙物。 今回は、「ゴルディアスの結び目」 --かつて、それは「部屋」だった。 間口5メートル、奥行き7メートル、高さ4メートル特殊合金入りのPSコンクリート製の部屋は、今や、直径25センチ弱の、表面にわずかな凸凹(おうとつ)のある、ボールになっている。 この後、質量欠損、表面輻射、ニュートリノを使った内部探査など、小松左京得意の描写が続く。 そして、この部屋が爆縮する前の、中にいた二人の話になっていく。 説明しようとすると、荒唐無稽になりそうだが、悪魔憑きにサイコダイバーという話。主人公は、マリア・Kという娘の精神の中へ入っていく。娘は、特殊鋼で強化された部屋に閉じこめられているのだ。 その部屋では怪異現象が起こり、何もない空間から岩石が降り、硫黄の燃える匂いがする。 主人公は、ついに、娘の精神の中、奥深く入り、ついにシュワルツシルドの半径を超え、エルゴ領域へ入っていく。 「岬にて」「ゴルディアスの結び目」「すぺるむ・さぴえんすの冒険」「あなろぐ・らう゛」 の、四つの短編。 小松左京は、これらの短編を、「最も個人的な旅の備忘録」であり、「出発」「渦」「難破」「孤島」に関するほんの1行ずつのメモに過ぎない。と言っているそうです。 カッコイイね。 ストーリーと描写がある小説という形式は、情報を伝達するのに良い手段である。 細かいところはともかく、相手の頭の中に、大まかな絵を写すのに、いい方法なんだそうだ。このへんは小松左京の持論。 メモだろうが何だろうが、小松左京の描き出す骨太の世界、想像力と筆力にめまいがしそうだ。 ゴルディアスの結び目 ※1 宇宙物でも、「結晶星団」、「神への長い道」、「虚無回廊」と迷いましたが、小説として、一番まとまってる感じがして、「ゴルディアスの結び目」 「神への長い道」の「宇宙よ、しっかりしろ」と言うセリフもすごかったけど。 ※2 本日、学校のプールのプール開き。 昨日は27度まで上がりましたが、今日は20度。 泳ぎ初めの水泳部、かわいそう。 ← メールマガジン始めました。「応援メール」です。登録はこちら。月曜日から発行しています。週刊ですが、ゆくゆくは、ほぼ日刊にしたい。 サンプルはこちら 人気blogランキング ←今日は25番、一喜一憂するのもどうかと思うが、気になるもので・・・。一つ押して下され。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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