博士の野望(?)怪しげな研究所の暗闇の中、一人の研究者が、 今、試験管を前に笑っていた。 「ふふふふ。ついに完成したぞ!これぞマニア達の夢、 いや全オタクの夢!ふははははは!」 と怪しげにめがねを光らせて高笑いをした。 「これ、本当にうまくいくんですか教授? 私には、どうもうまくいくとは思えないんですけど・・・。」 隣で白衣を着た、金髪の歳は大体15歳くらいの少女が言った。 「大丈夫。成功するさ。何せ、最初の実験台は、 君なのだから何も恐れる事はない。 そう、君の頭に白い三角のネコミミが生え、 腰には白いシッポが生えるのだから。」 「ええ!わ、私ですか?何でです? 実験ならあそこでへたばってる薬中者を使えばいいじゃないですか!」 そう言って助手は、廃人同然の男を指した。 「いかん!彼には今までの試作品を(半ば無理やり) 飲んでもらってきた。 そろそろ彼という協力者にも安らぎを与えても良いではないのかね?」 「はぁ~。」 とにかくめがねを無駄に光らせて熱く語る教授に、 助手は呆れて生半端な返事を返した。 「それに、むさい男にネコミミをつけるなど! 言語道断!そうだろ皆のもの!」 「YES、サー」 再び、今度は片手にどこから取り出したかマイクを、 もう一つの手を握りこぶしにして熱く語る教授。 その声に賛成するアキバのオタクたちに声。 「じ、実際それが本音でしょ! てかこの人たちどこからでてきたの!?」 「彼らはスポンサーのオタクたちだ。 いままでこのラボの中で動力源のための電気を、 自転車でこいでもらっていた」 呆れて、言い返す助手をあっさりとねじ伏せた教授は、 怪しく光る緑色の液体の試験管を取り出し、 「さ~。ぐいっと飲みほすのだ!」 「う、わかりましたよ。飲み干せばいいんですね。」 目の前に出された試験管を一気に飲み干す助手周りで それを見守るオタクと教授。 「ゴクゴク。ぶは~。飲み干しましたよ。 何も起きないじゃないですか!」 飲み干して、叫ぶ助手、周りで膝まついで泣き出すオタク。 「そんなはずはない! ほれ、生えてきたじゃないか」 見ると助手の頭に小さい三角の白いふわふわの物体が、 「え?あ!な、にゃにこれ? あれ?にゃんで言語までネコぽんにゃ?」 頭に手を当てて、慌てる助手。 そのようすに大歓声で喜ぶオタクたち。 一時間後。 「にゃ~ん。にゃんでこんなすがたにゃ。」 「いいね~。ネコぽいよ。」 「ハァハァ。5年も粘ったかいがあった。」 メイド服を着せられて、助手は写真かいに出されてた。 「よしよし。今度は資金稼ぎだ。 しかし、金髪に白いミミとシッポは似合うな。うんうん。 お~いネコ君。」 遠くでしみじみと見ていた教授は助手を呼び出した。 「にゃんですかにゃ教授?」 「うむ。今度はマダム向けにこいつを美青年に飲ませたいと思うのだが そのターゲットをつれてきてくれ。 な~に名古屋の栄えあたりをその格好でうろついていればすぐ見つかるさ。 では、わしは旅に出るのでな。はい、これ。さらばだ!」 そう言って駅へ向かい教授。 渡された試験管の中身をみて助手は、 「にゃ、にゃにこれ?しんじにゃれにゃ~い。 どうみても失敗作じゃにゃいか! 白いし、どろどろだし、本当にせいこうするのかにゃ?」 不安と希望を胸にネコ助手は栄えの町に繰り出すのだった。 がんばれネコ。めざせ聖地!(次回へ続く?) ジャンル別一覧
人気のクチコミテーマ
|