通勤電車
両側で女子学生が船を漕いでいる。
私の三時間より短いかな
眠った時間が少なければ少ないほど
緊張が続いて
反って覚醒して眠くならない
捌けていないメールの事を思いながら
少しだけ早足になって
ひとつはやいのに乗り継いだ。
これだけの努力も
報われないことも知っている。
いつまでも見えない未来に
さらに苦しみが増すけれど
高校時代に好きだった先輩と
同じ香りがして
今がいつなのか一瞬迷った。
こないだから堪えたものを
吐き出せそうで吐き出せなくて
解放の場所を探してさまよっている。
もう時間も場所も
どこにいるのかわからなくなりながら
空を見上げた。
イヤホンからのメッセージに応じて。