奥行き。
痛いほどの冷たさにこの上なくひどい冬を感じながらも日の長さに春を感ぜずにはいられない。この矛盾こそが世の常のように思う。こんなこととあんなことは背中合わせの様だけれど結局、紙一重。一番やっかいなのは人間のこころでこっちとそっちとが最後には一緒にぐちゃぐちゃになってしまう。研究者は様々な事を掘り下げて真理を追究しているけれど行きつくところはみな様々な角度からの幸せ探しそんなことをこの頃感じている。この世の終わりの様な冷たさの中幹は樹木の中でしたたかに春の準備を進めている。寒風に盾になりながら。実直が全てでは無い。明確が答えでは無い。どんなこともまっすぐに受け入れられたらそれでいいと思う。時間をかけて痛みを覚えて涙を堪えてしか説得力は発揮できない。だとしたら、私はまたひとつ、アイテムを手に入れた事になる。喜ぼう。奥行きを増してくれた普通では出逢えなかった感情と経験に。